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"Die Oper kocht" 試作xix フローレスのパパ・アラワンカイナ(ジャガイモの辛チーズソース掛け)

2017.07.20 08:15|Die Oper kocht
 親戚から貰って持て余し気味のトウガラシと冷蔵庫に残るジャガイモを有効活用すべく、人生で初めて南米料理にトライ(作るのは)してみました。現代を代表するベルカント系スター・テノール、ファン・ディエゴ・フローレス紹介の「パパ・アラワンカイナ」Papa a la Huancaínaという、ジャガイモとゆで卵に黄唐辛子のピューレ入りチーズソースをかけた一品です。

 おそらく私含め日本人には聞きなれない名前の料理だと思いますが、語源など詳しいことについては日本版ウィキペディアにも記事があったのでそちらをご参照ください。
パパ・アラワンカイナ

 フローレスはペルー出身ですが、リンク先記事によるとボリビアなど南米の他の地域でも広く食べられているようです。共にこのあたり原産のトウガラシとジャガイモをメインに使うあたり非常にラテンアメリカみを感じるような。
 しかしネットでもっと詳しいレシピを見たところ、この料理に用いるトウガラシはアンデスで一般的なアヒ・アマリージョなる品種で、どうも国産とは微妙に味が異なるらしいことが判明(本の調理過程写真には実物が写ってなかった><)。
 
 アマリージョはトウガラシとしてはそこまで辛いタイプじゃないそうですが、一方うちにあるのは一、二本刻んで炒め物に加えると舌がひりひりする程度には強烈です。さすがにこれをレシピ通りの分量使う勇気は出なかったので、黄色ピーマン(よく赤いのとセットで売られているやつ)と組み合わせて使ってみることにしました。

材料(4人分) ※日本人にはやや多めかも。うちは3人家族ですが、だいたいこの半量くらいで作りました

黄トウガラシ(正しくは南米産の"アヒ・アマリージョ"。今回は普通の黄ピーマンと国産青トウガラシで代用) 5個 
タマネギ(小) 1個
クリームチーズ 250g
オイル 250ml
牛乳 250ml
塩・こしょう
(以上ソース分)

ジャガイモ 500g(中サイズなら4個くらい)
黒オリーブ 4個
卵(固めにゆでる) 2個
レタス 1個(日本の通常サイズでは大きすぎるので小ぶりのもの?)

作り方
(すみません今度も調理過程の写真撮るのを忘れてました。再度作ることがあれば追加するかも)

下ごしらえ:ジャガイモと卵はそれぞれゆで、皮(殻)をむく。レタスは洗っておく。

1:タマネギとトウガラシをみじん切りにする。フライパンにオイル(ここではオリーブ油を使いました)大さじ2を熱し、切った野菜類を炒める。なおトウガラシの種は取り除きます。素手で扱う際にはくれぐれもご注意を!

2:クリームチーズに残り分のオイルと牛乳を混ぜ、ミキサーにかける(チーズはちょっと電子レンジにかけて柔らかくしておくと楽)。さらに炒めたタマネギとトウガラシも加え、全体がむらなく滑らかになるまでよく混ぜる。出来あがったソースに塩こしょうを足して味付けする。

3:食べやすい大きさに切ったジャガイモ・ゆで卵・レタスを皿に盛り付け、ソースをたっぷりかける。上に黒オリーブを飾って食卓へ。


 huancaina.jpg
  マヨネーズではありません

 うちは大のジャガイモ嫌いがいるのでイモの分量少なめ、逆に卵多めにしてます。オリーブの実も私が好きなため大量に...(笑) どうでもいいことですがこのロメインレタスは家のベランダで収穫したもの。

 ソースはクリームチーズがベースなので、はじめはマイルドなまろやか風味ですがじきトウガラシの辛さが効いてくる感じ。マヨネーズよりもさっぱりしているし、よく冷やして出すと食欲なくなりがちな夏にはぴったりではないかと思います。
 余ったソースは瓶などに入れて冷蔵庫で4~5日くらいは保存可能。少しつぶしたゆでジャガにインゲン、ニンジン、ハム等の具を合わせ、このソースで和えてポテトサラダ風にしたのもなかなか美味しかったです。

 上にリンクを貼ったウィキ記事にも「ソースを作る時の分量配分で、同じパパ・アラワンカイナでもだいぶ味の異なるものが出来上がる。特にアヒ・アマリージョをどれくらい入れるかで辛みが変わり、中には全く入れずに辛くしないというレシピもある」とある通り、辛さは好みで加減するものらしいです。今回作ったのは(日本のカレー的表現でいうと)微妙に甘口寄りの中辛ぐらい? トウガラシの量、あともう少しだけ足しても良かったかも。ネットでならアマリージョのペーストとか出来合いソースの素↓も販売されているようなので、より本場に近い味を知るのに一度買ってみるのも良さそう。

ワンカイーナ(ジャガイモのチーズソースがけ)の素(PROVENZAL)

 どうもロッシーニやドニゼッティの作品と縁がない(音楽が苦手というよりは、ストーリーに興味をひかれるものが少ないのが最大の理由で...)私はフローレス出演のオペラは映像でも片手で数えられるほどしか見てませんが、実は一度だけ生で聞いたことがあります。
 もう18年前にフローレスが来日してリサイタルを開いた時のこと、私がオペラ好きなのを聞いたという親の知人から、急用で行けなくなったチケットを譲っていただいたのです。しかも軽い気持ちで出かけたらなんと最前列かそのすぐ後ろの席、セーラー服の学生が一人座っていたのは白い目で見られていたかもしれません(汗) 昔過ぎて記憶も薄れかけてはいますが、とにかく至近距離で浴びる声の強烈な輝かしさだけは今でも耳に残ってます。

確かNHKのカメラが入っていたはずと当時の映像を探してみたらやっぱりありました。





私の後頭部が映り込んでたらどうしよう(もっと端の席だったとは思うけど、、、笑)
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テーマ:料理レシピ
ジャンル:グルメ

コメント

芋と乳製品は相性バッチリ!

栄養バランスが良くて美味しそうですね。ロメインレタスの彩りも美しい。プランター園芸だと使用済みの土を再利用しないと。最終的には不燃物として捨てるのですか?8月に欲しい本が沢山で金欠になりそう。ダンジョン飯に、竹書房の猫SFに、ナイトランド叢書に。ナイトランド叢書は「魔女を焼き殺せ!」という過激な題名で書店で注文する時、恥ずかしかったです。あと「メイドインアビス」という作品にも、はまっております。アニメを見てファンになりました。

Re: 芋と乳製品は相性バッチリ!

バラの植え替えでたくさん出る古い土(同じバラ同士で土を使い回すと育ちが悪くなるそうなので)に肥料や再生土を混ぜたのをレタスやルッコラ用に使い回してるんです。元がそこそこいい値段のバラ専用土なので捨てるのがもったいなくて。

実は送ってきたトウガラシと一緒にキノコもたくさん入ってまして、ちょうどキノコをテーマにしたFUNGIなるアンソロジーを読み始めたところだったので微妙な気分になりました。まあ栽培ものの椎茸ですけど。
猫SF傑作選、購入は収録作次第かなと思いますがとりあえず表紙だけは可愛くしてほしいです(笑)

>メイドインアビス
これ面白そうですね。アマゾンプライムに入ってながらろくに活用してないので見てみます。

FUNGI 第2コロニーも期待してます。

学生時代からオペラがお好きだったのですね。アーカイブが残っているなんて。菌類小説選集はGWにゲットしました。「真菌デブっちょ」が面白かったです。連日の酷暑とゲリラ豪雨で菜園とサフィニアの元気がありません。ニチニチソウだけは満開です。

Re: FUNGI 第2コロニーも期待してます。

そうか、「コロニー」て巻数のことか!(←今まで気づいてませんでした)これは続編が期待できるというわけですね。
個人的一番は「パルテンの巡礼者」ですが、「白い手」や「咲き残りのサルビア」ももっと知りたくなる世界観です。

そもそもオペラを聴き始めたのは、好きな物語や伝説を基にした作品が多いところから興味を持ったのがきっかけだった気がします。「さまよえるオランダ人」や「青ひげ公の城」などおどろおどろしい題材のものから入ったせいか、すっかり好みが偏ってしまいました(笑)

牛車で行こう!

図書館の新刊コーナーに「牛車で行こう!」があって早速借りました。白水社の「馬車が買いたい!」リスペクトで、学術論文が元になっているのに読みやすく面白かったです。枕草子で牛車の轍が蓬を踏んで薫りがたつ場面が大好きなもので。四人が定員で後ろ乗り、前降り。牛飼童や車副の男衆までがセットで維持管理が大変。そのため動産としての価値を持ち相続の対象となった。平安時代以降廃れた牛車のランクや文様が現在詳しく分かるのは松平定信のお蔭。寛政の改革でしか知りませんでしたが、老中を退いてから研究者として牛車の専門書を書いた教養人だったのですね。「馬車が買いたい!」も、凄く面白かった!パリで名を挙げようとしたら天文学的にお金がかかるのですね。人も金も吸い寄せるパリの魔力。

Re: 牛車で行こう!

鹿島先生の本は大学のレポート資料用に何冊か借り出したことがありますが、そういえば馬車が買いたい!は未読でした。
「牛車で行こう!」はその和風版と思えばいいんでしょうか?

個人的に欧米の文学でも特にイメージしづらく分かりにくいのが馬車に関する記述のところなので、そこを詳しく解説したムック本みたいなのがあれば読んでみたいとずっと思っています。現在のバスやタクシーの前身の乗合馬車や辻馬車、上流階級の自家用馬車、アメリカ開拓時代の幌馬車とか図解入りで、できれば時代ごとに。洋の東西比較みたいな感じで日本の牛車も入れてくれれば言うことないんですけど(笑)
しかし自家用の馬車って各種人件費も込みでお金がかかりますから、やっぱり相当の贅沢になるんでしょうね。エイクマンの「ある少女の日記帳より」でも主人公が雇った馬車で旅するしかないのを嘆いてましたが、あれに関しては仕方ない気もします。

馬車が買いたい!

「馬車が買いたい!」には馬車の図録も載っていますが、19世紀のパリ限定なので、解りやすく国別、時代別に纏めたムックがホント欲しいです。身分や懐事情によって千差万別なのは、自動車と同じで、自動車に転用された馬車用語もあるのですね。牛車は一頭で牽くのに対し、馬車は一頭、二頭、四頭、六頭と色々で、シンデレラのかぼちゃの馬車はディズニーアニメでは四頭立てでしたっけ?大草原の小さな家の箱馬車、ホームズのヴィクトリア朝ロンドンの馬車など興味は尽きません。サスペンションが馬車についたのは14世紀だそうですが、「ある少女の日記帳」の馬車の旅は読むだに堪えます。ライフラインを好きな時に使えてコンビニで何でも手に入り自由に移動出来る時代では無いのですものね。

Re: 馬車が買いたい!

>19世紀パリ限定
パリなら隣国イギリスとはかなり共通点が多そうですけどね。小説に馬車が登場する場面でとりわけ印象に残っているのは、「魔術師のおい」で御者席に仁王立ちになり辻馬車を乗り回すジェイディス様です(挿絵があって分かりやすかったせいかもしれませんが)。あとは「ドリトル先生のサーカス」での、路線バスならぬ乗合馬車乗り継ぎの旅とか。

「ある少女の日記帳」で一家がラヴェンナまで雇った馬車は家族三人が横並びに座っていたとあるので、座席が一列だけのクーペなる種類が近いのかなと思った記憶があります。かなり窮屈そうですがお父さんの懐事情が苦しかったのかも。当時の大陸の貸し馬車システムとか調べてみたんですけど、正直あんまり良く分からなかったんですよね。

魔女を焼き殺せ!

「魔女を焼き殺せ!」とダンジョン飯五巻をゲットしました。これでお盆を乗りきれますように。魔女の装丁が不気味で、いかにもホラーという感じ。メリットの作品は名前は聞いたことがありますが読むのは初めてです。

Re: 魔女を焼き殺せ!

メリットの名前は私もどこかで聞いたことがあると思ったら、ラヴクラフトやハワードが総勢五人で合作した「彼方よりの挑戦」に参加した人だったんですね。まあどの部分を書いたかは謎なんで、今度のナイトランド叢書が実質初読になると思いますが。
私のほうは本棚で探し物をしていたら昔買ったディクスン・カーの作品がひとかたまり出てきたので、最近はもっぱらそれを読んでます。カーの「曲がった蝶番」に出てくる動く人形もなかなかの不気味さだったので、「魔女を焼き殺せ!」と読み比べたくなってきました。
ダンジョン飯の新刊も早く買わないと…。
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小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
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