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2017.07.20 08:15|Die Oper kocht
 親戚から貰って持て余し気味のトウガラシと冷蔵庫に残るジャガイモを有効活用すべく、人生で初めて南米料理にトライ(作るのは)してみました。現代を代表するベルカント系スター・テノール、ファン・ディエゴ・フローレス紹介の「パパ・アラワンカイナ」Papa a la Huancaínaという、ジャガイモとゆで卵に黄唐辛子のピューレ入りチーズソースをかけた一品です。

 おそらく私含め日本人には聞きなれない名前の料理だと思いますが、語源など詳しいことについては日本版ウィキペディアにも記事があったのでそちらをご参照ください。
パパ・アラワンカイナ

 フローレスはペルー出身ですが、リンク先記事によるとボリビアなど南米の他の地域でも広く食べられているようです。共にこのあたり原産のトウガラシとジャガイモをメインに使うあたり非常にラテンアメリカみを感じるような。
 しかしネットでもっと詳しいレシピを見たところ、この料理に用いるトウガラシはアンデスで一般的なアヒ・アマリージョなる品種で、どうも国産とは微妙に味が異なるらしいことが判明(本の調理過程写真には実物が写ってなかった><)。
 
 アマリージョはトウガラシとしてはそこまで辛いタイプじゃないそうですが、一方うちにあるのは一、二本刻んで炒め物に加えると舌がひりひりする程度には強烈です。さすがにこれをレシピ通りの分量使う勇気は出なかったので、黄色ピーマン(よく赤いのとセットで売られているやつ)と組み合わせて使ってみることにしました。

材料(4人分) ※日本人にはやや多めかも。うちは3人家族ですが、だいたいこの半量くらいで作りました

黄トウガラシ(正しくは南米産の"アヒ・アマリージョ"。今回は普通の黄ピーマンと国産青トウガラシで代用) 5個 
タマネギ(小) 1個
クリームチーズ 250g
オイル 250ml
牛乳 250ml
塩・こしょう
(以上ソース分)

ジャガイモ 500g(中サイズなら4個くらい)
黒オリーブ 4個
卵(固めにゆでる) 2個
レタス 1個(日本の通常サイズでは大きすぎるので小ぶりのもの?)

作り方
(すみません今度も調理過程の写真撮るのを忘れてました。再度作ることがあれば追加するかも)

下ごしらえ:ジャガイモと卵はそれぞれゆで、皮(殻)をむく。レタスは洗っておく。

1:タマネギとトウガラシをみじん切りにする。フライパンにオイル(ここではオリーブ油を使いました)大さじ2を熱し、切った野菜類を炒める。なおトウガラシの種は取り除きます。素手で扱う際にはくれぐれもご注意を!

2:クリームチーズに残り分のオイルと牛乳を混ぜ、ミキサーにかける(チーズはちょっと電子レンジにかけて柔らかくしておくと楽)。さらに炒めたタマネギとトウガラシも加え、全体がむらなく滑らかになるまでよく混ぜる。出来あがったソースに塩こしょうを足して味付けする。

3:食べやすい大きさに切ったジャガイモ・ゆで卵・レタスを皿に盛り付け、ソースをたっぷりかける。上に黒オリーブを飾って食卓へ。


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  マヨネーズではありません

 うちは大のジャガイモ嫌いがいるのでイモの分量少なめ、逆に卵多めにしてます。オリーブの実も私が好きなため大量に...(笑) どうでもいいことですがこのロメインレタスは家のベランダで収穫したもの。

 ソースはクリームチーズがベースなので、はじめはマイルドなまろやか風味ですがじきトウガラシの辛さが効いてくる感じ。マヨネーズよりもさっぱりしているし、よく冷やして出すと食欲なくなりがちな夏にはぴったりではないかと思います。
 余ったソースは瓶などに入れて冷蔵庫で4~5日くらいは保存可能。少しつぶしたゆでジャガにインゲン、ニンジン、ハム等の具を合わせ、このソースで和えてポテトサラダ風にしたのもなかなか美味しかったです。

 上にリンクを貼ったウィキ記事にも「ソースを作る時の分量配分で、同じパパ・アラワンカイナでもだいぶ味の異なるものが出来上がる。特にアヒ・アマリージョをどれくらい入れるかで辛みが変わり、中には全く入れずに辛くしないというレシピもある」とある通り、辛さは好みで加減するものらしいです。今回作ったのは(日本のカレー的表現でいうと)微妙に甘口寄りの中辛ぐらい? トウガラシの量、あともう少しだけ足しても良かったかも。ネットでならアマリージョのペーストとか出来合いソースの素↓も販売されているようなので、より本場に近い味を知るのに一度買ってみるのも良さそう。

ワンカイーナ(ジャガイモのチーズソースがけ)の素(PROVENZAL)

 どうもロッシーニやドニゼッティの作品と縁がない(音楽が苦手というよりは、ストーリーに興味をひかれるものが少ないのが最大の理由で...)私はフローレス出演のオペラは映像でも片手で数えられるほどしか見てませんが、実は一度だけ生で聞いたことがあります。
 もう18年前にフローレスが来日してリサイタルを開いた時のこと、私がオペラ好きなのを聞いたという親の知人から、急用で行けなくなったチケットを譲っていただいたのです。しかも軽い気持ちで出かけたらなんと最前列かそのすぐ後ろの席、セーラー服の学生が一人座っていたのは白い目で見られていたかもしれません(汗) 昔過ぎて記憶も薄れかけてはいますが、とにかく至近距離で浴びる声の強烈な輝かしさだけは今でも耳に残ってます。

確かNHKのカメラが入っていたはずと当時の映像を探してみたらやっぱりありました。





私の後頭部が映り込んでたらどうしよう(もっと端の席だったとは思うけど、、、笑)

テーマ:料理レシピ
ジャンル:グルメ

2016.08.15 06:35|Die Oper kocht
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 上の茶白じゃありませんが、先週あたりから暑さで文字どおりのびてばっかりです。本の感想などいろいろ書きたいものはあれど、熱帯夜にはさっぱり筆も進まず…。
 なので久しぶりに贅沢したご馳走(※個人比)のことでもちょっと記しておこうと思います。一月何も書かないでいると広告が鬱陶しいですしね。

 もう一年近く前にオペラ歌手が紹介するレシピ本、Die Oper kochtのカテゴリでアンズタケのポタージュの記事を載せましたが、生のキノコがどうしても手に入らず乾燥ものを使ったことはその時書いたとおりです。

 ところが先日! 人生初めて生のアンズタケに巡り合って、アンズそっくりだというその芳香もようやく嗅げました。いや~、前回のオッソブーコの時といい気長に探してみるものですね。

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ちなみにリトアニアからの輸入品だそうで、もちろん(キノコにしては)それなりのお値段でした。

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 調理法は前回と同じくポタージュスープにしましたが、夏なので冷製に。さっぱり味になるよう最後に加える生クリームを豆乳に変えて、仕上げには薬味のアサツキと一緒にサワークリームを少し浮かしました。
 
 スープストックも今回は贅沢仕様で、オッソブーコの中の骨(よく煮込めば肉は骨からきれいに離れるので、全然汚くないですよ)を洗って冷凍保存しておいたものを煮出して使ってます。貧乏くさいと思われそうですけど、牛の骨からは固形コンソメよりずっといい味の出汁がとれますので、骨つきの肉を料理したあとにはぜひ取っておかれることをお勧めします。

 感想。ポタージュにすればドライのものと生とで食感の違いはそこまで感じないのですが、香りだけはやっぱり比べ物になりません。果物のアンズというよりは、苔に覆われた森の中の芳香っぽかったですけど(キノコだから当然ですか)。サワークリームの酸味もちょうどよく効いていて、暑い日はこれと美味しいパンがあれば満足です。
(私の夏の食生活といえば冷たいスープやヨーグルト、あげくはアイスキャンディーが主食だったりでお世辞にも健康的といえたもんじゃありませんが…) 

なお猫たちの食欲は暑さにもかかわらず(慣れ?)完全復活したもよう 皆様もご自愛くださいませ。

テーマ:作ってみた
ジャンル:グルメ

2016.06.09 02:11|Die Oper kocht
 非常~に今更な話で申し訳ないのですが、四月に新国立劇場「ウェルテル」(ラストから二回目)の公演を観てきました。話と主人公のキャラクターとオーソドックス極まる演出は私の好みでないとはいえ、マスネの音楽そのものと歌手陣、とりわけ海外から招聘した主役三人は素晴らしかったです。
 
 というわけで今回はその一人、ヒロインのロッテの夫アルベールを演じたバリトンのアドリアン・エレート(Adrian Eröd)が作る一皿を紹介します。オーストリア出身のエレートですが、作っているのはオッソブーコ(子牛の骨付きすね肉)の煮込みに付け合わせのポレンタ(トウモロコシ粉を練ったもの)という本格派のミラノ料理。料理にかけてはかなりの腕前のようです。

 しかしオッソブーコのような骨付き肉は日本だととにかく手に入れにくい…。先月やっと某所で(これまで気付かなかっただけなのか新しく入荷するようになったのか分かりませんが)、輸入ものの冷凍肉コーナーにあるのを見つけたんですが、どう考えても業務用らしく一つのパッケージがキロ単位という巨大さで手が出せませんでした。何回目かにようやく三切れだけの小分けパックに遭遇できて即確保(汗) ちなみに一枚あたりのお値段は同サイズの和牛ステーキ肉よりちょっぴりお安いくらい。
 というのも最初だけはなるべくレシピ通りの食材にこだわることにしてるからなんですけど、普通に売っている煮込み用すね肉でも美味しくできるとは思います。

材料(6人分) ※多すぎるようならすべて半量で。

メイン分:
オッソブーコ(牛すね輪切り肉) 8~10枚
ニンジン 3本 
※ルートパセリ 3本 
※根セロリ 1/2個
前回のチキンスープにも登場しましたが、どちらも日本ではほとんど見かけない根菜類です。今回はまとめて茎のセロリで代用)
タマネギ 1個
トマト水煮缶 2缶
調理用赤ワイン・ビーフストック(ビーフ味コンソメの素でも) 各250ml(計量カップ1・25杯)
オリーブオイル 大さじ4
小麦粉・塩コショウ 少量ずつ
ベイリーフ(月桂樹の葉) 2枚
ローズマリーの小枝 3本

付け合わせ(ポレンタ)分:               
コーンミール 250g                  
バター 100g                                            
水、牛乳 各 500ml
塩 少量                          
                               
付け合わせ(グレモラータ)分:
イタリアンパセリ 1束
レモンの皮(すりおろす) 少量
ニンニク 2片
オリーブオイル 100ml
塩 少量


久しぶりのせいかメインの調理過程を写真に撮るのをすっかり忘れてました 仕方なくウィキペディアから画像をお借りしましたが、これが生肉状態のオッソブーコです↓

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作り方
1:トマト以外の野菜類をすべて小さめの角切り(だいたい1.5㎝程度)に刻んでおく。

2:塩こしょうした肉に軽く小麦粉をはたきつけ、油を引いたフライパンで両面を焼く。肉をいったん取り出し、切った野菜を同じフライパンで炒める。

3:そこにワインを注いで軽く混ぜた後、トマト缶を加えて煮立たせたところに肉を戻し入れてスープストックとハーブを加える。

4:オーブンを180℃に熱しておく。(そのままオーブンに入れられないフライパンなら)耐熱容器に移し、ふたをするかホイルでぴったり覆ってオーブンで二時間ほど加熱する。骨が肉からすっと外れるぐらい柔らかくなるまでが目安です。

5:そのあいだに付け合わせを作る。パセリのみじん切り、ニンニクの薄切り、おろしたレモンの皮をオリーブオイルで和え、適度に塩で味付けする(グレモラータ完成)

6:鍋に水と牛乳を合わせて温める。沸騰しかけたあたりでトウモロコシ粉を入れ、バターも加えて木べらで混ぜながら弱火でゆっくり加熱。粉は一度に投入するとダマになりやすいのでご注意ください。


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7:こちらも加減を見て軽く塩味をつけ、ある程度の固さになったら火からおろす。平たい容器等に移して表面をざっとならし、冷ましておく。(ポレンタ完成)。

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8:肉と野菜のソースを皿に盛り付け、切り分けたポレンタとグレモラータを添えてできあがり。

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 確かに時間はかかりますが、最初にちょっと焼いて炒めたあとはオーブンに入れておけば完成するのでわりあい楽な料理です。
 さて試食。超絶美味しい!!!何より材料のうまみが溶けだした濃厚なソースの味が抜群なうえ、肉は柔らかく、根菜類はちょうどいい具合に食感を留めていてもっちりしたポレンタとの相性もぴったり。普段なら肉の一品料理だとあまり量が入らない私でもぺろっと平らげられました。
 ポレンタというのはイタリアでも地域差があってお粥のようなのから固めまで様々らしいですが、私は上の写真のように切り分けられてある程度弾力があるくらいの加減が一番気に入りました。フライパンで軽く温め直して朝食のパン代わりにしてもいけます。

 エレートはアルベールのようなシリアス系も上手いですけど、当たり役のベックメッサー(「マイスタージンガー」)とかアイゼンシュタイン(「こうもり」)のようなちょっとコミカルな役どころのほうが顔芸大炸裂で実に生き生きしています。
 一度実演を観てみたいのは普通テノールが歌うローゲ(「ラインの黄金」)。意外なキャスティングでしたが、実際にネット放送で聴いたらバリトンにしては明るめの声質に加えてキャラがぴったりな事もあってか、びっくりするくらい違和感がなかったです。

↓のガラコンサートの映像でちょっとだけローゲの抜粋が聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=E2NBs4Nf2CA#t=95m22s

新国ドン・ジョヴァンニに主演した時のインタビュー動画がこちら

(個人的には一年あとのラインの黄金で呼んでほしかったですが。まあ、グールドのローゲも割と収穫でしたけどね。)

テーマ:おうちごはん
ジャンル:グルメ

2015.12.28 23:13|Die Oper kocht
 まったく自慢になりませんが、先月後半にひいた風邪をこじらせてしまい、一か月ぐらい喉が痛くて声の出にくい日が続いてました(今でもまだ少し咳が出ますが)。そんなわけで、オペラ歌手のレシピなら何となく効きそう?という変な理由もあり、食欲が落ちて固形物があまり喉を通らない時に思いついて作ったのがこのスープです。
 
 なおこのレシピを紹介しているドイツのカウンターテナー、Matthias Rexroth(マティアス・レックスロート)氏は、このスープを作り置きしたあとパック詰めして冷凍庫に常備しているとか。"Ein wunderbares Mittel gegen Erkältung"(「風邪に効く最高の薬」。これくらいなら何とか私にも読めますよ)と手書きレシピの最後に書いてありましたが、確かに欧米圏では風邪をひいた(ひきそうな)時に熱いチキンスープがいいというのはよく聞く気がします。

材料:
丸鶏 (中サイズ) 1羽
ターキーの手羽またはもも 1本
タマネギ(白・赤) 各2個ずつ
ニンニク 1個
セロリ・根セロリ(セロリの変種の根菜) 各1/2ずつ
人参 4本
パースニップ(ニンジンに似た白い根菜) 1本
パセリ 1束
ルートパセリ(これもパセリにニンジン状の根っこがついたようなもの) 1本
リーキ(長ネギでも) 2本
キクイモ 1個
ズッキーニ 2本
ベイリーフ(月桂樹の葉) 2枚
マッシュルーム 150g
生シイタケ 150g
乾燥ポルチーニ茸 一つかみ
ショウガ 4個
塩・こしょう・サフラン
オリーブオイル


※正直これだけ揃えるのは大変なので、手に入れやすい、もっと言えばあり合わせの材料だけでも全然構わないと思います。
私はパースニップだけ買ってきましたが、ターキーとキクイモ他日本でなかなか見つからない根菜類は全スルーしました。リーキ(これも高い)は下仁田ネギで代用。ドライポルチーニは以前リゾットを作ったときの残りをちょっとだけ。二回目には丸ごと一羽の鶏を煮るのが面倒になって、スープ用の鳥ガラと手羽元しか使いませんでしたが、それだって味はまったく変わらないですしね。
(あ、今初めてサフランの存在を忘れてたことに気がつきました。道理でスープの色が本の写真に比べて薄いはずだ

作り方 (非常に簡単ですが、、材料が多いのでとにかく大きな鍋を用意すること。)

1:洗って大まかに切り分けた肉類、半分に切ったタマネギ、ニンニク(※皮はむかなくてよい)を大なべに入れ、オリーブオイルで炒める。




2:その他の野菜をすべて薄く切って加え、水を入れてアクを取りながら一時間ほど煮立たせる。その後約二時間、必要になったら水を足しながら煮込む。加減を見て塩こしょうで味付ければできあがり。


後ろに写り込んでるジャック・オ・ランタンは元々かぼちゃプリンの入れ物だった塩入れ

 パースニップを食べたのはたぶんこれが初めてですが、見た目は白っぽい人参なのに食感はだいぶ違いました。ちょっと火を通した山芋に似ているかもと思ったり。
 ただしメインは具ではなく、そのエキスが全部溶け込んだスープの汁そのものでしょう。ほとんど癖のないさっぱり風味ですが、一番自己主張していると感じるのは大量に入れるショウガで、香りに加えとにかく体が温まるのが何よりのポイント。これだけ(冷え性の私が言うんだから間違いないです)でも十分効果があるのは確かなので、材料集めが面倒とはいえ、風邪をひいてしまった時試してみる価値はあります。

…このスープを二回作ってずっと飲んでいたのでもう十分となり、今年のクリスマスはとうとうチキンなしでしたよ(一足早いクリスマス会をやった中華料理店では北京ダックが出てきましたが) それはともかく、クリスマスの残りのターキーやチキンを使って作るのも全然ありではないかと思います。

 
 あいにくレックスロートはこれまで全く聴いたことがなかったのですが(前回のクチェロヴァ同様、この本で初めて名前を覚えましたので…)、動画を探してみたらカウンターテナーとしてはかなり私好みの声らしいと判明しました。非常にデリケートなイメージのある声種だけに声の管理も大変だろうと思われますが、それだけに寒い季節はこのスープが大活躍しているんでしょう。
 また植物を育てるのが好きで、室内でグレープフルーツやアボカドを育てたあげく湿気で壁紙を駄目にしてしまったというエピソードが載っていて変な親近感を覚えてしまいました(笑)

↓レックスロートの歌うヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」


テーマ:おうちごはん
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2015.09.28 03:52|Die Oper kocht
実に一年二か月ぶりのDie Oper kocht試作シリーズ。今回紹介するのはスロヴァキアのソプラノ、Adriana Kučerová(日本ではアドリア―ナ・クチェロヴァ、もしくはクチェローヴァの表記が一般的なようです)が作る、シャントレル(アンズタケ)というキノコのスープです。

 アンズタケ←Wikipedia フランス語でジロールとも。日本でもそこそこ自生はしているそうですが…。

このキノコスープ、写真がそれは美味しそうでこの本を買って真っ先に作ってみたいと思った料理の一つでした。しかし問題は、レシピには「生の」アンズタケとあるのに、私が知る限りで生アンズタケを売ってる店はどこにもないということ。むなしく探すこと約三年、ついに輸入物の干しアンズタケで妥協することにしました。

↓水で戻したアンズタケ。
girolle.jpg

材料(ご参考までに。4人分とのこと) ←日本人四人には多過ぎるような気がしなくもない

生のアンズタケ 750g
チキンもしくはビーフのスープストック(コンソメの素でいいでしょう) 1500~2000ml
白ワイン 100ml
バター 70g
コーンスターチ 大さじ1
タマネギ 大一個
生クリーム 250ml
チャイブ(西洋アサツキ。これもなければ普通のアサツキで)、パセリ、乾燥タイム 適量
塩、胡椒 適量


今回用意したアンズタケは戻した状態だと150~200gくらいかと思いますが、乾燥させて戻したものを生のキノコと同じに考えていいか正直よく分からなかったので、分量に関しては自分の勘頼りでやってます。他の食材もだいたい上にある量の三~四分の一くらいを目安に使ったでしょうか(いつもながら適当ですみません)

作り方
1:アンズタケはトッピングに使う少量を残し、小さく切っておく。みじん切りにしたタマネギをバターで炒め、そこにアンズタケを加えてさらに火を通す。

2:スープストックと白ワインを注ぎ、乾燥タイムの葉もパラパラ振ってしばらく煮込む。

3:少量の溶かしバター(この分もあらかじめ別にとっておく)にコーンスターチを混ぜたものを作り、スープに加えてとろみをつける。五分ほど煮立てたあと生クリームを入れる。

4:火からおろし、ミキサーかフードプロセッサーにかけピューレ状に。塩こしょうして味を整え、皿によそう。

5:あらかじめ取り分けておいた残りのキノコを軽く炒め、パセリとチャイブ(アサツキ)のみじん切りと一緒に上に乗せれば出来上がり。


150919.jpg 朝食にパンと食べました

結論として乾燥キノコはやっぱり乾燥キノコではあったものの、スープはひじょうにいい味に仕上がりました。これまでキノコのポタージュというとマッシュルームのしか飲んだことがありませんでしたが、アンズタケ独特の香りと、どことなしに感じる酸味のためにそれよりも爽やかでさっぱりした風味です。いつか新鮮なアンズタケでこしらえたのも味わってみたいものですが。

クチェロヴァさん、失礼ながらこの本を買うまで名前にまったく聞き覚えがなかったのですが、調べたらグラインドボーンで大野和士氏が振った「ヘンゼルとグレーテル」とかミュンヘンが初めてライヴストリーミングした「愛の妙薬」とかけっこう有名どころの上演に出てました。単に私が東欧系の姓を覚えられないだけか



グラインドボーン音楽祭「ヘンゼルとグレーテル」トレイラー。これは半分強ほど見たことがありますがなかなか楽しい演出でした(ソフト化済み)
左のグレーテル役がクチェロヴァ。ツインテールが様になってます。

テーマ:レシピ
ジャンル:グルメ

2014.07.15 00:45|Die Oper kocht
 夏バテのせいか長文を書く気にならずすっかりご無沙汰してました。この季節私は食欲がなくなるかわり、甘くて冷たいお菓子がやたらと欲しくなるんです。あげくにゼリーやらチーズケーキバーやらが朝昼の食事になったりと、なんとも不健康な食生活ですが
 なので今回は夏に合いそうなお菓子ということで、スウェーデンの名メゾ、アンネ=ゾフィー・フォン・オッターのチョコレートムースを作ってみました。

材料(6‐10人分): ※今回はこの半量で作りました。

チョコレート(カカオ70%くらいのダークチョコ):250g
バター:大さじ2杯
卵黄:4個分
卵白:2個分
ラム酒もしくはウイスキー:大さじ2杯
エスプレッソコーヒー:小さなコーヒーカップに一杯 (インスタントコーヒーで代用可)
生クリーム:125ml

作り方:

チョコレートとバターを一緒に湯せんで溶かしておきます。
卵は卵黄と卵白に分け、(黄身は白身の倍の個数使うことにご留意ください)白身をピンと角が立つまで泡立てます。卵黄を溶けたチョコレートに泡立て器で混ぜながら加えていき、さらにラム酒orウイスキー、エスプレッソも入れてよく混ぜます。

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お粗末な話ですがうちにはエスプレッソマシンなんてセレブなものはありませんので、いくぶん濃い目のインスタントコーヒーをお湯で溶いたもので代用です。

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最後に泡立てておいた白身のメレンゲをチョコと合わせ、むらなく均一に混ぜます。器に流し入れてゆるくホイップした生クリームをのせ、冷蔵庫でしばらく冷やせば完成。これだけ。

 フォン・オッターがやっているように北欧デザイン風?のエスプレッソカップにざっくり入れるとお洒落なんですが、家の戸棚からはどうにもダサい紅茶茶碗しか見つかりませんでした。まあ細かいことは気にせず適当に盛り付けましょう。
 ミントの隣の黄色いのは自家製オレンジピールの千切りです(前にも書きましたが、チョコとオレンジの組み合わせが好きなので)。
こんなんじゃ駄目だという方はスウェーデン語のchokladmousseで画像検索をかけると本場のハイセンスな盛り付けが大量に出てきますので、そちらを参考になさってくださいませ

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  ゼラチンは使いませんが、チョコレートと卵の凝固力で冷やすとしっかり固まります。それも普段食べる「ムース」とは違って、一瞬チョコレートリキュールがたっぷり浸みたスポンジケーキかと錯覚するほどの濃厚さ 今の季節は冷蔵庫でなく冷凍庫のほうに入れておくと高級チョコアイス風になって、それもなかなか。
 たいして高くないチョコレートに一手間加えるだけでこのリッチ感はなんだか得した気分になれますし、オッターのファンの方もチョコ好きの方もぜひお試しください(笑)。

 記載の分量どおり作ると出てしまう卵白の余りは一緒に泡立てておいて、トッピングのホイップクリームに混ぜ込むともっとさっぱりしたフワフワ感が出せて悪くありません。ただし、あまり置くとメレンゲから水分が流れ出てしまうので、早めに食べないとおいしくないですが。

 フレーバーもお好みしだいでいろいろアレンジ可能そうで、二度目に作ったときにはコーヒーの代わりにオレンジジュース、お酒はホワイトキュラソー(+すりおろした生オレンジの皮)でチョコオレンジムースにしてみたら相性抜群でした。なお"Die Oper kocht"公式ではフレッシュパッションフルーツのソースをかけるのがお勧めとのこと。
 書き忘れるところでしたがかなりビターな甘さ加減なので、その点は砂糖を加えるなどして調整するといいと思います。

 
 この本のミニインタビューコーナーによると、フォン・オッターがディナーに招待したい人はグスタフ・マーラーなんだそうです。でもそのあとに、話上手のご主人がいてくれないと何を話せばいいのかわからない("My husband is a great conversationalist, but he would have to be there, otherwise I wouldn't know what to talk about.")と続くのがなんだかユーモラスで笑えます。フォン・オッターぐらいレパートリーが広ければ、たとえマーラー相手でも会話の材料にはぜんぜん困らなさそうなんですけどね。

フォン・オッターの参加したマーラー歌曲集のCDが行きつけの図書館に数枚あって、一時期借りてよく聞いてました。↓この曲が入ったアバド版の録音が特にお気に入りだったような。

「子供の不思議な角笛」から 「トランペットが美しく鳴りわたるところ」
http://www.youtube.com/watch?v=DBs1Wff145E

テーマ:手作りお菓子
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2014.03.27 01:47|Die Oper kocht
 久しぶりにDie Oper kochtの新メニューにチャレンジ。今回はソプラノのアニヤ・ハルテロスが紹介している、"Gute-Laune-Torte"(英語版ではGood-Mood-Cake)なるお菓子を作ってみました。簡単にいうと、果物を詰めて焼きあげてから上をチョコでコーティングしたタルトみたいなものです。

材料
生地用:
   薄力粉 200g
   砂糖 60g
   澄ましバター 125g
   アーモンドパウダー(好みでヘーゼルナッツパウダーでも)
   塩少々
※澄ましバターは分量よりちょっと多めのバターを溶かしてしばらく置き、沈殿物が分離したあとの上澄みを使います。

フィリング・トッピング用:
   リンゴ/オレンジ/バニラビーンズ(黒い莢のやつです)/オートミール/コアントロー/レモンバームの葉
   クーベルチュールチョコレート(ダーク)
    
 型はなるべくなら底の部分が外れるようになっているタイプの金属製の型がよさそうです。大きさについては特に指定がないのですが、家にあった底の直径20センチの型で生地が微量余るくらいだったのでその前後が目安かと(ギリギリだったり足りなくなるよりは少し余りが出たほうがぜったい安心)。

 まずボールにふるった粉類、砂糖、塩、澄ましバターを合わせてタルト生地を作ります。(←生地は「甘くなりすぎないように」とのこと。しかしアーモンドパウダーの分量が書いてない…まあカップ半分弱もあればいいでしょう)

 こね上げてまとめた生地を少しねかした後、二等分してその半分をのばし型にはりつけます。
 このあと、本では空焼きをせず生のままの生地にすぐフィリングを詰めて焼いてるのですが、温度設定が怪しいうちのボロオーブンでそうすると生焼けべっちゃりになりそうなので、いくぶん色がついて固くなる程度に一回火を通しておきました。

 次にフィリングを用意。リンゴ、オレンジの皮をむいて(オレンジは房から出し)小さくカットし、すりおろしたオレンジの皮、かるく一掴みほどのオートミール、みじん切りにしたレモンバームの葉を加えます。オートミールの存在意義がいまいち分からないんですけど、つなぎ用?
 バニラビーンズのさやはハサミか包丁で切り開き、中の黒い種(よく高級バニラアイスとかに入っているあれ)をかき取って他の具に混ぜあわせます。
 
 全部具が合わさったところで「お好みにあわせて」味付け。ちょうどハチミツがあったので、フルーツと相性よさそうだしそれで和えてみました。
 さらにコアントローを入れ…たいところですが、あいにく家に置いてないのでオレンジリキュールのホワイトキュラソーで代用することに(適当)ちなみに今回はレモンバームも手に入らなくてミント使用。そういえば前にもセージの代わりにミント使った気がしますが、まあ私は大体いつもこんなもんです(汗)
 
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↑準備できたフィリングをタルト型に入れ、全体を均等にならします。
 
 その上を取っておいたもう半分の生地で覆い、ふちを隙間なくくっつけ合わせたら、あらかじめ180度に加熱しておいたオーブンで40分焼きます。
(クッキングシートやアルミホイルを敷いた上で生地を大きな円形にのばしてから、シートに広げたままの状態でひっくり返してタルト型にかぶせ、はみ出したぶんを切り落とす方法がいちばん失敗しません。)

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 オーブンから取り出したタルトの表面が熱いうちに砕いたダークチョコレートをのせ、溶けてきたらナイフなどでのばして全体にコーティング。

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さらにその上を一房ごとにカットしたオレンジとミントの葉っぱでデコレーションして完成です。
本の写真を真似るつもりがオレンジがちょっと足りなくて貧相な感じになってしまったので、自家製オレンジピール(国産オレンジの皮の薄切りを水にさらして苦味を取ってからハチミツと砂糖で煮たもの)を追加してごまかしました。

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ホームメード風ながらなかなかお洒落で見栄えがするのもいいですね。

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 しばらく冷ましてから試食。とにかくいい香りのうえ、材料それぞれが(いくつか代用ですが)適度に自己主張しあった複雑な味のおいしさです! 中がフルーツなので、見た目よりさっぱりした味わいであまりくどくありません。
 
 ただフィリングの味付け、もっと甘いぐらいでも上のビターチョコと釣り合いが取れてよかったかも。タルト生地のほうはレシピの指示通り甘さ控えめというか、もうちょい塩を利かせて中の甘さを引き立てるようにする、というあたりが今後の課題。
 それから表面のチョコがあまりコチコチに冷えてしまうと食感がよくないので、冷蔵庫でなく室温で保存して早めに食べきること  ←前もって湯せんで溶かしておいて、少し生クリームを入れるとかすれば改善可能でしょうか?

 キャンセルのやたら多いハルテロス、確実に生で聴きたかったらミュンヘンあたりに行くしかなさそうですが、バイエルンはよく出演作をWEBストリーミングで配信してくれるのでその点は幸運かも。(そういえば来シーズンの配信予定はいつごろ発表だったか… ハルテロスは新演出の「アラベラ」はじめいろいろ出るようです。)

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2013.12.22 06:32|Die Oper kocht
 先日食料品店で特売になっているのを見かけ、たまには太いパスタもいいかなと買ってきた生のタリアテッレ。
 しかしいざ料理しようとしたら、何のソースにするか迷う…というのも、定番のトマトソースは前の日もトマト料理(卵と炒めたの)だったので気乗りしないし、クリーム系もこってりすぎると親たちに敬遠されたりするので。

 料理本でも調べようと思った矢先、この本にちょうどタイムリー(冬至ですから)な一品があったのを思い出しました! ということで今回のメニューはヨナス・カウフマン風、カボチャソースのタリアテッレに決定です。
※本当はタリアテッレを打つところから始まるんですが、そっちは転載画像があちこち落ちてるので別のところでご覧くださいませ(さすが人気テノール)。

 そんなわけでカウフマン直々のお手打ちパスタは省かせていただいて、早速カボチャのソースに取りかかりましょう。

 材料(ソース)四人分 ※今回は下記の半量
カボチャ(Hokkaido pumpkin) 5~600g
マスカルポーネチーズ 300g
パルメザンチーズ 250g
生ローズマリー、セージ 一枝ずつ
オリーブオイル大さじ3、バター

  "Hokkaido pumpkin"て(原語の直筆レシピでは"speisekürbis、直訳するとfood-pumpkinと書いてありますが)、ドイツではそんなに北海道から輸入したカボチャが人気なの!?と一瞬びっくりしたんですけど、実際は日本で主流のとは別のオレンジの皮をしたものでした。
 もっとも北海道が起源ということに変わりはなく、こちらで紹介されているように二十年前日本から輸入した種から広まった品種なんだとか。なるほど勉強になりました。

 もちろんドイツの「北海道カボチャ」はないので、正真正銘日本育ちの北海道産カボチャを使います。
 「スライスして皮をむき、オリーブオイルとバターで、セージの葉数枚といっしょに形が崩れてくるまでソテーする」と本にはあるのですが、こっちのカボチャは焼いても崩れなさそうなので、水を少し入れたフライパンにふたをして蒸し焼きに。セージの葉はカボチャを焼いたら捨ててOKです。
 (ということは、ドイツ版北海道カボチャ←ややこしいは日本のより水気が多いのでしょうか?)
 そして火が通ったところでつぶし、冷めないうちにオリーブオイルとバターを混ぜて軽く塩味をつけます。塩はあとから入るパルメザンチーズの塩気もあるので、いれすぎ注意。

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 別のボールでマスカルポーネとパルメザン、水(湯)少量を混ぜ合わせ、残りのハーブをみじん切りにして加えてカボチャと合わせます。

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 ベランダにあったセージが秋口に枯れてしまったのでミントで代用…。

 これで出来上がり、あとはタリアテッレをゆでるだけ…と思いきや、見ていた母親から文句リクエスト。
何でもソースは↑のようなペースト状の仕上がりでなく、もっとトロっとした液状がいいそうです。仕方ないので小鍋に入れて火にかけ、オリーブオイルと牛乳を足して濃い目のポタージュぐらいになるまでのばしました。

 できあがり。オリジナルとはだいぶ雰囲気違いますが、ベースのカボチャからして別物の可能性があるのでまあしょうがないかと(汗)

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 ハーブの香りがさっぱりしたマスカルポーネとカボチャの甘みを引き立てて、さわやかで口当たりのいいソースに仕上がってました。好みによってはチーズをもっと癖の強いものに変えたりするアレンジもいいかと思います。一足早い冬至の味覚でした(和風のだしで煮たカボチャはあんまり好きじゃなくて)

 ちょうど一週間後(日本時間二十九日の午前二時から)にバイエルンの「運命の力」ネット映像中継あります。今回日本向けの再放送はなさそう?

http://www.bayerische.staatsoper.de/1248-bD1lbg-~Staatsoper~staatsopertv.html

 実は五年ぐらいかけてようやくカウフマンの声が耳に馴染んできたところなんですが(大汗)、それでも今年メトで歌ったパルジファルは声質の好みなんてどうでも良くなるほど心に残った名演でした。あの時の「パルジファル」、近々ソフト発売とWOWOWでの放映予定(こちらは二月で確定)が重なるらしいので、BD買うかWOWOW加入かで迷い中です。


テーマ:パスタ
ジャンル:グルメ

2013.12.02 07:19|Die Oper kocht
 版元がオーストリアという土地柄か、それとも今活躍している歌手の東欧出身率の高さか(その両方かも)"Die Oper kocht"で意外に多いのが東欧諸国のメニュー。
 どうしても日本人には馴染み薄な食文化の地域とあって、興味があっても実際に作るには二の足を踏んでしまうものが少なくないんですが、今回思い切ってその一つに挑戦してみました。

 ブルガリアでは国民食的ポジションにあるという、「バニッツァ」と呼ばれるチーズ入りデニッシュかキッシュのような食べ物。作り方を紹介してくれるのは、ウィーン、ミュンヘン、メトと有名どころの劇場にいろんな役で出まくっているソプラノのクラシミラ・ストヤノヴァです。
 調べてみるとバニッツァにはお菓子タイプと惣菜タイプとがあり、また形や中に焼きこむ具も店や家庭それぞれで個性豊かなようですが、ストヤノヴァのレシピは基本の薄いパイ生地にチーズだけのわりあいオーソドックスなものですね。

材料:
パフペストリー(パイシート)/フェタチーズ(カテージチーズで代用可)/卵/ビール/溶かしバター
(付け合せのサラダ用)ナス/トマト/赤ピーマン/タマネギ/ニンニク/パセリ/塩、オリーブ油、ビネガー
※今回は実際に使った量が本とだいぶ違うので、分量の記載はやめときます(いつもながらいい加減なことで申し訳ありませんが、目分量でやったほうがうまくいきそう)

チーズはフェタチーズ(ブルガリアでは「シレネ」)という、東欧産の塩気のきいたチーズを用います。
↓これが買ってみたフェタチーズ。一見固めの木綿豆腐みたいで、ちょっと力を入れるとカッテージチーズ状にぼろぼろ崩れます(使う分はそうして細かくしておく)。

131201_2330~01

 パフペストリー(パイ生地)のほうは心許ないにせよ他に選択肢がなくて、市販の冷凍パイシート使用。かなり分厚いのでいくつかに切り分け、倍近くになるくらいまでのばして使うことにしました。

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 パイ皿を用意して底と側面に溶かしバターを塗ってから、小分けしてのばしたパイシートを敷きつめ、その上に一層ごとに崩したチーズを乗せていきます。それを三回ほど繰り返し(焼くとふくらむので、縁の半分ぐらいの高さまでで)最後の層をかぶせたら、溶き卵にビール少々を加えたものを生地全体に行き渡って上にあふれすぎないぐらいの量回しかけます。
(参考になりそうもないですが、直径25cmパイ皿で20cm×20cm、一枚150gのパイシート二枚半と卵二個使いました)
 さらに溶かしバターをてっぺんに塗り、180℃に予熱ずみのオーブンでこんがりきつね色に色づくまで焼けばできあがり。

131201_1637~01
上だけパリパリ、内側は正反対でもっちりどっしりの焼き上がり。果たしてこれでいいのか?

 少しおいて冷ましてから切り分け、付けあわせのサラダと一緒に盛り付けます。
 サラダは一口大に切ったナス(焼きナスの要領で焼いて皮をむく)とトマト、タマネギのスライス、パセリとニンニクのみじん切りをオリーブオイルとビネガー、塩だけであえるシンプルなもの。※赤ピーマンは今回忘れちゃったので無し。

 しかしこのサラダの存在があなどれません!本体のバニッツァ、単独だと日本人にはちょっと重たいかもしれませんが、サラダを添えて口に入れるとチーズと各野菜の個性が程よくブレンドされて驚くほどさっぱり食べられます
…あとブルガリア料理のせいか、どういうわけかフルーツ入りのヨーグルトが食後に欲しくなりました。

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 目先を変えたりエネルギー補給したい時の朝ごはん、あるいは夜食やブランチにもよさそうです。
(上の写真はなにを隠そう私の昨日の夜食でした←あ、もちろん一人前だけですよ

 ストヤノヴァはこちらのページが示すようにびっくりするぐらいレパートリーの広い人ですが、中でも来年のザルツブルク音楽祭で「ばらの騎士」元帥夫人(おそらく役デビュー?)の予定というのが今後のハイライトではと思います。
 しかし演出担当があのクプファーというのが意外なようなそうでないような…。

テーマ:パン
ジャンル:グルメ

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