fc2ブログ
2011.12.24 19:20|レシピ
 ヌメヌメヌラヌラとした話の途中で恐縮ですが、久しぶりにレシピの紹介でも。これからの寒い季節にぴったりなチキンの白ワイン煮込み料理です。煮るのに多少時間がかかる以外はほとんど手間いらずで、具材とワインさえ揃えれば味付けに失敗するようなこともまずありません。

 材料(二~四人分) 

 ・丸鶏一羽(または大きい骨付きもも肉を人数分でも) 中までよく洗い、水気をふいて塩こしょうする
 ・セロリ、人参各一本、玉ねぎ、りんご各一個
 ・にんにく数片、好みで香草やブーケガルニエ
 ・料理用白ワイン約500cc

 まずは下ごしらえです。鶏の処理を終えたら野菜を一口大くらいの大きさに適当に切っておきます。人参やりんごの皮はむかないでも構いません。セロリが葉つきのものだったら切り落とし、鶏のお腹の中に詰め込むとにおいが良くなります。イタリアンパセリやセージがあればいっしょに入れるのもいいです。

 次にフライパンにオリーブオイルを大さじ二~三ほど入れ、まず皮をとったにんにくを入れて色がついたら取り出します。そこに鶏を入れ、表面の皮がぱりっときつね色になるまで火を通します。

SH3F05350001.jpg

 変な格好ですがこんな風に側面までよく焼いてください。焼いたあとのフライパンに残った油はもったいないので洗ってしまわず、少し水を張っておいてあとで鍋に加えます。

 表面を焼いた鶏を煮込み用の鍋に移し、まわりにカットした野菜と先ほどのにんにく(好みでブーケガルニエも)を入れて上から白ワイン500ccを注ぎます。さらに鶏のてっぺんにかぶる深さまで水を入れます(先ほどフライパンに張った水は軽く火にかけてこのとき使ってください。)

SH3F05370001.jpg

鍋に入れたところ。書き忘れましたが足は糸で縛っておきます。

 一煮立ちさせたら加減を見てスープに塩を足し、あとは弱めの中火でことこと煮るだけです。蓋はしてもしなくてもいいですが、スープが鶏にひたひたにかぶるよう、煮詰まっていたらときどき水を足してください。

 数時間も経つととろとろに煮えてきます。うちではいつも足や手羽が落ちてしまうくらいまで煮込んで鍋ごと食卓に出してますが、おもてなしならそうならない前に引き上げて一羽丸ごと盛り付けたほうが見栄えはするでしょう。いっしょに煮込んだ野菜がちょうどいい付け合わせになるし(リンゴを入れると味がまろやかになっておいしい)、スープももちろんいっしょに飲めます。スープはもし味が濃くなってしまっていたら少しお湯を足してください。(コラーゲン凄いですよ。一晩おくと煮凝り状になってる位。)

そんなわけで一羽丸ごとじゃないんですがお皿に盛ったところです


SH3F05430001.jpg

残ったスープには白インゲンやひよこ豆を入れたり、トマトピューレでミネストローネ風にするのもお勧めです。

※12/24 追記:クリスマスイブですのでちょっと目先を変えてみようと、ワインを赤に変えて作ってみました。小麦粉とバターを少量ずついためたルーを、ブラウンシュガーをちょっと加えて煮汁でのばしたソース添え。たまにはこういうこってり風味もいいものです。

SH3F05680001.jpg

SH3F05730001.jpg

赤つながりでスープはビーツのポタージュに。なんだかポタージュにはあるまじき色って感じですけどね。

テーマ:+おうちでごはん+
ジャンル:グルメ

2011.12.23 14:17|レシピ
 鯛の尾頭つき入り豪華おせち!のチラシ(うちとは無縁ですが)をなんとなく眺めていたら、以前スペイン人の知人の知人に教わったスペインのクリスマス料理のことを思い出してしまいました。鯛に熱したにんにくオイルをかけ、野菜と一緒に丸ごとオーブンで焼く料理で、なんでもあちらではクリスマスのディナーの人気メニューだとか。50センチはありそうな大物を持ってきて実際に作り方を教えてくれたのですが、確かに香ばしくておいしかったです。

 材料:鯛、スズキなどの白身魚、玉ねぎ、にんにく、セージ、オリーブオイル、レモン汁と白ワイン少量、付けあわせの野菜(ジャガイモ、赤ピーマン、パプリカ、インゲン、ズッキーニ、芽キャベツ、マッシュルームやエリンギなどのキノコ類、カリフラワー、ブロッコリー等の中からお好みで)

 もっと早く記事に残しておけばよかったんですが、二年前のことなので教えてくれたスペイン人がどんな風にやっていたのかけっこう細部の記憶が飛んでしまってます。そのため私があとに自分で何回か作ったときの経験も元にアレンジを加えてますので、その点はご容赦ください。
 あと、使う魚はスズキ、タラのようなほかの白身魚でもかまわないし、一匹丸ごとが大変なら切り身を使ったほうが料理も楽だし取り分けやすいです。もちろん見た目的には尾頭つきのほうがゴージャスですけど。でも切り身でも、付けあわせの野菜を増やしてカラフルにすればクリスマスらしい見栄えになります。(教えてくれた人は確かジャガイモ、赤ピーマン、ズッキーニ、エリンギ、あと種を取った固めのトマトも使ってました。)

作り方

1:オーブンを200度くらいにあらかじめ加熱しておく。魚は丸ごとの場合、特に内臓を処理したあとをよく洗い、塩をする。切り身なら熱で反りかえらないよう、皮に薄く切れ目を入れておく。少しおいたらキッチンペーパーで出た水気をふき取り、切り身の場合は薄く小麦粉をまぶす。

2:先に野菜の下ごしらえをしておく。玉ねぎは五ミリほどの輪切りにし、にんにくは二つ割りにして中の芽をとる。カリフラワーやブロッコリー、インゲンなどは塩水でさっとゆで、キノコの類は軽く炒める。ジャガイモは皮をむき、大き目のフライドポテトを作る感じで切って、熱した油で表面に色がつくまで揚げる。(あとで焼くので中まで火が通ってなくても大丈夫)

3:耐熱皿に油を薄く塗り、底に玉ねぎを並べて敷く。魚を丸ごと焼くならこの時点で耐熱皿に移し、まわりに野菜をあしらう。

4:フライパンでオリーブオイル(四人分ならだいたい大さじ四杯くらい、もっと多くても)を熱し、にんにくをきつね色になるまで素揚げする。一匹丸ごとの場合はここで火からおろし、熱いにんにくオイルを半量魚にかけ、裏返してもう片面にも同じようにする。切り身を使うときはいったんにんにくを取り出し、残った油の中に皮を下にして切り身を入れて、皮が色づくまで火を通したら、にんにくを戻し、同じように耐熱皿に盛り付けてオイルをかける。

5:レモンの絞り汁適量と白ワイン50ccを魚と野菜にふりかけ、また上から軽く塩をする。セージなどの香草をさいごに上に乗せ、ふたをするかアルミホイルでぴったり覆ってオーブンに入れる。

6:3~40分ほど焼いてできあがり。目安は下の玉ねぎがしんなりして半透明になるくらい。焼き上がりを見て、もし水気が出すぎているようならふたをとって十分くらい焼いてとばす。
(追記:書き忘れましたが、大きな魚丸ごとだともうちょっと焼く時間が延びるので焼き加減をみてください。スペイン人と一緒に作ったときは確か小一時間オーブンに入れてたような。)

              わが家の夕食用

              SH3F05560001.jpg

 スーパーにあった鯛は値段の割りに小さくて小骨が多そうだったんで、ここで使っているのもスズキの切り身です。野菜もジャガイモとインゲンだけで豪華にはほど遠いんですが、セージとにんにくをたっぷり使ったので香ばしくて最高でしたよ。(一番手前にあるのがにんにく。本場スペインで使う量はこんなものではないそうですが、そこはお好みで・・・。)

テーマ:レシピ大集合!
ジャンル:グルメ

タグ:スペイン料理

2011.12.06 01:10|音楽鑑賞(主にオペラ)
 26日の土曜日は映画館でメトのジークフリートを見るつもりでいたら、一週間前にボックスオフィスからメールが届いてやっと新国に行く日だったことを思い出しました。(なぜか12月に入ってからのチケットを買ったと思い込んでました。)ライブビューイングって大体いつもこんな調子で見損なうんですが、東京の春音楽祭のタンホイザーも買ってしまったことだし節約のために今回は見合わせです。音だけならいずれどこかで落とせるでしょうしそれで我慢することにしましょう。

 しかし、(なんか強引に話を繋げてますが)もし音だけでビジュアル要素が伴わなかったとしたらずっと味気なかっただろうなと思ったのが今回のルサルカの舞台。始まって間もないころからどうも色彩感が乏しくて生気に欠ける演奏で、歌手との呼吸も今ひとつという感じでした。そのあとも場面が進むごとにその印象が強くなるばかり、「月に寄せる歌」も不気味な魔女の呪文の歌も森番たちコミックリリーフのシーンも、みな似たようなトーンに聞こえてしまってどうも乗れません。二幕まででオケからいちばんオペラチックな高揚感が感じられたのが王子と外国の王女のデュエットだったのも、力の入れどころ間違ってないかと思ったり。 それでも三幕に入ってやっと音楽から情緒が引き出されてきて、クライマックスの盛り上げを経てたっぷり余韻に浸ることができたんですが、せめてもうちょっと早くスイッチが入ってくれたらよかったのですが。
 
 主役を歌ったオリガ・グリャコヴァはプッチーニやヴェルディ以外にも比較的レアなロシアものを多く持ち役にしている人で、そういった録音や映像でいろいろと見聞きしてきたので初めての生舞台を楽しみにしていました。はっきり言って(特にここ数年は)きつめの声であまり美声とは思わないんですが、熱くなりたいのになれないルサルカの苦悩がひしひしと伝わってくる好演でした。ちなみにグリャコヴァに興味を持たれた方にはパリオペラ座の「戦争と平和」かロイヤルオペラの「チェレヴィチキ」(※ゴーゴリ原作、チャイコフスキーのクリスマス向けメルヘンオペラ)の映像がおすすめです。どちらも蝶々さんやルサルカとはまた違う強気キャラのヒロインに扮するグリャコヴァがはまり役だし、演出(二つともフランチェスカ・ザンベッロ)も見ごたえあります。

 他の主な脇役の皆さんはそれぞれ一長一短ありで、王子役のベルガーは端正だけれどやや小さくまとまってしまって押し出しが弱く、魔女イェジババのレンメルトは存在感はあるのに意外と声量不足(でもあの格好がやけに似合って綺麗でした)。この演出ではかなりの存在感が要求される水の精のシェロミアンスキーは、声が柔らかいので父親らしい優しさが勝っている分、人間たちに向けて怒りをあらわにする場面での迫力に欠けてしまうのがちょっと惜しかったかも。

 演出は全体を思春期の女の子(これから親元を離れて寄宿学校に行くところ?)の夢想に置き換えているようでファンタジー風味豊か。ところどころぎょっとさせるようなフロイト風解釈が入ったりもしますが、いわゆる観客を挑発するタイプの舞台とは一線を画していて安心して見られるものです。水の精の世界と人間の世界、どちらにも居場所を見つけられないヒロインの疎外感や父親との絆など、グリャコヴァの演技力もあって見事に描き出されていました。
 導入が鏡の国のアリス風だったり魔女が白雪姫の継母っぽかったり(後ろにあるのが鏡に見えました)と、あちこちおとぎ話のモチーフからの引用を思わせるのはやはり少女の夢という設定があるからでしょうか。ルサルカが人間になったあたりで出てくるダンサーやマイムと、最後の王子の人形のようなのはくるみ割り人形?舞台が全体に暗めで私の席からは細部が分かりにくかったのが残念です。あと結婚式のシーンで出てきたあれを見て、つい「あ、ディープワンズだ」と思ってしまいました。(←クトゥルフものの読みすぎ) でも地方によっては、ルサルカってああいうグロテスクなビジュアルとされることもあるとか。
 
 しかし最後の夢落ちエンドはなんとなく予想できはしたとはいえ、やっぱりどこか安易な印象がぬぐえないと思ってしまったのも確か・・・。別に王子の亡骸が闇に消えていくシーンでそのまま暗転して終わりでも良かったような気も。それでも音楽がフラット気味だった分、演出があったせいでだいぶ救われた感じの上演で、オスロからのレンタルでは難しいかもしれませんができればまた再演してほしいです。

テーマ:クラシック
ジャンル:音楽

11 | 2011/12 | 01
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール

eHolly

Author:eHolly
筆不精にも関わらずメモ帳代わりとして始めてしまったブログ。
小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
ツイッター@SnowyHolly16

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
1256位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
183位
アクセスランキングを見る>>

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR