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2012.11.28 21:18|Die Oper kocht
 送料含め高すぎてなかなか手が出ずにいたDie Oper kochtの英語版 (The Opera Cooks) が、米アマゾンで一冊激安になっているのを発見。この機を逃してなるものかとさっそく注文しました。

CoverTheOperaCooks_HI_2new.jpg

 おととし夏の発売時にはザルツブルク音楽祭と合わせてあれこれ宣伝もされていたのでオペラファンの方には有名かと思いますが、オペラ歌手64人の得意レシピを集めた料理本です。
 
 届いたのに目を通してみると、食にまつわるちょっとしたインタビュー(お料理歴、冷蔵庫の常備品、ディナーに招待したい人などなど)もあってなかなか読み応えありました。やはり自国の料理を披露している人が多く、日本ではほとんど知られてないような東欧や北欧のレシピも色々あって興味深かったです。

(しかし寿司桶はじめ道具一式にねじり鉢巻まで揃えて巻き寿司を作ってるライナー・トロストは凄いな~… ←私は失敗するのが怖くていまだに巻き簾が使えません。)

 とりあえず普段作り慣れたのに近いものから試してみようということで、まずはつい最近までウィーンの「アンナ・ボレーナ」来日公演にも出ていたイタリアのバスバリトン、ルカ・ピサローニの「トスカーナ風ひよこ豆スープ」というのを作ってみることにしました。

 ただし父親が洋風の豆料理嫌いな我が家では、本通り六人前(それもイタリア人の)作ったりしたら手に負えなくなりそう。なので約三分の一の分量で作ってます。
 あと本来はレッドオニオンとリーキを使うのですが、日本だとリーキは一本八百円位してやたら高いし、わざわざレッドオニオンを買うこともないかと思ったので、どちらも合わせて普通の白いタマネギで代用してしまいました。

材料。左下から時計回りにひよこ豆(乾燥160gを水に戻したもの)、パルメザンチーズ(最後のトッピング用)、トマト水煮缶、ズッキーニ、生トマト、ローズマリー(本には乾燥させたものとあるけれど写真のは生です)、ニンニク、タマネギ。

121123_2220~01

 タマネギとニンニクを荒みじんにしてオリーブオイルで炒め、ローズマリーと水を加えたところに豆、ズッキーニ、トマト缶を入れとろ火でじっくり煮ます。最後に湯剥きして刻んでおいた生トマトを投入してさらに数分加熱。
(生と缶詰のトマトを両方入れます。私はトマト缶って普段使わないんですが、元の六人分を全部生トマトに置き換えて作ったら一山くらい要るからしかたないか

121124_0114~01

このままでもすぐ食べられそうですが、半量をミキサーにかけ、ピューレ状にしてまた残り半分と合わせます。おしまいに加減を見て塩コショウで味付けすれば出来上がり。

121124_0150~01

上の写真に比べて量が減ってるのは一食分食べた後だからです。すみません。

121126_0134~03

 パルメザンチーズをたっぷり振ってオリーブオイルを垂らし、最後にフレッシュバジルを乗せて食卓に。
 
 食べてみると、ポタージュっぽくなっている分、ひよこ豆の粉っぽさとトマトの酸っぱさが中和されてまろやかになっていて美味しい!ひよこ豆のトマト煮込みなら時々作っていましたが、半分ミキサーにかけただけでずっと食べやすくなるのには驚きました。トッピングのバジルとチーズもトマト味と相性がいいですしね。最近みたいな寒い日の朝ごはんにはぴったりです。やはり日本人には二人分でも相当な量らしく、なくなるまで四日間毎朝飲んでいたわけですが…。

ピサローニ出演のヘンデル「リナルド」
http://www.youtube.com/watch?v=y9nAzcHUHDo

NHKでも放映されましたが、学園パロ(?)らしいという演出に恐れをなして実はまだほとんど見てません。いいかげん溜まった録画消化せねば・・・。

次はどれかお菓子にトライしてみようと思ってます。

テーマ:クラシック
ジャンル:音楽

2012.11.23 01:48|音楽鑑賞(主にオペラ)
 二月にこのオペラのアムステルダムでの上演について書いたとき、ソフト化してくれないかなと言ってた映像が本当にそのすぐ後DVDで発売されました。同一音源のCDもありますが、値段的にもこちらのほうが安いくらいですし、少しでもこの作品に関心のある方なら舞台つきでの観賞のほうが楽しめるのではないでしょうか。

Legend of the Invisible City of Kitezh [DVD] [Import]Legend of the Invisible City of Kitezh [DVD] [Import]
(2011/12/13)
Rimsky-Korsakov、Andreyevich 他

商品詳細を見る
全四幕を二枚組に分けての収録、字幕は英語のみです。

 2008年、イタリアのサルデーニャ島カリアリの歌劇場でのライヴ。オケと合唱は座付きのメンバーですが、モスクワのボリショイ劇場で上演されたプロダクションを持ってきたもののようで、指揮者やソリストの大半もボリショイから客演しています。
 演出を手がけたエイムンタス・ネクロシウスはリトアニア出身で、バルト三国やロシアの演劇界では相当の知名度を誇る人とのこと。名前からしてダークファンタジーに出てくる魔導士みたいだけれど、YouTubeにある作品のクリップをいくつか見てみるとオペラもストレートプレイも暗く幻想的で、どこか現実から遊離したような雰囲気が漂う舞台です。
 
 モンゴルのロシア侵攻という史実に基づきながらも、滅ぼされた町が住民もろとも異界で甦るという奇蹟で幕を閉じる「キーテジ」というオペラは、こうした作風を生かすにはうってつけでしょう。
 説明的ではないものの本来の筋を改変したり妙なアイディアをねじ込むようなこともせず、基本は台本に忠実。Amazonの海外レビューで言われているように、一部ではセットが陰鬱で地味すぎると不評のようですが、演出家と作品双方の個性がよくマッチした独特の魅力があって私は嫌いではありません。
 
 唯一の比較対象であるブレゲンツ音楽祭のクプファー演出(市販はされてない録画ソフトを取り寄せて見たもの)がどこか寒々しかったのに比べると、こちらは同じく地味でも、より音楽に合ったノスタルジックな柔らかさがあって舞台装置だけからの印象ほど陰気でもなかったです。場面によってはちょっとほのぼのした雰囲気さえありますし。

 ネクロシウスの演出がとりわけ効果をあげているのはフェヴローニャが最期を迎え、先に戦死した婚約者の王子に導かれて「見えざる町」となったキーテジに至る終幕。黒衣の女性の一群が網のように絡まりあった糸を手にして現れ、王子が現れるとそれを次々とフェヴローニャの頭から肩へとかぶせてゆきます。花嫁のヴェールのようで美しいのですが、同時に彼女を死へと絡め取っていく運命の女神たちの糸をも思わせる不気味さも。

 あくまで憶測に過ぎませんが、この演出では(死へと導く)「運命の糸」というのが全体を貫くモチーフになっているのではないかと思います。幕開けで王子とフェヴローニャが出会った森の小屋には糸を張った機のような道具が置いてあったし、キーテジへの道案内をつとめる鳥の精たち、アルコノストとシリン が場面転換のとき下ろされる幕に縫い取りをしているのもそれに絡めているのかもしれません。

 そしてたどり着いたキーテジの都では、登場人物たちはみな(それまでと比べれば)立派な柄入りの衣装に身を包んでいます。しかし、よく見るとその模様は遺影を思わせる無数の顔写真をはめ込んだもので、さらに背中側は真っ黒く、幕切れの大団円と同時に人々が客席に背を向けると舞台は黒一色に。
 死の国での幸福とその影で現実に起きた悲劇をコインの表裏のように示すこのラスト、なんだか言葉にできない余韻を残すものでした。

 しかしこの演出が生きたのは、二、三幕の前半除けばほぼ出ずっぱりのフェヴローニャ役、モノガローワのおかげも大きいでしょう。最初こそちょっと違和感を感じた暗く強めの声も、物語が進むにつれて芯の強さを見せるフェヴローニャには次第にふさわしくなっていき、前述の死を悟って歌うモノローグでの役と一体になったような渾身の歌唱は全曲中の白眉。そしてこれ見よがしな悲劇の聖女というのではなく、時に子供っぽさものぞかせる、共感と親しみのもてるヒロイン像を創りあげた演技はさらに説得力のあるものでした。

 喉から押し出すような発声で外見含めもっさりした王子様が難だけれど (そもそもこの役が格好よく歌われているのを聞いたことがない)人の良さそうな雰囲気のせいか、フェヴローニャとの絡みはなんだか微笑ましくて最後には許せてしまったような。
 もう一人のテノールで信念の弱さから最後は一人現世に取り残されてしまうグリーシュカは王子と同じくらい重要な役どころなのに、歌手の人自体は無難にこなしているものの演出が役を描ききれていない印象。フェヴローニャというキャラクターと対になる存在として、もっとこの役の内面の葛藤を強調してもよかったのではとも思います。
 
 その他の配役ではロシア物らしく大勢の男声低音陣が手堅く脇を固めているのに加え、小姓とアルコノストとシリンを演じた女声三人が表情の豊かさもあってより印象的でした。
 指揮は当時ボリショイの音楽監督だったアレクサンドル・ヴェデルニコフ。三幕はじめのキーテジの群集に敵襲が告げられるところなどやや緊迫感に欠けるのが残念ですが、全体としてはよくまとまったいい仕事をしています。オーケストラと合唱団も、ロシア以外ではほとんど上演されないレア作品への初挑戦としては大健闘でしょう。何はともあれ、初の映像ソフト化ということに感謝したいです。

出演(同一音源のCD国内版紹介のページに一部付け加えて転載させていただきました)

ユーリー・フセーヴォロドヴィチ公…ミハイル・カザコフ(バス)
フセーヴォロド・ユーリエヴィチ皇子…ヴィタリー・パンフィロフ(テノール)
フェヴローニャ…タティアナ・モノガロワ(ソプラノ)
グリーシカ・クテリマ…ミハイル・グブスキー(テノール)
フョードル・ポヤーロク…ゲヴォルク・ホコブヤン(バリトン)
少年兵…マリカ・グロルダーヴァ(メゾ・ソプラノ)
2人の貴族…ジャンルカ・フローリス(テノール)・マレク・カルバス(バス)
グースリ弾き…リッカルド・フェラーリ(バス)
熊使い…ステファノ・コンソリーニ(テノール)
ベデャイ…ヴァレリー・グリマノフ(バス)
ブルンダイ…アレクサンダー・ナウメンコ(バス)
アルコノスト…エレナ・マニスティーナ(メゾ・ソプラノ)
シリン…ロザンナ・サヴォイア(ソプラノ)

カリアリ劇場管弦楽団&合唱団
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指揮)

テーマ:クラシック
ジャンル:音楽

タグ:オペラ感想・DVD

2012.11.17 21:25|レシピ
この時期毎年恒例の風邪をひきました(そのせいで更新ストップしてた訳ではありませんが)
 
 私は風邪のときたいてい喉を痛めてしまって、固形物が飲み込みづらくなるので食欲ががた落ち。なので喉を通りやすく、体も温まって一石二鳥のスープを作ることにしてます。体調が悪いときにあまり面倒なことはしたくないので、基本骨付き肉と野菜を煮込むだけの手間いらずなレシピです。多少時間はかかりますが、最初と最後以外はコンロにかけておくだけなので楽!(もちろん火にはご注意ください)

 今回のメイン材料は牛のテール肉。うちでは近くのかなり肉の種類が揃ったスーパーでときどき買えるのですが、手に入らなければ骨付きの牛スネ肉や鶏肉でもおいしくできます。

材料(大なべ一杯分):オックステール(または他の骨付き肉)3~500g
  タマネギ一個、ジャガイモ中サイズ二個、ニンジン一本、キャベツ(大)約三分の一
  ローリエ、ニンニク、粉末パプリカとオリーブオイル

121115_1944~01
↑テール肉はこれで360gくらいです

 肉は軽く洗って余分な脂を除いてから、水を張った大鍋にローリエ、適量の塩と一緒に入れて下茹でし、浮いてくるアクを取ります。

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 アクが出てこなくなったら、野菜の皮をむいてカットし鍋に加えていきます。煮崩れるので相当大きめに切っても大丈夫(適当) 

そのまま数時間、肉が十分柔らかくなるまで弱火で煮込みます。スープの塩加減は好みで調整してください。最後にオリーブオイル大さじ1/2杯を小鍋かフライパンで熱し、薄切りにしたニンニク一~ニ片を入れます。ニンニクがキツネ色になってきたら粉末パプリカ小さじ一を入れ、少し焦げるまで炒めて風味を出してスープに加えたら出来上がりです。

(あっさり風が好きな方はニンニクパプリカ入りのオイルなしで、コショウや他スパイスで味付けしてもいいかと)

121115_2332~02

 プロのオックステールスープというのはものすごく手間がかかるようですが、こんなアバウトなレシピでも結構おいしいですよ。

テーマ:簡単レシピ
ジャンル:グルメ

タグ:スペイン料理

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筆不精にも関わらずメモ帳代わりとして始めてしまったブログ。
小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
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