リゾットの次はシチリア島出身のテノール、マルチェッロ・ジョルダーニのラザニアを作ってみることにしました。この本のおかげで順調にイタリアンのレパートリーが増えていきそうです(笑)
しかしいざ買ってくるものは何かとレシピを見たら、え・・・材料に肝心のラザニアがない!?
二度見してやっと理解。これは本物のラザニアの代わりに、薄く切ってソテーしたナスをトマトソースとチーズと一緒に焼きあげる料理なんです

。果たして本の通りパスタ料理にカテゴライズしていいものか分かりませんが。
(ちなみにこの本はスープ、パスタ、肉料理、魚料理、デザートといった風にコーナー毎に並んでいるのですが、なぜかパスタを作っているのはジョルダーニ以外にアルミリアート、カウフマン、故リチートラ(合掌…)、ヴァルガスと全員テノールです。)
ナスは外国産のものと大きさが近い米ナスを三個(今回の人数ぶん)使うことにしました。洗って7~8ミリメートルくらいの厚さに縦スライスし、オリーブオイルを敷いたフライパンでソテー。
本当は二時間ぐらい塩水に浸しておかなければならないのですが、帰りが遅くなって下ごしらえができなかったので、ある程度焦げ目がついたところでフライパンに水を入れて蒸し焼きに。こうすればあまり油を使わなくてヘルシーだし。

こうやって焼いたナスをラザニアの生地に見立てるわけです。
フライパンで一度に焼けるのは4、5枚なのでこれだけで結構手間取ってしまいましたが、その間に缶詰トマトを煮詰めてソースを作っておきます。他に具として入れる固ゆで卵も準備。個数はだいたいナスと同じくらいが目安でいいかと。
トマトは塩コショウの他ニンニクとバジルだけで味付けするのがジョルダーニのオリジナルなのですが、バジルがなかったのと早く使わないとまずい豚ひき肉が残っていたのとで、ひき肉とタマネギを一緒にいためたミートソースにしてしまいました。
ナスとソースが両方仕上がったら、オリーブ油を塗った耐熱皿にナスを敷き詰め、その上に小さく切ったゆで卵とモッツァレラチーズ(普通のとろけるチーズでOK)を散らしてトマトソースで覆います(本当はここにハムも入るんですが、今回はミートソースにしたので省略)。何回か同じようにして具を重ねていきます。
・・・この辺時間が押していて写真を撮ってる暇がありませんでした

最後に上から溶き卵(ゆで卵とは別)を全体に回しかけ、パルメザンチーズを振りかけます。熱しておいたオーブンで15~20分程度焼いてできあがり。

切り分けるとこんな感じ。

ナスをラザニアの代わりにするなんて想像もつきませんでしたが、ソースやほかの食材の味がしみこんだあつあつのナスは食べ応えじゅうぶんで全く本物に負けてません。それに、たぶんパスタ生地ラザニアよりナスのほうが値段的にも入手も楽そうですし。
試食した母「これなら昔、よく似たような料理作ったじゃないの」
・・・確かにナスとトマトソースをホイルに包んで重ね焼きしたのがよく食卓に上った記憶はありますが、「ラザニア」って銘打って一手間かければグレードアップして見えるじゃないですか

ジョルダーニといえば日本でもそろそろ上映が始まるMet「トロイアの人々」のエネー(アイネイアス)役でしたが、結局二、三回歌っただけでHDの収録日を待たず降板してしまいました。
この本のミニインタビューコーナーには「ディナーに招待したい人は?」という項目があって、ジョルダーニは「トロイアの人々」の作曲家ベルリオーズの名前を挙げています(理由は "どうしてあれほど歌うのが難しい曲を書いたのか尋ねてみたいから")。
メトだけでもベルリオーズの作品には「ベンヴェヌート・チェッリーニ」「ファウストの劫罰」と過去二本主演しているぶん思い入れがあるのかも。仕方ないとはいえ今回映像を残せないのは本人も残念でしょうね。
「トロイアの人々」初日の録音を探してみたけどなかったので、代わりに2008/9シーズンの「ファウストの劫罰」
http://www.youtube.com/watch?v=-h5tTP4yJDUあちこちで言われてますが、今度の「トロイア人」は数年前に上演しておけば女声陣含めもっといい結果が出せたんじゃないかと思います。
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