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2013.03.31 22:23|Die Oper kocht
Metの「パルジファル」、日本では今度の土曜日からやっと公開。もうさんざん録音を聴いて台詞の細かいニュアンスまですっかり今回のキャストで刷り込まれてしまったくらいですが(いつもは苦手な題名役の人含め、本当に素晴らしい上演だったと思います)、大スクリーン映えしそうな舞台なので映画館で観られるのが楽しみ。→詳細情報 ※公式サイトだと濁らない「パルシファル」表記
 
 今回のグルネマンツ役、ルネ・パーペファンの私としてはこのタイミングでDie Oper kochtのレシピを記事にしない手はないと思ったんですけど、メインのザクセン風ザウアーブラーテン(マリネした牛肉のロースト)には、材料のバターミルクとレープクーヘン(ジンジャーブレッド)が入手困難という問題がありまして…。外人向けスーパーでもぜんぜん見当たりませんし。
 まあこの料理に関してはロンドンの有名なオペラブロガーの方が先に試作して書いておられるので、(材料が手に入れにくいのはイギリスでも同じようです)私は付けあわせ二種だけをひっそり作らせていただくことにしました。

 ザウアーブラーテンの付けあわせというのは、伝統的に赤キャベツとジャガイモ団子と相場が決まっているようです。
 まず最初にやっておくのは赤キャベツの仕込み。刻んでシナモンとクローブ、砂糖を混ぜ、ふたをして一晩寝かせます(容器にはタッパーを使って冷蔵庫に入れときました)。
 リンゴと色がつくまでこんがり焼いたベーコンを小さく切ってキャベツに合わせ、赤ワイン、アップルビネガー(買うの忘れてました代わりに普通のお酢で)と水を加えてふたをしたお鍋で蒸し煮します。書いてないけど味付けはたぶん適当に塩で。

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こんな感じ。キャベツが煮える間にもう一品のジャガイモ団子に取りかかりましょう。

 パーペのレシピによれば「ジャガイモ500gを半分はゆでてマッシュポテトにし、もう半分は生のまますり下ろして水分をしぼる」とのこと。調べてみたら小さめのジャガイモ一個が平均ほぼ100gらしいので、用意した五個のうち大ぶりの二個をおろし、残りの三個をゆでることにしました。

 マッシュにしたのと生のままおろしたの両方を合わせて、パン粉100g(2カップ分以上です。多っ!)と卵一個、塩をつなぎにこねます。手をぬらしてお団子状に丸め、塩水で浮かび上がってくるまでゆでれば出来上がり。

 やり方自体はぜんぜん難しくないのですが、問題が一つ。生でおろした分のジャガイモが空気に触れて黒ずんできてしまい、仕上がりが灰色がかって写真にあるようなきれいな色になりません。特に酸化を防ぐようなものを入れるわけでもないんですよね。
 でもすぐ前のページのアンフォルタス…じゃなくてマッティも具入りのジャガイモ団子作ってるけど、そっちは半分どころか全部生のまますりおろしてるのにぜんぜん変色してないし。何かコツとかあるんでしょうか
 
 あと生のジャガイモの土の香りがかなり残ってるのが慣れていないと難かも。うちの父親、もともと芋類をふかした時なんかの匂いが嫌いなので、そのままだと絶対食べなさそうだと思ったものですから、邪道かもですがベーコンの残りとタマネギを炒めたのを絡めてから黒胡椒をきかせて食卓に出してみました。これだと色の黒ずみもだいぶごまかせます。

…ビールのおつまみに合いそうだと意外と好評でした(汗) もちもちっとしている一方ですごく弾力性があり、日本人にはなかなか新鮮な食感です。
  
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 赤キャベツはドイツ料理でなくてもたいていの肉のソテーやソーセージに合いそう(ちなみに手前はこの前お米料理に使ったチョリソ)。これまで赤キャベツはタマネギとビネガーだけで炒め煮することが多かったのですが、リンゴの甘みとスパイスが加わったこっちのほうがずっと箸が(?)進む微妙な味わいでした。
 
 このキャベツの煮たの、以前取り上げたザクセン地方ゆかりの作家オトフリート・プロイスラーの再話による民話集でも、村の結婚式で振る舞われるごちそうの一品として登場してきて、見つけたときはちょっと嬉しくなってしまいました。付けあわせの副菜といえども歴史のある伝統料理なんですね。実はジャガイモ団子にタマネギのソースってのも、プロイスラー氏の代表作「大どろぼうホッツェンプロッツ」に出てくることからとっさに思いついたようなわけです
 
 ドレスデン始めチェコとの国境沿いのあの一帯、いつかは列車で旅行してみたいと思ってるのですが、いつになったらお金と時間がやりくりできることやら
 来シーズンはパーペも久しぶりに地元のドレスデンでオペラに出ますね(「エレクトラ」のオレスト役)。これだけやたらと気合の入ったキャスティングだし、ネット放送ぐらいは期待できるかもしれません。出番は歌わない場面入れても二十分ちょっとくらいだけれど。

テーマ:レシピ
ジャンル:グルメ

2013.03.21 03:16|
おもしろい写真が撮れたのでつい。

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人のベッドを占領して寝る猫たち 背中の曲線が見事にシンクロ!!!

っていうか…これじゃ私寝られないんですけど (実はきのう帰宅してすぐ、昼寝ならぬ夕寝をしてしまったせいで変な時間に起きてるんですが)

昼寝といえば、黒白には最近ベランダに気に入りのお昼寝場所ができたようです。

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どうやら日差しが暖かいときにむき出しの土の上にいるのが好きらしいのですが、何せうちはマンションなので、土のある場所でいちばん面積が広いのがこのバラの植木鉢。(ちなみにあまりトゲトゲしてない種類です)
座っているのかうずくまるというのか、なんか窮屈そうな格好でちょこんと鉢の上に乗っかって目を閉じてます。
やっぱりコンクリートより土のほうがポカポカして気持ちがいいんでしょうか

そのままでいてくれればいいのに、カメラ構えて近づくとわざわざ起きてポーズとりたがる黒白(笑) 
こいつ、実はかなりの目立ちたがり屋らしく、自分が注目されてると知ったときの得意満面な様子は見ものです…

テーマ:猫のいる生活
ジャンル:ペット

2013.03.17 01:48|レシピ
 このところずっとふつうのご飯(うちは親戚から送ってもらった玄米と市販の白米をブレンドして炊いてるのですが)続きで飽きてきたので、ちょっと目先を変えてみることにしました。

 チョリソー(といっても本場スペインのものではなく、スーパーで普通のソーセージに混ざって売られてる辛めのウィンナーです)と冷蔵庫の残り野菜の炊き込みご飯です。一応調理法だけはスペイン人の知り合いに教えてもらった本場式。スペインの家庭ではその折に余っていた食材を使った米料理がよく出ると言ってました(具沢山のパエリアなんかは定番と思いきや、お祭りや週末に親戚が集まるようなときの特別メニューで普段はあまり作らないのだそうです)。
 作り方的には材料を炒め合わせてオーブンに放り込めばいいので、お米を研いで水に浸す手間が省けるのがいいところ。炊飯器より早くできますから、ご飯炊き忘れたり気がついたら足りなくなってたというときにおすすめですよ。

 今回の具は柔らかくなりすぎたトマトと半端な量残ってしまったインゲン、タマネギ。マッシュルームだけチョリソと一緒に新しく買ってきました。インゲンの代わりにピーマンやアスパラ、グリーンピースでもいいと思います。

材料:(三~四人分) チョリソ人数×二本(長さにもよりますが)、マッシュルーム一パック、インゲン七~八本、タマネギ大半個(小ぶりなら一個)、トマト二個(市販のトマトピューレでも代用可)、ニンニク二かけ、米一カップ半
他にオリーブオイル、粉末パプリカ、塩、あればレモン汁少量

作り方:
まずトマトを湯剥きして種をとって刻み、ニンニクとタマネギはみじん切りに。チョリソと他の野菜は食べやすい大きさに切ります。

大き目のフライパンまたは鍋でオリーブオイル大さじ2を熱してニンニクとタマネギを炒め、うっすら色がついてきたらトマト以外の野菜とチョリソを加えます。

野菜類がしんなりしてきたら米を足してさらに炒め、米粒が透き通りだしたころにトマトと粉末パプリカ小さじ1、レモン汁少々を入れて焦げ付かないように木べらで混ぜながら火を通します。

トマトが原形をとどめなくなったあたりで水約450cc(カップ2と4/1杯)を足し、二分半ほどそのまま中火で煮ます。このタイミングで加減を見て塩で味付けしてください。

中身をキャセロール(便利なのは土鍋です)のような耐熱容器に移し、ふたをするか、ふたがついていない場合は縁にアルミホイルをかぶせてきっちり覆って190度のオーブンで20~25分ほど加熱すればできあがり。食卓に出す前、ふたを取らずに数分蒸らすとよいでしょう。

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 ボリュームたっぷりなので今日の夕飯はこれに味噌汁とらっきょうの漬物だけ(取り合わせも何もあったものじゃないですね…汗) 思ったよりチョリソの辛さが強烈でご飯にまで味が移ってましたが、たまにはこういうピリッとしたお米料理も悪くありません 
(↑スペインのチョリソは辛口パプリカ風味で、唐辛子の辛さではなかったような。おつまみにするような薄切りずみのサラミソーセージなどで作ったほうが食べやすい味になりそうです。)

テーマ:レシピ
ジャンル:グルメ

タグ:スペイン料理

2013.03.12 02:49|怪奇幻想文学いろいろ
 前々回の記事でロバート・エイクマンの本を紹介したばかりですが、偶然にもほぼ同じタイミングで未読だったエイクマン作品「花よりもはかなく」を収録した短編小説集が発売されていました。

短篇小説日和: 英国異色傑作選 (ちくま文庫)短篇小説日和: 英国異色傑作選 (ちくま文庫)
(2013/03/06)
西崎 憲

商品詳細を見る

 もともと「英国短篇小説の愉しみ」として単行本形式で出された全三巻から抜粋(三篇を新たに追加)・再編して文庫版にしたもので、最後には編訳者の西崎憲氏によるエッセイ「英国短篇小説論考」も加えられています。
 ディケンズやグレアム・グリーン、マンスフィールドなど有名どころからほぼ忘れ去られてしまったようなマイナー系まで実に変化に富んだ顔ぶれの作家陣で、作品にも特に共通したテーマ的なものはなくスタイルもテイストも実にさまざま。全体としてみればいくぶんリアリティよりは非現実に寄っているとはいえるかもしれませんが。
 
 さてお目当ての「花よりもはかなく」。まぎれもなく「怖い話」ながら、超自然的な要素が介在するという意味での「怪談」かどうかは読み方しだいでどちらにも解釈できそうです。
 
 一言でいうと容姿にコンプレックスのある奥さんと、気にしないといいつつ内心気にしている夫の話。妻は夫の意にかなおうと女性らしい美の追求を始めるも、それは次第に常軌を逸していき…という、なんだか今の日本に設定を置き換えても(整形依存とか買い物中毒とか、、、)ぜんぜん違和感なく通ってしまいそうな筋なのでした。
 エイクマンの作品に登場する女性たちには時折妙な生々しさがあるというようなことを前の記事でも書きましたが、これなんてまさにその極みかもしれません。そういう部分と題材の身近さ (さすがにリアル知り合いにはいませんけど!) がどうしてもふつうの「怪談」として読むのを妨げてしまう一方で、同時に一番ぞっとさせられたところでもありました。
 
 ちなみに原題のNo Stronger Than a Flower は、調べてみると「美の為せるは花よりもはかなく…」というシェークスピアのソネット65番の一節とのこと。 

参考に他の収録作品は以下のとおりです↓

1 後に残してきた少女(ミュリエル・スパーク)/ミセス・ヴォードレーの旅行(マーティン・アームストロング)/羊歯(W・F・ハーヴィー)/パール・ボタンはどんなふうにさらわれたか(キャサリン・マンスフィールド)/決して(H・E・ベイツ)/八人の見えない日本人(グレアム・グリーン)/豚の島の女王(ジェラルド・カーシュ))/2 看板描きと水晶の魚(マージョリー・ボウエン)/ピム氏と聖なるパン(T.F.ポウイス)/羊飼いとその恋人(エリザベス・グージ)/聖エウダイモンとオレンジの樹(ヴァーノン・リー)/小さな吹雪の国の冒険(F・アンスティー)/コティヨン(L・P・ハートリー))/3 告知(ニュージェント・バーカー)/写真(ナイジェル・ニール)/殺人大将(チャールズ・ディケンズ)/花よりもはかなく(ロバート・エイクマン)/河の音(ジーン・リース)/輝く草地(アンナ・カヴァン))/短篇小説論考(英国短篇小説小史/ファンタジーとリアリティー/短篇小説とは何か?-定義をめぐって)

 収録順は逆ですが、エイクマンの後味の悪さはほのぼのペーソス系の「羊飼いとその恋人」とか、怪奇譚で有名なヴィーナス像と指輪の話を美しい人間讃歌に変えてしまった「聖エウダイモンとオレンジの樹」あたりで口直ししましょう。

(※追記) …この記事を書いたとたん去年アメリカに注文したエイクマンの作品集二冊が相次いで届くとは。最近じっくり原書を読みこむ時間がなかなか取れないんですが、これはと思えるような一篇に出会えたらぜひ紹介したいと思います。

テーマ:本の紹介
ジャンル:学問・文化・芸術

2013.03.07 07:11|Die Oper kocht
 以前こちらのページで紹介した、マルチェッロ・ジョルダーニ作ナスのラザニアをまた夕食に作ってみました。
 この間は余ったひき肉を使い切るためミートソース入りにしたんですが、今日はトマトのみのソースとベーコンというジョルダーニのオリジナルにより近いレシピです。

 今回はナスも前の晩からあく抜きと下味付けをするための塩水に漬けておきましたよ。ただ用意したのは米ナスでなく四本入りの長ナス一袋だったため、ちょっと足りないかなと思いほうれん草を一把入れてみることにしました(グラタンにはほうれん草を入れるのが私のデフォなので)。

 ほうれん草は塩水でさっとゆでてよく水気を切り、ベーコンやゆで卵、チーズ等他の具といっしょにナスと重ねます。
下の写真は前回撮れなかった、トマトソースを最後に上に広げている所。

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しかし今度は食べるのに忙しくて完成した状態での写真忘れちゃいました (まあ外から見たところは大して違わないですし…)

 ほうれん草入りバージョン、当然のことながらミートソースのよりもさっぱり目ですが、他の具材との相性は悪くありません。ただちょっと薄味だったので、ほうれん草もフライパンでソテーして、塩コショウきかせて入れてもよかったかも。でも茹でただけのほうがヘルシーではありますね。ついでにヘルシー志向なら、ナスは切った後電子レンジで加熱する方法ならもっと油も控えられると思うんですが、うちは電子レンジない(今時)ので無理なんです。

それとナスはやっぱり大きな米ナスのほうがきれいに取り分けるには向いています。
でも高かったり売ってなかったりするし・・・

 そういえば今までほとんど見落としてた状態だったのですが、"Die Oper kocht"のレシピが載ったページの左下には"Tip"(ちょっとしたアドバイス)というコーナーがあり、それぞれの料理へのアレンジや付け合わせが紹介されてます。
 それによると、ミートソース以外にも"diced fish"を入れても合うそうなんですけど、メカジキみたいな種類の魚でしょうか?私自身はナスとシーフードの取り合わせってあまりピンとこないので、次はズッキーニとかジャガイモとか別の野菜を混ぜて試してみようと思ってるんですが…。

テーマ:レシピ
ジャンル:グルメ

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筆不精にも関わらずメモ帳代わりとして始めてしまったブログ。
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