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2014.05.31 20:05|
 週始めから工事の人たちがひんぱんにベランダ内部に入ってきていたようなのですが、昨日の朝外を見てやっと何の作業だったのか把握しました。
 L字型のベランダに二つある作り付けの花壇(今は何も植わっていませんが、土はそのまま)からいったん土を出して洗い、内側のセメントにひびや水漏れがないかチェックして中と外両方にペンキを塗りなおしてくださったらしいです。あちこち色がはげていた縁も見違えるようにきれいになってました。

しかし!

あ~あ、やってくれちゃって…
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よく見ると反対側にも。
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容疑者は二名↓ (※写真は去年の秋)
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足跡から採取された茶色と白の毛が決め手となり、どちらが犯猫かはあっさり断定されました。

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コラッ 

 この猫はシャイなくせに妙に好奇心が強いというのか、目新しいものはなんでも(できれば触って)確かめてみたがる癖がありまして…。工事の様子をカーテンの陰からしげしげ覗いているのも時々見かけますが、塗りなおされた花壇が気になってさっそく飛び乗ってチェックしたところがこの有様みたいです。

 工事中ベランダに出られないといっても特に遮るものがあるわけではなく、網戸も業者さんの指定で少し前から外して室内に取り込んでいるので、作業のない夜や早朝は窓を開けると猫たちがちょろちょろ外に出ていっちゃいます。窓を閉めて寝るのはさすがに辛い暑さになってきたし、かといってクーラー入れるのはまだ早いし。

 来週からはベランダの床面をすっかり洗浄した後塗りなおす工程に入るらしいんですよね~。うーん、猫たちを外に出さないためにはやっぱり閉め切ってクーラーしかないか…。

父親に足跡の話したら記念になってちょうどいいなんて言ってました。まったく。

テーマ:猫のいる生活
ジャンル:ペット

2014.05.22 23:37|花・植物
 今日の大雨で一段落といった感じですが、この十日間ほどがバラの開花ピークでした。うちでは現在マンションが外壁の工事中なので、バラ鉢は全部ベランダから低層棟の屋上にある仮置き場に引越し中です。
(少し前まで数鉢室内に残していたのもあまりの日照不足からか葉が全部落ちてしまい、流石にこれはまずいとまだ残っていた仮置き場のスペースに移しました。)

風が強すぎることを除けば日当たり良好でそう悪くない場所とはいえ(実際ベランダより生育はいいくらいかも)、やはり風で花びらと葉が傷だらけのボロボロになってしまうのが一番の悩み。カメラもガラケーのだし自慢できるような写真じゃありませんが、咲いた花の記録ということでまあまあのだけでもご覧ください。

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今年ダントツで良く咲いたのは↑の黄色いバラ、シャルロット・オースチン。ちょうど前後によそのお宅の高い鉢植えの木が置いてあり、それがうまいこと風除けになって花も傷まずにすんだんです。

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咲き出して間もないころのシャルロット。たぶん全部で三十個近く花をつけたと思います。花持ちもイングリッシュ・ローズにしてはいいほうなので、満開時にはなんとも言えずきれいでした。
手前のピンクがかったのは別の品種のグルスアンアーヘン、後ろの赤紫はプリンセス・シビル・ドゥ・ルクセンブルグ。
グルスアンアーヘンは引越しさせたばかりのときの強風でやられた枝を切り詰めまくったらサイズが半分になってしまい、この一輪しか咲かせられませんでした (後からだいぶ芽が伸びてきましたが)。

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「ナローウォーター」(上)と「コーネリア」(下) 
コーネリアの方は去年コガネムシの幼虫にやられてひどい目にあいましたが、なんとか復活しました。
私はこういうセミダブルの花が房咲きになるタイプが(無意識に)好みらしいと最近自覚してきたところです。

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「シャルロット」と右手奥にあるのが同じくイングリッシュ・ローズの「ザ・ピルグリム」
薄い黄色どうしで並んでいても、ピルグリムはレモンイエロー系、シャルロットはクリームにオレンジがごくうっすら入ったような微妙な色合いとかなり違います。↓下のようにツーショットで撮ると、シャルロットが不思議とオレンジっぽく。

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「エスメラルダ」 凄く目立つピンクの大輪です。この色だけは家のベランダからでも黒い工事用覆い越しに識別できます!

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「フォルスタッフ」 この株は強い風が吹くたびに花が自分のトゲで顔をすりむき、無傷で撮れたのはこの一輪だけでした 剪定で枝を長く残しすぎたのがまずかったかも。

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「ビエ・ドゥー」
はっきり写ってないけれど薄いピンクと白のストライプがトレードマーク(なんだか可愛いキャンディのイメージ)というユニークな色合いです。去年このブログのコメント欄で教えていただいて一目惚れし、晩秋に苗を見て衝動買いしてしまいました
これが最初の一輪ですが、後からつぼみが上がってきてもっと咲きそう。ほかにもまだ咲いてないのが数種類あるので、そちらも撮影がうまくいけばまたアップしたいと思ってます。

テーマ:***ベランダガーデニング
ジャンル:趣味・実用

2014.05.12 23:08|怪奇幻想文学いろいろ
 古本ではあまりに高くて手が出せなかった"ウィアード・テールズ日本版"がいつも使う図書館の地下書庫にあったのを今更知りました。数年前にどなたかが寄贈されたとか。

 アメリカで1920―50年代にかけ発行されていた怪奇小説専門誌、Weird Talesの掲載作から選りすぐった短篇を年代ごとに分かれた全五巻に収めた選集で、もう三十年くらい前に国書刊行会から出たものです。
 まず一巻と三巻を借りてきて読み終えたところなんですが、小説ばかりか作家陣によるエッセイの翻訳や編者の故・那智史郎氏による作品紹介なども充実していてなかなかのボリュームでした。
 
 サイズやイラスト、タイトルロゴのフォントにいたるまでアメリカの本家版を再現したというこだわりようも凄く(おかげで電車の中とかではまず読めませんけど)、特に誌面のあちこちに当時の広告がそのまま貼られているのが時代感を演出するのに多大な貢献をしてます。
 広告の内容もよく見てみると結構ウケるのが多いです。自動車用シートカバー、ヒョウ柄二ドル九十八セントにゼブラ柄三ドル六十九セントとか(その差はいったい…)←ちなみに十日間の無料トライアルあり。

 とりわけ気になってしまったのが、第三巻の裏側見返しにある草木の広告。それもさすが怪奇雑誌だけあって(?)当時のアメリカであまり一般的だったとは思えないようなエキゾチック系の植物ばかりが並んでいます。名前からしてFIREFLY PLANT、The Great Wonder Berry、Tree of Heaven…等々耳慣れないものだらけ。

 中でも目玉商品なのか、広告の一番上に絵入りで載っているのが "JAPANESE ROSE BUSHES" なる花木の鉢植え(の種?)です。以下が「世界の驚異」"The Wonder of the World"と銘打たれているその紹介文の引用。

"Japanese Rose Bushes bloom all the year round. Just think of it. Six weeks after planting the seed, the plants will be in full bloom.It may not seem possible, but we positively guarantee it to be so.They will bloom every ten weeks,Summer or Winter,and when three years old the bush will be mass of roses,bearing from five hundred to a thousand roses on each bush.The flowers are in three shades-white, pink,and crimson.The plants will do well both in and out doors.We guarantee at least three bushes to grow from each packet of seed."(太字は原文のまま)

↑によれば、
・開花は一年中。夏冬を問わずほぼ二ヵ月半おきに返り咲きます
・種をまいて六週間ほどで満開になり、三年で五百~千個の花をつけるまでに成長します
・色は白、ピンク、クリムゾン(濃い赤)の三種類
・戸外でも屋内でもよく育ちますよ
とのこと。なおお値段は一鉢十セント。

 それにしたって「ジャパニーズ・ローズ」というからには日本と縁のある花なんでしょうけど、そんな凄い植物果たして実在するんでしょうか!? 
 調べたら、Japanese Roseというのは原種のバラの一種ハマナスをさす場合が多いようです。手持ちのバラの本でハマナスの項を見ると、確かに色は白、薄いピンク、赤に近い濃いピンクと三種類だし、実をつけた後も場合によっては繰り返し返り咲くとありますが… ただ開花時期に関しては日本とアメリカの環境の違いを考慮に入れても、真冬も途切れず咲くというのはどうも厳しそう。

 他にはバラ科のヤマブキ、八重咲きの花の形がバラと似ているツバキなども英語圏ではJapanese Roseと呼ばれることがあるらしく、ヤマブキは花がだいたい黄色だから外すとして、ツバキはもしかしたら可能性ありか?とも思います。ツバキの赤はハマナスより「クリムゾン」に近いし、満開の時には条件がよければものすごくたくさんの花をつけますし。

 まあこの広告元、純粋な植木屋というよりは「かゆみ粉(Itching Powder)」「くしゃみ粉(Sneezing Powder)」みたいな悪ふざけ用ジョークグッズとかドクロ付きのお守り指輪みたいなわけの分からないものも売ってる店なので、多少マユツバの誇大広告だったとしても驚きませんが(笑)
 
 あとちょっとびっくりしたのは、Kudzu Vineという名前で日本の葛が売られていたことです! 生育が早く花もきれいなので邸宅の壁に這わせるつる植物として用いられていたらしいですが、呼び名は外国でもそのまま「クズ」なんですね。さすがにこの広告にある通り一週間で20フィートも伸びるものかは不明ながら、よく育つというのは誇張ではないでしょう(これもネットで調べたら、1876年に開催された博覧会の日本庭園に使われたのがきっかけでアメリカに持ち込まれた葛は、今では一部地域ではびこりすぎて問題になっているそう)。
 
 ジャパニーズ・ローズではありませんが、うちでも先週末ぐらいからバラが開花ラッシュです。でも例によって大風にやられ花が傷んでしまい、あちこち引っかき傷だらけの無残な姿になったのが多数… なのに昨日は国際バラとガーデニングショウに行ってまた大きな鉢バラ、それもデリケートな花の品種というのを買ってきてしまったのでした(汗)

テーマ:本の紹介
ジャンル:学問・文化・芸術

2014.05.04 23:37|音楽鑑賞(主にオペラ)
 最終日に観に行ってからもう三週間以上なのに、すっかりアップするのが遅くなってしまいました。期待外れとかそういうのでは全然なく、その正反対だったんですけど。

 先日取り上げたアムステルダムの「キーテジ」と同じディミトリ・チェルニャコフ(今回の表記ではチェルニアコフ)が演出するこの「イーゴリ公」は、一面の真っ赤なケシの花畑に有名な「ポロヴェッツ人の踊り」の曲が流れる予告を見て以来、どんな舞台になるのかずっと楽しみにしていたものでした。
 
 本音を言うと「イーゴリ公」というオペラは、これまで私にとって音楽自体はともかく、物語についてはほとんど興味を持てなかった作品だったのです。場面ごとのつながりが希薄なせいか終始盛り上がりに欠けるし、登場人物にも際立った個性や魅力のようなものは感じられないし。そもそも作曲者ボロディンが決定稿を残さないまま終わってしまった未完の作品ですから、まとまりが悪いのもある程度仕方ないところがあるのかもしれませんが。
 
 ですが作品のそうした不完全さを逆手にとり、テーマも結末も大きく異なる、「異説イーゴリ公」とでも呼べるような新しい版を作り上げたチェルニャコフの手腕には意表をつかれたといってもいいくらいでした。それがドラマとしての元々の弱点を解消したわけではないにせよ、このオペラに付きまとっていたステレオタイプ的なイメージから踏み出しつつ現代に見合った視点を取り入れた今回の演出は評価されてよいと思います(もちろんいつも成功するとは限らないでしょうが)。

 「イーゴリ公」の話は歴史上の出来事に基づいており、チェルニャコフも「ルサルカ」の次回予告のときのインタビューでオペラの原作にあたる十二世紀の「イーゴリ軍記」なども読み込んで参考にしたと話していました。
 
 しかし今回の舞台では、セットや衣装は中世ロシアではなくわりと近代を思わせるデザイン。イーゴリは本来なら異民族のポロヴェッツ人との戦いにおもむき、負傷して捕虜になったあと(色々あってから)抑留されていた敵の野営地を脱出して故郷に帰りつくはずですが…、ここでは傷を負うところまでは同じでも、その後の出来事は昏睡状態で生死の境をさまよう彼の幻覚として描かれているのです。つまり予告に登場したあの一面のケシの花も現実の風景ではなかったということ(臨死体験でお花畑が見えるとかいう話があるのと一緒ですよね)。
 
 一方でその間にも戦火は広がり、イーゴリの治めていた町も荒れ果てます。終幕、やっと回復したイーゴリは同時に死の淵であった敵地から辛くもそこに生還し、幻想の世界から現実に引き戻される―というのがチェルニャコフ版のストーリーのよう。

 このように舞台が現実と幻想を行き来するのを説明するため、場面によってはかなり強引なカットを施したり、見ていて煩わしいタイプの映像やフラッシュ処理を多用したりと、いささか無理を感じる箇所が少なくなかったのは確かでした。また今回の版では二幕でイーゴリの出番がなく、代わりに彼が不在の地元で起きる混乱を扱った構成になっているのも、その間演出コンセプトの焦点がぼやけてしまうという点では難があります。

 ただこうした問題点にもかかわらず、全体としては妙にすんなり納得できてしまったのは(もちろん私個人の意見ですが)、同じ演出家の「キーテジ」を見たばかりだったことが大きいといえます。
 話が進むにつれ、この「戦争で荒廃した現実と、平和で美しい幻想の世界との対比」というテーマは「キーテジ」とそっくりなことに思い当たったのですが、二つのオペラがともに中世ロシア時代の異民族との戦いを背景とした作品であることを考えると似ているのは偶然ではないのかもしれません。後者(「イーゴリ公」の花畑、「キーテジ」のフェヴローニャと親しい人たちとの団欒)はともにその戦いの中で傷つき、死に瀕した主人公が夢見る幻の中にしか存在しないという点でも同じですし、ある意味チェルニャコフによるこれらの両演出は対をなすものと解釈できるのではないでしょうか。

 従来の版と違って綺麗に締めくくられるわけではないラストにも最初こそびっくりしましたが、それでも「キーテジ」と比べればずっと前向きな希望を感じさせる終わり方で、最後民衆に混じって瓦礫を片付け始めるイーゴリの姿からはチェルニャコフのこの作品に寄せる思いが伝わってくるようでした。「キーテジ」が戦争で滅ぼされた者たちの悲劇なら、この「イーゴリ公」は生き抜いてそこから再生を目指す人々のドラマとして構想されたもののように受け取れたのです。

 基本のトーンはシリアスながらも、コメディリリーフの二人組ポポフとオグノヴェンコ(この人チェルニャコフ演出に凄い高確率で出てきますね)の場面などはよい息抜きになっていたし、これもチェルニャコフの舞台に多い食べ物のシーン(←リアルにおいしそう)もちゃんとあって、全体を通して想像以上に楽しめる仕上がり。

 歌手陣は佇まいがこの役にはうってつけのイーゴリ公イルダール・アブドラザコフを筆頭に、ガリツキー公のミハイル・ペトレンコ、コンチャク汗のステファン・コツァンと主要な役をバス三人が占めるというレアなケースでしたが、同じスラヴ系のバスでも三者三様の個性があっていい聴き比べができました。
 最後の人歌い方が一本調子であんまり好きじゃないんですけど、今回は演出のおかげで後半の出番カットだったし悪くはなかったです。ペトレンコはこういうひねくれた系統のキャラがぴったり。そして何より、この舞台のコンセプトにふさわしい複雑なヒーロー像を歌唱と演技で示したアブドラザコフは大健闘したといえます。
 イーゴリの息子ウラジミール役は名前に覚えがあると思ったら、マリインスキー来日のときの演奏会形式パルジファルの題名役だった人。アブドラザコフと親子には見えませんでしたが、ワーグナーよりずっとこちらのほうが合ってました(イーゴリと一緒に帰ってこられなかったということは、あの息子は結局助からなかったんですね…)気品あるディーカとド迫力のラチヴェリシュヴィリの女声二人もパワフルな歌で適役。

 ジャナンドレア・ノセダの指揮からは演出を上回るほどのインパクトを受けはしなかったにせよ、これまでと違ったスコアに依りつつドラマを支えるという点で十分な役割を果たしていました。

 ところで真っ赤なケシの花が咲き乱れる光景って、あちらの人たちにとってはそれだけで異世界的、幻想的なイメージを抱かせるものなんでしょうか? ケシの原が囲む家に入って魅入られたようになり、ついにはあの世に誘われてしまう男が主人公の「罌粟の香り」という短篇小説(作者はイギリスの女流作家マージョリー・ボウエン)を読んで以来、その読後感がずーっと引っかかって離れないままで。
 おそらくギリシャ・ローマ神話ではケシの花が眠りの神ゆかりのものなのが由来かと思いますが、あの鮮やかに赤い花の雰囲気とはなんだか結び付けづらいです。

テーマ:オペラ
ジャンル:音楽

タグ:オペラ感想

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Author:eHolly
筆不精にも関わらずメモ帳代わりとして始めてしまったブログ。
小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
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