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2015.04.15 00:49|
先週後半からの冷え込みで、我が家では今年もう出番がないと思っていた石油ストーブが毎晩フル稼働です。
茶白は寒がりなのかストーブが大好きで、今夜なんかは数日前に比べたらまだ暖かかったので夕食後になっても火を入れずにいたら、その前で尻尾を振って早く点けろと催促する始末。
指定席は前に置いてあるこの椅子(背もたれには爪研ぎの痕が…) ある晩は帰ってきたらこんな格好で寝てました。この写真、眺めていると「カウチポテト」という言葉が浮かんできてしょうがないんですけど…(死語?)

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椅子は椅子でも黒白のお気に入りはこのダイニングの。これまた負けず劣らずの変ポーズです。

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猫のポーズで思い出したついでにもう一つ。先日立ち寄ったホームセンターの園芸コーナーで見かけて思わずびっくりしたのがこちら↓

キャット オーナメント/CAT 香箱猫ミニ(茶トラ・八割)二匹キャット オーナメント/CAT 香箱猫ミニ(茶トラ・八割)二匹
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不明

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横幅が同じくらいだったのでベランダの花壇の縁の置物にどうか?と一瞬思いましたけど、くっつけるのが面倒そうだしやっぱりいいや(そもそも家のベランダはオーナメントグッズとは無縁ですが。)第一朝の寝ぼけ眼のときにでも目に入ったらぎょっとしそうです。

しかし猫のこういう座り方を「香箱座り」というのを私は最近までまったく知りませんでした。どこで覚えたのかと思ったら(猫飼いには)あんまり気分のよろしくない短篇、 L・ロン・ハバードの「猫嫌い」(創元社「怪奇文学大山脈3」収録)で読んだのが頭に残っていたんでした。

テーマ:猫のいる生活
ジャンル:ペット

2015.04.04 10:17|怪奇幻想文学いろいろ
 今回は宗教に関する記述のあたりなどなかなか訳しづらいところが多く、何度も書き直していたらむやみと時間がかかってしまいました。やっぱり日本人にはこういう部分が一番厄介ですね。

ラヴェンナで過ごす最後の日。せめてもの思い出作りにと、散策に出た先ではもう一つの意外な出会いが待っていました。
"Pages From a Young Girl's Journal"(抄訳)

 それでも次の日のうち、つまり今日にですが、私はラヴェンナから発つ前に広大な世界をあともう少しだけ目に焼き付けておくことができました。そう、今日が日曜であってもです。
 
 もっともこのラヴェンナに国教会の建物はありませんから、私たち一家にできた日曜日のお勤めといえばパパがいくつかのお祈りを唱えて祈祷書を読み上げ、それにママと私が唱和したというだけ。執事が私たち三人をそのため特別に設けられた一室に案内してくれたのだけど、足のぐらつく古いテーブルと木製の椅子が一列きりしかないそこは、この古びたお屋敷の中でも一段とほこりっぽく、ぼろぼろの部屋でした。
 もちろんこれまで逗留した先々でも日曜が来るごとにそっくり同じようにしてきたとはいえ、ここまで気乗りしないどころか気分がすぐれなかった礼拝は初めてよ。一部始終のあいだひどく加減が悪かったことといったら、神の御言葉もなにもまったく身体が受け付けないとさえ感じたぐらい。退屈でどうしようもない家庭礼拝のあいだにだって、今まで一度もこんなことはなかったというのに。

 たぶん罰当たりな考えがこのちっぽけな頭の中を、抑えようもなくぐるぐる駆けめぐっていたおかげでしょう。たとえば聖句を聞くうち、それがパパみたいに列聖されて(uncanonized )いない平信徒の口からしどろもどろに発されたところで、どれほど効きめがあるものかしらなどといつしか考えこんでいたりといった具合に。あら、今のはもちろん「聖別されて」(unordained ※訳注:聖職者の資格を得ていない)という意味で使ったつもり。でもこの単語を消さずにおいたのは、つねづね「ローマカトリック聖人のお歴々」やら、その記念祝日やらといった彼らに付随するものすべてをこき下ろしてるパパに使う言葉としては最高に可笑しくないかと思ったからよ。英国人たちはカトリックの神父たちのことをよく言ったためしがないけれど、少なくともあの人たちは一人残らず、さかのぼりにさかのぼれば聖ペテロの、そしてほとばしり出る恩寵の泉たるお方じきじきの御手によって触れられた者たちには違いありません。

 ああ、それにしてもパパとママがここから私をむりやり引きずっていってしまったら、彼はあの時の「またお会いしましょう」という約束をどうやって果たせるというの?むろんその後に続いた「何度もね」の方はいうまでもなく。
 
 でもそうした不安が心をさいなんでいるのに、どういうわけか私は自分でも意外なほど落ち着いていました。なぜなら心のどこか奥深くで私にははっきり分かっていたからです、私と彼のあいだにはなにか神秘的で神聖な絆のようなものが結ばれていて、それが私たちをふたたび、それも何度も何度も、引き合わせてくれることになるだろうと。さっき体が火と氷に別れたみたいと書いたように、精神も思い乱れるのと同時に安らかでした。
 ずっとずっと前、フランクリン・ストバート氏に「恋した」(こんな感情は消し去りたまえ!)ような気になったときと違って、まだ別のことに考えをめぐらす余裕さえ残っているのですから。ええ、そうよ、私の荒ぶる魂はあの驚異に満ちた方のおかげで、ようやくいくばくかの安らぎを得られたのだわ。ただ同時にこうも疲れを感じさえしなければと思うけれど、それでもおとといの晩の出来事が(悲しくも)過去のものとなるにつれ、疲労感も薄れていってくれるはず。

 もっとも、くたびれたのは今日の午後にしてきた長い散策のせいもあったのは確かです。とはいえ散策じたいは素晴らしい体験だったわ! 私とエミリアとはラヴェンナの市街と海の間に広がる、すばらしく広いピネータ・ディ・クラッセの松林を逍遥してきたの。そこには数えきれないほどの松の古木がもじゃもじゃで厚ぼったい雨傘のようにうっそうと茂っていて、まことしやかに語られるところでは、それぞれの木の陰には旅人を付けねらう追い剥ぎや熊まで潜んでいるんですってよ!
 
 あんな種類の松はイギリスはもちろん、フランスやスイス、それに低地地方の国々でも見かけないものでした。密生した梢にずんぐりした幹で、松というよりはむしろ千一夜物語(あの本を読んだわけではないけれど)に出てくる、ロック鳥がてっぺんに巣を作る木みたいと思ったものです。 
 巨木の周囲を道ともいいかねるような無数の小径が取り巻く林の中では、もし一人で放り出されでもしたらたちまち迷ってしまったに違いありませんが、エミリアはあの時の淑女ぶった気取りなんてどこにやら、男の子みたいに闊歩しつつ見事な道案内をつとめてくれたのでした。
 
 いまではエミリアと私はどことなく気心が通じ合う間柄になっていて、加えて私は、自分でもびっくりするほどのイタリア語を彼女を通して覚えていました。思い出せるかぎりではとても簡単なことばに感じたとはいえ。 "イタリア語を教わるのに、わざわざ特別な時間をとる必要はない、そのままでも身につくことばだから"というのは、あの失楽園(これもまだ読んでいませんが)の偉大な詩人(※訳注:ミルトン)の言ですが、私とエミリアの場合もまさにそうだったというわけね。

 松林はいかにも遠乗りの紳士方が好みそうな場所で、実際私たちが歩を運ぶうちにも、左手に続く小径からそういった乗り手ふたりが連れだって現れたのを認めたとき。 
Guardi (見て!)」ごく親しい仲の友達にでもするように、エミリアが私の腕をつかんで大声をあげました。「バイロンの殿さま、それにシェリーの旦那さまよ!」(あの子のおかしな英語の名前の発音は、ここでは真似のしようもないけれど。)

 ほんとうになんて瞬間だったんでしょう!私はこの目で見たんだわ、ともに名声高く、それと同時に救いがたく呪われた、当代きっての偉人ふたりが並んでいるところを!
 むろん、それはじっくりと目をとめて観察するにはあまりに短い時間でしたけど、それでも私たちが馬上のお二方が滞りなく通れるようにと後に退いて待っていたことへの謝意をあらわしてか、シェリー氏が手にした乗馬鞭でもって小さく合図を送ったのを見て取ることはできました。
 
 もっとも失礼を承知でいうなら、お二方の外見でわけても印象に残ったのは、どちらも意外なほどに老けてみえたこと、さらにバイロン卿のほうは肥り気味で、髪にはかなりの白いものが混じり始めていたことだったわ(まだやっと三十路にさしかかられたばかりのはずなのに)。シェリー氏の服装は目立って着くずれ、バイロン卿はといえばほとんど滑稽といってもよいほどでした。少なくともこの点については、世間に報じられている通りのありさまだったわけですが。ご両人とも帽子のたぐいは何もかぶっていませんでした。
 お二人は下でひづめが立てる音に負けないよう大声で会話を交わしながら(シェリー氏はひときわ甲高い声をしてらしたわ)、私たちが歩いてきたほうへと馬を駆ってゆきました。私とエミリアが立っている場所をまわり込もうと速度をゆるめるあいだにも、途切れることなくずっと話し続けながら。

 こうして私はとうとう、世に名高いバイロン卿の姿を目の当たりにすることができたのです。確かに素晴らしい出来事でした。とはいえそれが、この度私が味わった至高の体験よりも早く起こってくれてさえいたらもっとずっと素晴らしかったでしょうに!不満に思うなんて、おかしいのはきっと天空に昇ったばかりの赤い月に今までの世界を霞まされてしまった私のほうだというのはよく分かっているわ。でも私を待ち受けている未来は、世界とすべての時代を通しての運命の子であられるお方、バイロン卿とはまた別のもの。私は希望に震える腕で、その運命をこの胸に抱き寄せたところなんですから!


******

 憧れのアイドルだったバイロン卿も、不老不死の○○○と比べられてはだらしない中年太りのおじさんに(笑)
ですがそもそも創作品に登場する○○○というのは生い立ちからしてバイロンと密接な関係があるわけでして、それについては以前ちょっとだけ書いたことがありますのでそちらをご覧ください。ふざけた記事ですけど。

http://hollyandthorn.blog137.fc2.com/blog-entry-130.html
 
なお主人公が散策に出たラヴェンナ沿岸の松林はこんな雰囲気らしいです(ラヴェンナの観光サイトらしきところからお借りしました) う~ん、これは日本の松の木と同じなんでしょうか?

pineta.jpg

次回は→こちら

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筆不精にも関わらずメモ帳代わりとして始めてしまったブログ。
小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
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