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2016.02.25 01:10|レシピ
 世間はチョコレート色一色に染まる二月上旬ですが、その間ずっとどこ吹く風とばかりに別のスイーツ作りに精を出しておりました。

 お正月過ぎごろ親戚が庭の木で大豊作だったというユズを大量に箱詰めして送ってくれた中に、一つだけ巨大サイズの柑橘類がどーんと入ってたのです。その果物すなわちザボン、聞いたところでは小笠原の父島在住という親戚の知人からの貰い物とのこと(なんとそちらも庭木に生るんだとか)。 しかしあまりに大きすぎて包丁を入れるのがなんだか億劫になってしまい、一月じゅうキッチンの棚に放置してました。置いておくとへたな芳香剤よりいい匂いだし。

大きさ比較↓茶白(重量7.0㎏)と横幅が変わらない… もちろんいつもこんな風に床に転がしてたわけじゃないですよ。

160123.jpg  160125.jpg
                      茶白はヘタを取っておはじき遊びがしたいらしいです

 とはいえずっと放っておくわけにもいかないのでようやく中身(ルビーグレープフルーツとそう変わらない味)を食べたあと、体積の半分以上を占めてる皮で砂糖煮、いわゆるザボン漬けを作ってみました。ネットでレシピを調べて見よう見まねでやったんですが、それが初めてにしてはうまく行ったのに気を良くしたあげく、スーパーで新しく買い足してきてまでこしらえるように(笑) 先日三個目を使い切ったとこです。

 皮の上下、つまり外側の黄色い部分と果肉と隣りあっている部分はそぎ落としてしまい、中間層のわた(これもグレープフルーツのそれを何倍にも厚くしたようなの)だけを使います。水にさらしてから一、二度茹でこぼして苦みを抜いた後、スポンジのようにぎゅっと絞って切りそろえ、砂糖水を煮立てたシロップに入れて水気がなくなるまで煮詰めます。

絞った状態のわた。
banpeiyukawa.jpg

少し乾かしたあと、グラニュー糖(ビニール袋に入れた上から麺棒でゴリゴリやって細かくしておきます)をまぶして完成。冷蔵庫で二、三日置くと水分が飛んでちょうどいい塩梅になります。
banpeiyusuger.jpg

 なかなか難しいのは砂糖と水の加減で、水気が多すぎてベタベタな仕上がりになったり、反対に皮を投入する前のシロップを水飴状になるまで煮詰めすぎてしまったせいか吸収が悪く煮直す羽目になったり。三個目ぐらいからようやくコツが飲み込めてきた感じです。

banpeiyusuger2.jpg
季節感ゼロの器ですみません
 
 ただ最初に貰ったのは果肉が赤い(したがってわたもうっすら赤い)ものだったんですが、そのあとスーパーで買ったのは二個とも上の写真のように白~薄黄色をした晩白柚と呼ばれる種類だったので、赤い方で作った写真を撮っておかなかったのが残念。
そもそも文旦、ザボン、晩白柚…という名称自体ごちゃごちゃで中身の色に二通りあることも知らなかったし、ザボン漬けという言葉も聞いたことはあるものの、お菓子じゃなくて塩辛い方の漬け物の一種くらいの認識だったので…。

 できれば紅白揃えて作ってみたいんですけど、こちらでは果肉の紅いザボンってなかなか売ってないんですかね。

テーマ:手作りお菓子
ジャンル:グルメ

2016.02.03 01:13|
 前回「ムルガーのはるかな旅」についての記事でちょっと触れた訳者の脇明子氏のことですが、他の翻訳作を調べてみたらこれまた意外なタイトルが!なんと私が幼児時代にいちばん好きだった絵本の「ねこのオーランドー」もこの方の訳だったとは。
 
 マーマレード色のお父さん猫オーランドーが休暇を取って、奥さんのグレイスと三匹の子猫、パンジー(三毛♀)・ブランシュ(白♀)・ティンクル(黒♂)を連れキャンプ旅行に出かけるというこの絵本、人間顔負けにアウトドアを満喫する猫一家の様子が子供心にもうらやましいやら笑えるやらで飽きずに読み返したものです。嘆かわしいことに母がいつの間にか勝手に処分しちゃいましたが (←なんでも私の絵本類を四歳下のいとこにまとめて譲ったんだとか…余談ながらその譲り先の母の実家で飼っていた猫はオーランドーの奥さんグレイスにそっくりで、この話の猫たちに愛着があったのはそのせいかもしれません。)

 しかしそんなに好きな絵本だったのにぜんぜん知らずにいたんですが、「オーランドー」はこれ一冊で終わりではなく続編が存在していたのでした。英語版ウィキで調べたところ、本国イギリスでは1938年から72年までに計19作もが出版されたという長寿シリーズ。作者のKathleen Hale(キャスリーン・ヘイル)さんは1898年生まれの2000年没とあるので、ご本人も相当長生きされてます。

 残念ながら日本語訳があるのは上記の一作目の他は、第四作(邦題「ねこのオーランドー農場をかう」)と十一作(同「ねこのオーランドー海へいく」のみ。さっそく刊行順が先の「農場をかう」を手に入れて読んでみました。久しぶりのオーランドー一家、懐かしい~。

 一作目ではご主人宅のネズミを退治して給金をもらう雇い猫の立場だったオーランドーですが、今作では跡取りがいなくなった農場を(ご主人の援助もあって)買い取りめでたく独立(笑)。
 その「ねこやなぎ農場」に移った一家が四季を通して農作業に奮闘するさまを描いており、中でも楽しいのはちゃんとお手伝いしながらも三者三様のやんちゃぶりを発揮して遊びまわる子猫たちの姿です。刈り取った羊の毛やわらで変装したり、猫顔のカカシを自作したらちょっとした騒ぎになったり…。しかしオーランドー、初めての農作業をことごとく憎たらしいくらい器用にやってのけるんだから万能すぎます。

 基本的にここに出てくる猫たちというのは、こんな具合に中身も言動も限りなく人間に近い印象。が、そのくせときおり見せる実に猫くさいしぐさというのか、あ~猫ってよくこんな格好するわ的なシーンが差しはさまれているギャップがよく効いてます。
 たとえば下の表紙絵↓ではこうなのに、本編最初のページではサンバイザーを付け颯爽とハンドルを握ってドライブする姿を披露してくれるオーランドー氏なのです(自動車、馬車から農業用トラクターの運転までこなすんですよ
 
51YZDHE34ML_convert_20160129020349.jpg (画像はアマゾンから)

 本筋には関係ないながら、海洋文学好きとして気になったのが農場が売られたいきさつ。本来のオーナーだった「バターフィールドのおかみさん」(人間です)は一人息子が家を出て船乗りになり、自分だけでは農場を維持できなくなってしまったためオーランドーに譲ることにしたというのですが、これって割とよくあることだったのでしょうか。
 もちろんおかみさんも路頭に迷ってしまうわけではなく、所有権を手放した後もオーランドー一家のアドバイザーとしてこれまで通り農場に残って万事丸く収まります(息子が休暇で海から帰ってきたりしたらちょっと驚くかもしれませんが)

 海といえば、オーランドー一家がこんどは海水浴に出かける続編「オーランドー海へいく」も読みたくなって注文してみたので、気がむいたらそちらの紹介も書いてみようと思ってます。

テーマ:絵本
ジャンル:本・雑誌

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小説や音楽の感想・紹介、時には猫や植物のことも。
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