2018.08.02 21:43|怪奇幻想文学いろいろ|
「終末期の赤い地球」や去年邦訳が出た「天界の眼」など、はるか未来の地球が舞台のジャック・ヴァンスのファンタジー、「ダイイング・アース」シリーズに基づいたテーブルロールプレイングゲーム(TRPG)があるというのを以前小耳に挟んで面白そうだなと思っていました。ところがThe Dying Earth RPGで検索してみると、簡易ルールのクイックスタート版ならゲームの紹介ホームページで無料入手が可能とのこと(もっと早く気づけばよかった)。さっそく落として読んでみました。
このページからダウンロードできます(再配布は禁止)→https://www.dyingearth.com/downloads.htm
プレイキャラクターの作成方法に加えて行為判定、戦闘、魔術といった基本ルールが一通り解説されており、限られた範囲ではありますが大まかなゲームシステムの把握には十分。ただし私自身世界観について不明なところが多い(全部で四冊の本からなるシリーズのうち、翻訳済みの先述二冊しか読んでいない)うえ、TRPGの経験もまだまだ浅いので、ところどころ理解が怪しい箇所があるのは否定できませんが。
今のところプレイする予定は全くないものの、ダイイング・アース世界のオリジナルキャラを作ってみたい誘惑に勝てず(笑)ひとまずプリントアウトしたキャラシに手持ちのダイスを振ってキャラメイクだけやってみました。ダイスを振って決めるランダム要素が多いので、これだけでも結構楽しかったです。読みづらくて恐縮ですが、以下にその作成過程を記していこうと思います。
―クリエーション・ポイント(cp)とボーナスについて
このゲームにはキャラクターの能力レベルごとに三段階のキャンペーンが存在し、それぞれ当てはまる原作登場人物の名を取って"キューゲル"(ご存知「天界の眼」とそれに続く「キューゲル・サガ」の主人公)、"トゥーリャン"(「終末期の赤い地球」前半に登場する魔術師)、"リアルトー"(未訳の第四作Rhialto the Marvellous で主役を張る大魔術師)レベルと呼ばれます。いわば初級・中級・上級者コースのようなものですが、今回のクイックスタート版で作れるのは、一般人に毛の生えた程度の"キューゲル"レベルのキャラのみ。
"クリエーション・ポイント"(以下cp)と呼ばれる点数があらかじめ定められており、スタート時の能力・技能値、さらには所持品(物品だけでなく呪文も含む)まで、すべてこのcpの割り振りによって決められます。キューゲル・レベルのキャラに与えられるcpは60ポイントですが、これはあくまで初期値であり、次に述べる「ボーナス」によって増やすことが可能です。
ボーナスを得る条件は「六択の選択肢のうち一つに決めるとき、ダイスに選択権を委ねる」ことで、これ一回につき6cpがもらえます。具体的には、各主要能力値には六つの異なったタイプ(Style/型)があり、キャラがそのうちどのタイプに属するかは自分の好みで決めても構いませんが、六面ダイスを振って出目の番号にあたる「型」を採用すれば、ダイスで選んだアビリティの数×6のボーナスポイントを初期値の60に加算してよいというわけです。
―共通技能+〈魔術〉の「型」を決める
このようにトータルで得られるcp値は、ダイスによるランダムチョイスを最終的に何回行ったかで変動するため、先に選択対象となる各技能の「型」を決定していきます。システム上必須となる共通アビリティは以下の五つ。今回のキャラメイクでは最大限のボーナスを得るため、ダイスを振れるところではすべて振ることにしました(その方が面白いですしね)
・Persuade 〈説得〉 このゲームでもとりわけ重要と明言されている技能で、直訳だと「説得(する)」となりますが、要は相手に会話を通して訴えかけ、自分の意に添うように動かそうとする交渉術です。キューゲルがいい例ですが、ダイイング・アースで生死を分けるのは戦闘技能より口先の達者さのようです。
出目ごとの選択肢 (※それぞれ説明がつきますが、当たった目以外のものは長くなり過ぎるため省略します)
1:Glib(饒舌) 2:Eloquent(雄弁) 3:Obfuscatory(曖昧模糊) 4:Forthright(単刀直入) 5:Charming(魅力的) 6:Intimidating(威圧的)
最初の1D6は3のObfuscatoryでした。説明:「君のきわめて曖昧でややこしく入り組んだ語り口に、会話相手はその意味を汲みとることも自分の当惑を認めることもできず、君が話す事に一も二もなく同意してしまう」 いきなり一番変わったのが来た(笑)
・Rebuff 〈拒絶〉 Persuadeと対になる、自身に不利益を招きかねない誘惑を退ける能力。
1:Obtuse(鈍感) 2:Wary(慎重) 3:Penetrating(看破) 4:Lawyerly(法律家) 5:Contrary(天邪鬼) 6:Pure-Hearted(純真無垢)
次の出目は6のPure-Hearted。解説はこう 「あまりに純粋で愚直な君は、君を陥れようとする者たちの陰険なたくらみすら意図せずして暴いてしまう」
なんだかよくわかりませんが、ピュアさも度を越すといかなる誘惑にも無敵になるものらしいです(パルジファルかな?) しかし複雑かつ曖昧な話し方をするくせ純粋無垢とはますます謎なキャラに...。
・Attack 〈攻撃〉 文字通り、戦闘において相手に武器でダメージを与えようとする技能。
1:Strengh(剛力) 2:Speed(スピード) 3:Finesse (精緻) 4:Cunning(狡猾) 5:Ferocity(獰猛) 6:Caution(用心深さ)
・Defense 〈防御〉 自分に向けられた攻撃を防ぐ。
1:Dodge(回避) 2:Parry(受け流し) 3:Sure-Footedness(安定感) 4:Intuition(直観力) 5:Misdirection(眩惑) 6:Vexation(挑発)
今度は二回まとめてダイスを振ったところ1と5が出たので、〈攻撃〉がStrengh(剛力)、〈防御〉がMisdirection(眩惑)タイプとなりました。大柄で並外れた筋力にめぐまれ、かつ相手の目をくらますほどに素早く動けるということなので、とりあえず身体能力は高そうで一安心。
なおこのゲームでは〈攻撃〉技能のうちどの「型」に属するかで、プレイ開始時に取得している武器技能の種類が決まります(後述するように、それで必ずしも武器そのものを「所持」していることにはならないようですが) 近接用と遠距離用の二種類があり、1の「剛力」タイプであるこのキャラクターなら、「型」別の専用武器であるこん棒と大弓の技能をあらかじめ持っていてよいというわけです。それ以外の武器を使いたいのであれば個別に取得もできますが、追加でcpを支払わなくてはなりません。
・Health 〈頑健〉 キャラクターがどれほどダメージに耐えうる体力を有しているかを示す値、つまりHPです。数値だけなので、ここでは「型」分けのためのダイスを振る必要はなし。ここまでが取得必須の技能ですが、現段階でダイスを振った回数は四回(24cp)となります。
・Magic 〈魔術〉 最低でも1ランクは取得しなければならない上の主要五技能と異なり、〈魔術〉には必ずしもポイントを割り振る必要はありません。また原作の登場人物たちもあれこれ苦心していたように、特に難しいアビリティである〈魔術〉には、習得に他の技能の二倍分のポイントがかかるうえ(魔術を5ランク取るには10cpが必要ということ)、"キューゲル・レベル"のキャラクターが到達できる上限は7ランクまでという制約が存在します。
※ただし〈魔術〉を持たないキャラでも、成功条件がかなり厳しくなりますがCantrapと呼ばれる簡単なまじないは掛けられます。「天界の眼」の「シル」の章で出てくるような特定の相手に向けての呪詛もしくは祝福で、範囲が限られているとはいえ効果は侮れないもののよう。
コストがかかるとはいえ〈魔術〉は取ってみたいものなので、まず他の技能と同じように属する「型」(この場合は魔術に対するキャラのスタンス)だけダイスで決めることにします。もちろん好ましいものがあればボーナスを得られないかわりそれを選ぶこともできます。
1:Studious(学究の徒) 2:Insightful(洞察者) 3:Forceful(力ずく) 4:Daring(大胆不敵) 5:Devious(いかさま師) 6:Curious(好奇心)
ダイス目は3:Forceful(力ずく)。「魔法とは世界を君の意思の下にひれ伏させるための技である。君は各種の魔法的存在をその呪文によって従えている」
何となくピュアな不思議君をイメージしていたのがここに来て権力志向の王様キャラに...魔法が絡んでくると人格が豹変するタイプか、さもなくば代々魔術を使って権力を握ってきた家系の出とかでもいいかも。
―技能へのcp割り振り
これで「型」別に分かれている技能はすべて選び終えましたが、合計五回オプションのダイスを振ったので、キャラメイクに使えるのは初期値の60にボーナス分の6×5=30を加えた合計90cpということになります。
cp割り振りを必要とするのはこれらのアビリティ以外にも、「鑑定」「製作」「感知」といった一般技能と初期所持品・呪文、さらにはこのゲームの特色の一つである、破滅につながるさまざまな欲望にどれほど屈せずにいられるかを示す「抵抗力」値と多岐におよぶのですが、ひとまず目安として上の六つへのcp配分をざっくり決めておこうと思います。
原語ではrateで表される能力値は、〈魔術〉を除きキューゲル・レベルでは原則1から10ランクの範囲。数値が大きいほど高い能力を示し、1cpを費やすごとに1ランクを取得できます(※rateを「級」であらわすと、日本語ではどうしても小さい数の方が優れているような印象になるので、ここでは勝手ながら「ランク」という表記を使わせていただきます。) それより上のランクを獲得するには、11ランク→+2、12ランク→+4、13ランク以上→+8の追加コストが必要。コストは1ランクごとに加算する仕様のため、一つの技能を13ランクにしようと思ったら10+2+4+8=合計24cpがかかってしまうというわけです。
〈魔術〉以外の共通技能五つの最低ラインは1ランクですが、解説によればこれら全て8ランク以上あるのが望ましいとのこと。ここでは説明しきれませんが、行為判定の際にダイスロールで思わしい結果が得られなかったり敵対者に負かされたりした時には、使用技能のランクに等しい「アビリティ・プール」と呼ばれる数値を消費することで再ロールが可能になるというルールがあるのです。
まあボーナスでcpも1・5倍に増えたことだしと、〈説得〉〈拒絶〉には強気に10cpずつ、残りの〈攻撃〉〈防御〉〈頑健〉もできれば各9ランクずつは欲しい...すると合計47cpになります。
でもまだ90の半分ちょいなので、2点ぐらいならいいかなと10ポイント越えの技能を一つは作りたい誘惑にかられます。どちらにするか迷いましたが、なるべくトラブルに巻き込まれないよう(?)〈拒絶〉を11ポイントに上げてみることにしました。キャラ的にはますますバカピュアになる訳で、むしろ危なっかしい気がしないでもないですが(笑) これで暫定49ポイント。
次に〈魔術〉。力で従えるという「型」のイメージ的にそこそこのランクは欲しいので、一応4ランク(8cp)分を確保しておきます。なおゲーム開始時に身につけている呪文は別コスト(一つにつき2cp)のため、後から選ぶつもりのそちらも念頭に置いておかなくてはなりません(やっぱり一、二種類は持っておきたいですよね)。
現段階での暫定的ランク→ 〈説得〉:10 〈拒絶〉:11 〈攻撃〉:9 〈防御〉:9 〈頑健〉:9 〈魔術〉:4
ここまでの消費cpはトータル57ポイント(残り33)。まだ使いどころがいろいろ残っていることを考えるとマイナス修正が必要かも。しかし長くなりすぎてしまったので、一旦切って続きは次回の記事で上げさせていただきます。さてどんなキャラクターが誕生することでしょう。
(9/1追記 続きをアップしました)
このページからダウンロードできます(再配布は禁止)→https://www.dyingearth.com/downloads.htm
プレイキャラクターの作成方法に加えて行為判定、戦闘、魔術といった基本ルールが一通り解説されており、限られた範囲ではありますが大まかなゲームシステムの把握には十分。ただし私自身世界観について不明なところが多い(全部で四冊の本からなるシリーズのうち、翻訳済みの先述二冊しか読んでいない)うえ、TRPGの経験もまだまだ浅いので、ところどころ理解が怪しい箇所があるのは否定できませんが。
今のところプレイする予定は全くないものの、ダイイング・アース世界のオリジナルキャラを作ってみたい誘惑に勝てず(笑)ひとまずプリントアウトしたキャラシに手持ちのダイスを振ってキャラメイクだけやってみました。ダイスを振って決めるランダム要素が多いので、これだけでも結構楽しかったです。読みづらくて恐縮ですが、以下にその作成過程を記していこうと思います。
―クリエーション・ポイント(cp)とボーナスについて
このゲームにはキャラクターの能力レベルごとに三段階のキャンペーンが存在し、それぞれ当てはまる原作登場人物の名を取って"キューゲル"(ご存知「天界の眼」とそれに続く「キューゲル・サガ」の主人公)、"トゥーリャン"(「終末期の赤い地球」前半に登場する魔術師)、"リアルトー"(未訳の第四作Rhialto the Marvellous で主役を張る大魔術師)レベルと呼ばれます。いわば初級・中級・上級者コースのようなものですが、今回のクイックスタート版で作れるのは、一般人に毛の生えた程度の"キューゲル"レベルのキャラのみ。
"クリエーション・ポイント"(以下cp)と呼ばれる点数があらかじめ定められており、スタート時の能力・技能値、さらには所持品(物品だけでなく呪文も含む)まで、すべてこのcpの割り振りによって決められます。キューゲル・レベルのキャラに与えられるcpは60ポイントですが、これはあくまで初期値であり、次に述べる「ボーナス」によって増やすことが可能です。
ボーナスを得る条件は「六択の選択肢のうち一つに決めるとき、ダイスに選択権を委ねる」ことで、これ一回につき6cpがもらえます。具体的には、各主要能力値には六つの異なったタイプ(Style/型)があり、キャラがそのうちどのタイプに属するかは自分の好みで決めても構いませんが、六面ダイスを振って出目の番号にあたる「型」を採用すれば、ダイスで選んだアビリティの数×6のボーナスポイントを初期値の60に加算してよいというわけです。
―共通技能+〈魔術〉の「型」を決める
このようにトータルで得られるcp値は、ダイスによるランダムチョイスを最終的に何回行ったかで変動するため、先に選択対象となる各技能の「型」を決定していきます。システム上必須となる共通アビリティは以下の五つ。今回のキャラメイクでは最大限のボーナスを得るため、ダイスを振れるところではすべて振ることにしました(その方が面白いですしね)
・Persuade 〈説得〉 このゲームでもとりわけ重要と明言されている技能で、直訳だと「説得(する)」となりますが、要は相手に会話を通して訴えかけ、自分の意に添うように動かそうとする交渉術です。キューゲルがいい例ですが、ダイイング・アースで生死を分けるのは戦闘技能より口先の達者さのようです。
出目ごとの選択肢 (※それぞれ説明がつきますが、当たった目以外のものは長くなり過ぎるため省略します)
1:Glib(饒舌) 2:Eloquent(雄弁) 3:Obfuscatory(曖昧模糊) 4:Forthright(単刀直入) 5:Charming(魅力的) 6:Intimidating(威圧的)
最初の1D6は3のObfuscatoryでした。説明:「君のきわめて曖昧でややこしく入り組んだ語り口に、会話相手はその意味を汲みとることも自分の当惑を認めることもできず、君が話す事に一も二もなく同意してしまう」 いきなり一番変わったのが来た(笑)
・Rebuff 〈拒絶〉 Persuadeと対になる、自身に不利益を招きかねない誘惑を退ける能力。
1:Obtuse(鈍感) 2:Wary(慎重) 3:Penetrating(看破) 4:Lawyerly(法律家) 5:Contrary(天邪鬼) 6:Pure-Hearted(純真無垢)
次の出目は6のPure-Hearted。解説はこう 「あまりに純粋で愚直な君は、君を陥れようとする者たちの陰険なたくらみすら意図せずして暴いてしまう」
なんだかよくわかりませんが、ピュアさも度を越すといかなる誘惑にも無敵になるものらしいです(パルジファルかな?) しかし複雑かつ曖昧な話し方をするくせ純粋無垢とはますます謎なキャラに...。
・Attack 〈攻撃〉 文字通り、戦闘において相手に武器でダメージを与えようとする技能。
1:Strengh(剛力) 2:Speed(スピード) 3:Finesse (精緻) 4:Cunning(狡猾) 5:Ferocity(獰猛) 6:Caution(用心深さ)
・Defense 〈防御〉 自分に向けられた攻撃を防ぐ。
1:Dodge(回避) 2:Parry(受け流し) 3:Sure-Footedness(安定感) 4:Intuition(直観力) 5:Misdirection(眩惑) 6:Vexation(挑発)
今度は二回まとめてダイスを振ったところ1と5が出たので、〈攻撃〉がStrengh(剛力)、〈防御〉がMisdirection(眩惑)タイプとなりました。大柄で並外れた筋力にめぐまれ、かつ相手の目をくらますほどに素早く動けるということなので、とりあえず身体能力は高そうで一安心。
なおこのゲームでは〈攻撃〉技能のうちどの「型」に属するかで、プレイ開始時に取得している武器技能の種類が決まります(後述するように、それで必ずしも武器そのものを「所持」していることにはならないようですが) 近接用と遠距離用の二種類があり、1の「剛力」タイプであるこのキャラクターなら、「型」別の専用武器であるこん棒と大弓の技能をあらかじめ持っていてよいというわけです。それ以外の武器を使いたいのであれば個別に取得もできますが、追加でcpを支払わなくてはなりません。
・Health 〈頑健〉 キャラクターがどれほどダメージに耐えうる体力を有しているかを示す値、つまりHPです。数値だけなので、ここでは「型」分けのためのダイスを振る必要はなし。ここまでが取得必須の技能ですが、現段階でダイスを振った回数は四回(24cp)となります。
・Magic 〈魔術〉 最低でも1ランクは取得しなければならない上の主要五技能と異なり、〈魔術〉には必ずしもポイントを割り振る必要はありません。また原作の登場人物たちもあれこれ苦心していたように、特に難しいアビリティである〈魔術〉には、習得に他の技能の二倍分のポイントがかかるうえ(魔術を5ランク取るには10cpが必要ということ)、"キューゲル・レベル"のキャラクターが到達できる上限は7ランクまでという制約が存在します。
※ただし〈魔術〉を持たないキャラでも、成功条件がかなり厳しくなりますがCantrapと呼ばれる簡単なまじないは掛けられます。「天界の眼」の「シル」の章で出てくるような特定の相手に向けての呪詛もしくは祝福で、範囲が限られているとはいえ効果は侮れないもののよう。
コストがかかるとはいえ〈魔術〉は取ってみたいものなので、まず他の技能と同じように属する「型」(この場合は魔術に対するキャラのスタンス)だけダイスで決めることにします。もちろん好ましいものがあればボーナスを得られないかわりそれを選ぶこともできます。
1:Studious(学究の徒) 2:Insightful(洞察者) 3:Forceful(力ずく) 4:Daring(大胆不敵) 5:Devious(いかさま師) 6:Curious(好奇心)
ダイス目は3:Forceful(力ずく)。「魔法とは世界を君の意思の下にひれ伏させるための技である。君は各種の魔法的存在をその呪文によって従えている」
何となくピュアな不思議君をイメージしていたのがここに来て権力志向の王様キャラに...魔法が絡んでくると人格が豹変するタイプか、さもなくば代々魔術を使って権力を握ってきた家系の出とかでもいいかも。
―技能へのcp割り振り
これで「型」別に分かれている技能はすべて選び終えましたが、合計五回オプションのダイスを振ったので、キャラメイクに使えるのは初期値の60にボーナス分の6×5=30を加えた合計90cpということになります。
cp割り振りを必要とするのはこれらのアビリティ以外にも、「鑑定」「製作」「感知」といった一般技能と初期所持品・呪文、さらにはこのゲームの特色の一つである、破滅につながるさまざまな欲望にどれほど屈せずにいられるかを示す「抵抗力」値と多岐におよぶのですが、ひとまず目安として上の六つへのcp配分をざっくり決めておこうと思います。
原語ではrateで表される能力値は、〈魔術〉を除きキューゲル・レベルでは原則1から10ランクの範囲。数値が大きいほど高い能力を示し、1cpを費やすごとに1ランクを取得できます(※rateを「級」であらわすと、日本語ではどうしても小さい数の方が優れているような印象になるので、ここでは勝手ながら「ランク」という表記を使わせていただきます。) それより上のランクを獲得するには、11ランク→+2、12ランク→+4、13ランク以上→+8の追加コストが必要。コストは1ランクごとに加算する仕様のため、一つの技能を13ランクにしようと思ったら10+2+4+8=合計24cpがかかってしまうというわけです。
〈魔術〉以外の共通技能五つの最低ラインは1ランクですが、解説によればこれら全て8ランク以上あるのが望ましいとのこと。ここでは説明しきれませんが、行為判定の際にダイスロールで思わしい結果が得られなかったり敵対者に負かされたりした時には、使用技能のランクに等しい「アビリティ・プール」と呼ばれる数値を消費することで再ロールが可能になるというルールがあるのです。
まあボーナスでcpも1・5倍に増えたことだしと、〈説得〉〈拒絶〉には強気に10cpずつ、残りの〈攻撃〉〈防御〉〈頑健〉もできれば各9ランクずつは欲しい...すると合計47cpになります。
でもまだ90の半分ちょいなので、2点ぐらいならいいかなと10ポイント越えの技能を一つは作りたい誘惑にかられます。どちらにするか迷いましたが、なるべくトラブルに巻き込まれないよう(?)〈拒絶〉を11ポイントに上げてみることにしました。キャラ的にはますます
次に〈魔術〉。力で従えるという「型」のイメージ的にそこそこのランクは欲しいので、一応4ランク(8cp)分を確保しておきます。なおゲーム開始時に身につけている呪文は別コスト(一つにつき2cp)のため、後から選ぶつもりのそちらも念頭に置いておかなくてはなりません(やっぱり一、二種類は持っておきたいですよね)。
現段階での暫定的ランク→ 〈説得〉:10 〈拒絶〉:11 〈攻撃〉:9 〈防御〉:9 〈頑健〉:9 〈魔術〉:4
ここまでの消費cpはトータル57ポイント(残り33)。まだ使いどころがいろいろ残っていることを考えるとマイナス修正が必要かも。しかし長くなりすぎてしまったので、一旦切って続きは次回の記事で上げさせていただきます。さてどんなキャラクターが誕生することでしょう。
(9/1追記 続きをアップしました)