"Die Oper kocht"試作XVIII エレートのオッソブーコ(子牛すね肉)煮込み
2016.06.09 02:11|Die Oper kocht|
非常~に今更な話で申し訳ないのですが、四月に新国立劇場「ウェルテル」(ラストから二回目)の公演を観てきました。話と主人公のキャラクターとオーソドックス極まる演出は私の好みでないとはいえ、マスネの音楽そのものと歌手陣、とりわけ海外から招聘した主役三人は素晴らしかったです。
というわけで今回はその一人、ヒロインのロッテの夫アルベールを演じたバリトンのアドリアン・エレート(Adrian Eröd)が作る一皿を紹介します。オーストリア出身のエレートですが、作っているのはオッソブーコ(子牛の骨付きすね肉)の煮込みに付け合わせのポレンタ(トウモロコシ粉を練ったもの)という本格派のミラノ料理。料理にかけてはかなりの腕前のようです。
しかしオッソブーコのような骨付き肉は日本だととにかく手に入れにくい…。先月やっと某所で(これまで気付かなかっただけなのか新しく入荷するようになったのか分かりませんが)、輸入ものの冷凍肉コーナーにあるのを見つけたんですが、どう考えても業務用らしく一つのパッケージがキロ単位という巨大さで手が出せませんでした。何回目かにようやく三切れだけの小分けパックに遭遇できて即確保(汗) ちなみに一枚あたりのお値段は同サイズの和牛ステーキ肉よりちょっぴりお安いくらい。
というのも最初だけはなるべくレシピ通りの食材にこだわることにしてるからなんですけど、普通に売っている煮込み用すね肉でも美味しくできるとは思います。
材料(6人分) ※多すぎるようならすべて半量で。
メイン分:
オッソブーコ(牛すね輪切り肉) 8~10枚
ニンジン 3本
※ルートパセリ 3本
※根セロリ 1/2個
(前回のチキンスープにも登場しましたが、どちらも日本ではほとんど見かけない根菜類です。今回はまとめて茎のセロリで代用)
タマネギ 1個
トマト水煮缶 2缶
調理用赤ワイン・ビーフストック(ビーフ味コンソメの素でも) 各250ml(計量カップ1・25杯)
オリーブオイル 大さじ4
小麦粉・塩コショウ 少量ずつ
ベイリーフ(月桂樹の葉) 2枚
ローズマリーの小枝 3本
付け合わせ(ポレンタ)分:
コーンミール 250g
バター 100g
水、牛乳 各 500ml
塩 少量
付け合わせ(グレモラータ)分:
イタリアンパセリ 1束
レモンの皮(すりおろす) 少量
ニンニク 2片
オリーブオイル 100ml
塩 少量
久しぶりのせいかメインの調理過程を写真に撮るのをすっかり忘れてました
仕方なくウィキペディアから画像をお借りしましたが、これが生肉状態のオッソブーコです↓

作り方
1:トマト以外の野菜類をすべて小さめの角切り(だいたい1.5㎝程度)に刻んでおく。
2:塩こしょうした肉に軽く小麦粉をはたきつけ、油を引いたフライパンで両面を焼く。肉をいったん取り出し、切った野菜を同じフライパンで炒める。
3:そこにワインを注いで軽く混ぜた後、トマト缶を加えて煮立たせたところに肉を戻し入れてスープストックとハーブを加える。
4:オーブンを180℃に熱しておく。(そのままオーブンに入れられないフライパンなら)耐熱容器に移し、ふたをするかホイルでぴったり覆ってオーブンで二時間ほど加熱する。骨が肉からすっと外れるぐらい柔らかくなるまでが目安です。
5:そのあいだに付け合わせを作る。パセリのみじん切り、ニンニクの薄切り、おろしたレモンの皮をオリーブオイルで和え、適度に塩で味付けする(グレモラータ完成)
6:鍋に水と牛乳を合わせて温める。沸騰しかけたあたりでトウモロコシ粉を入れ、バターも加えて木べらで混ぜながら弱火でゆっくり加熱。粉は一度に投入するとダマになりやすいのでご注意ください。

7:こちらも加減を見て軽く塩味をつけ、ある程度の固さになったら火からおろす。平たい容器等に移して表面をざっとならし、冷ましておく。(ポレンタ完成)。

8:肉と野菜のソースを皿に盛り付け、切り分けたポレンタとグレモラータを添えてできあがり。

確かに時間はかかりますが、最初にちょっと焼いて炒めたあとはオーブンに入れておけば完成するのでわりあい楽な料理です。
さて試食。超絶美味しい!!!何より材料のうまみが溶けだした濃厚なソースの味が抜群なうえ、肉は柔らかく、根菜類はちょうどいい具合に食感を留めていてもっちりしたポレンタとの相性もぴったり。普段なら肉の一品料理だとあまり量が入らない私でもぺろっと平らげられました。
ポレンタというのはイタリアでも地域差があってお粥のようなのから固めまで様々らしいですが、私は上の写真のように切り分けられてある程度弾力があるくらいの加減が一番気に入りました。フライパンで軽く温め直して朝食のパン代わりにしてもいけます。
エレートはアルベールのようなシリアス系も上手いですけど、当たり役のベックメッサー(「マイスタージンガー」)とかアイゼンシュタイン(「こうもり」)のようなちょっとコミカルな役どころのほうが顔芸大炸裂で実に生き生きしています。
一度実演を観てみたいのは普通テノールが歌うローゲ(「ラインの黄金」)。意外なキャスティングでしたが、実際にネット放送で聴いたらバリトンにしては明るめの声質に加えてキャラがぴったりな事もあってか、びっくりするくらい違和感がなかったです。
↓のガラコンサートの映像でちょっとだけローゲの抜粋が聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=E2NBs4Nf2CA#t=95m22s
新国ドン・ジョヴァンニに主演した時のインタビュー動画がこちら
(個人的には一年あとのラインの黄金で呼んでほしかったですが。まあ、グールドのローゲも割と収穫でしたけどね。)
というわけで今回はその一人、ヒロインのロッテの夫アルベールを演じたバリトンのアドリアン・エレート(Adrian Eröd)が作る一皿を紹介します。オーストリア出身のエレートですが、作っているのはオッソブーコ(子牛の骨付きすね肉)の煮込みに付け合わせのポレンタ(トウモロコシ粉を練ったもの)という本格派のミラノ料理。料理にかけてはかなりの腕前のようです。
しかしオッソブーコのような骨付き肉は日本だととにかく手に入れにくい…。先月やっと某所で(これまで気付かなかっただけなのか新しく入荷するようになったのか分かりませんが)、輸入ものの冷凍肉コーナーにあるのを見つけたんですが、どう考えても業務用らしく一つのパッケージがキロ単位という巨大さで手が出せませんでした。何回目かにようやく三切れだけの小分けパックに遭遇できて即確保(汗) ちなみに一枚あたりのお値段は同サイズの和牛ステーキ肉よりちょっぴりお安いくらい。
というのも最初だけはなるべくレシピ通りの食材にこだわることにしてるからなんですけど、普通に売っている煮込み用すね肉でも美味しくできるとは思います。
材料(6人分) ※多すぎるようならすべて半量で。
メイン分:
オッソブーコ(牛すね輪切り肉) 8~10枚
ニンジン 3本
※ルートパセリ 3本
※根セロリ 1/2個
(前回のチキンスープにも登場しましたが、どちらも日本ではほとんど見かけない根菜類です。今回はまとめて茎のセロリで代用)
タマネギ 1個
トマト水煮缶 2缶
調理用赤ワイン・ビーフストック(ビーフ味コンソメの素でも) 各250ml(計量カップ1・25杯)
オリーブオイル 大さじ4
小麦粉・塩コショウ 少量ずつ
ベイリーフ(月桂樹の葉) 2枚
ローズマリーの小枝 3本
付け合わせ(ポレンタ)分:
コーンミール 250g
バター 100g
水、牛乳 各 500ml
塩 少量
付け合わせ(グレモラータ)分:
イタリアンパセリ 1束
レモンの皮(すりおろす) 少量
ニンニク 2片
オリーブオイル 100ml
塩 少量
久しぶりのせいかメインの調理過程を写真に撮るのをすっかり忘れてました


作り方
1:トマト以外の野菜類をすべて小さめの角切り(だいたい1.5㎝程度)に刻んでおく。
2:塩こしょうした肉に軽く小麦粉をはたきつけ、油を引いたフライパンで両面を焼く。肉をいったん取り出し、切った野菜を同じフライパンで炒める。
3:そこにワインを注いで軽く混ぜた後、トマト缶を加えて煮立たせたところに肉を戻し入れてスープストックとハーブを加える。
4:オーブンを180℃に熱しておく。(そのままオーブンに入れられないフライパンなら)耐熱容器に移し、ふたをするかホイルでぴったり覆ってオーブンで二時間ほど加熱する。骨が肉からすっと外れるぐらい柔らかくなるまでが目安です。
5:そのあいだに付け合わせを作る。パセリのみじん切り、ニンニクの薄切り、おろしたレモンの皮をオリーブオイルで和え、適度に塩で味付けする(グレモラータ完成)
6:鍋に水と牛乳を合わせて温める。沸騰しかけたあたりでトウモロコシ粉を入れ、バターも加えて木べらで混ぜながら弱火でゆっくり加熱。粉は一度に投入するとダマになりやすいのでご注意ください。

7:こちらも加減を見て軽く塩味をつけ、ある程度の固さになったら火からおろす。平たい容器等に移して表面をざっとならし、冷ましておく。(ポレンタ完成)。

8:肉と野菜のソースを皿に盛り付け、切り分けたポレンタとグレモラータを添えてできあがり。

確かに時間はかかりますが、最初にちょっと焼いて炒めたあとはオーブンに入れておけば完成するのでわりあい楽な料理です。
さて試食。超絶美味しい!!!何より材料のうまみが溶けだした濃厚なソースの味が抜群なうえ、肉は柔らかく、根菜類はちょうどいい具合に食感を留めていてもっちりしたポレンタとの相性もぴったり。普段なら肉の一品料理だとあまり量が入らない私でもぺろっと平らげられました。
ポレンタというのはイタリアでも地域差があってお粥のようなのから固めまで様々らしいですが、私は上の写真のように切り分けられてある程度弾力があるくらいの加減が一番気に入りました。フライパンで軽く温め直して朝食のパン代わりにしてもいけます。
エレートはアルベールのようなシリアス系も上手いですけど、当たり役のベックメッサー(「マイスタージンガー」)とかアイゼンシュタイン(「こうもり」)のようなちょっとコミカルな役どころのほうが顔芸大炸裂で実に生き生きしています。
一度実演を観てみたいのは普通テノールが歌うローゲ(「ラインの黄金」)。意外なキャスティングでしたが、実際にネット放送で聴いたらバリトンにしては明るめの声質に加えてキャラがぴったりな事もあってか、びっくりするくらい違和感がなかったです。
↓のガラコンサートの映像でちょっとだけローゲの抜粋が聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=E2NBs4Nf2CA#t=95m22s
新国ドン・ジョヴァンニに主演した時のインタビュー動画がこちら
(個人的には一年あとのラインの黄金で呼んでほしかったですが。まあ、グールドのローゲも割と収穫でしたけどね。)
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