数年前BSのスカラ座特集で放映されて非常に興味深く見たビジュアルアーティスト、
ウィリアム・ケントリッジ演出の「魔笛」(←当時の感想)が、とうとう新国立劇場にやってきて念願の実演鑑賞が叶いました。
南アフリカ出身であるケントリッジの「魔笛」は解釈にひねりを効かしたいわゆる読み替え系ではありませんが、時代設定を作品成立当時かその少し後の18世紀末~19世紀初頭に移し、啓蒙主義やヨーロッパ列強による植民地支配といった当時の時事的テーマを前面に押し出しているのが特徴です。
(いちおう)ヒーローにあたるタミーノは探検家で、このアフリカの地を訪れて間もなく、モノスタトスら現地人たちを従える白人支配階級のザラストロと夜の女王との対立に巻き込まれてしまったという構図のよう。
さらに印象的なのが、物語の軸となるこの光=ザラストロと闇=夜の女王との対立・相関関係を、これまた18~9世紀にかけて急速な進歩をとげ、エンターテインメントとしても大流行した光学に置きかえて視覚化していることです。
眼(脳に景色を映す装置なわけなのでこれも光学器械の一種)、幻灯機かカメラ・オブスクラらしき箱型装置、影絵によるアニメーション、黎明期の白黒映画、また現代でも大盛況のプロジェクション・マッピング等々さまざまな形態の光学モティーフが背景に登場し、物語に一役買います(人の眼マークに関しては、初見時はよくこのオペラとの関係が取り沙汰されるフリーメーソンのシンボルとして出したのかと思ったのですが、実演で観ると光学の象徴としての意味のほうがより強調されているようでした)。
すなわち太陽神殿をつかさどり理性と学問を信奉するザラストロ一派の「光」を、旧態依然とした支配者である夜の女王を退けようとする「自然の光を自ら用いて超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促す」(Wikipediaより)という意味の啓蒙思想になぞらえたうえで、現在に至るまでの光学の進歩と結び付けたわけです。私自身もともとこうした映画登場以前の光学ショーに興味があったことも手伝って、この着眼点は実に鋭くて面白いと感心せずにはいられませんでした。また光学だけでなく測量学や天文学に関する図像・道具のイメージもあちこちに散りばめられており、一瞬ながら天球儀のシルエットなどが出てくるのも探検記や冒険小説好きにはたまらないものがあります。
...と、ここまでは上でリンクした記事の内容をほぼ繰り返す形になってしまいましたが
、新国のHPに掲載されたケントリッジのインタビューを読むに、映像収録版を見ての私の解釈はおおむね演出の意図通りというか、少なくとも間違ってはなかったようです(自画自賛/笑)。
さて改めて今回の上演の感想ですが、こうした情報量の多い演出は舞台全体を同時に視界に収められる実演鑑賞の方がやはり向いているとみえ、映像では見落としていた発見が少なからずありました。
明暗を強調したモノトーン調の美術はメルヘンチックな王道タイプの「魔笛」とは異なるものの、CGの変化と迫力にも助けられ、このオペラを魅力的にするのに欠かせない幻想性を十分に保っています。中でも夜の女王の二つのアリアで、音楽の盛り上がりにつれてカール・フリードリヒ・シンケルの有名な舞台デザインを下敷きにした満天の星空が現れ、四方八方に軌道を広げてゆく場面のプロジェクションマッピングは圧巻。ザラストロの登場場面で映しだされる立ち並ぶ柱のイメージとも対照をなしており、両陣営の性格を視覚面でみごとに印象づけていました。
ただこの演出の欠点を一つ挙げるなら、タミーノの成長物語としての一面が全体の方向性の中で埋もれがちになってしまい、そのため彼が試練を克服しパミーナを獲得するラストに至っても観る側としてはさほど喜ばしい気分を共有できない点ではないでしょうか。
もともとの台本からして個性が強いとはいえないこの役ですが、新時代のリーダーとしての性格がザラストロに一点集中しているようなこの演出では、いつにも増して自発的な意思に欠けるでくの棒に見えてしまいます。今回演じたダヴィスリムは癖のない声質でベテランらしくきちんとした歌唱とはいえ、それがかえって覇気と若々しさに欠ける雰囲気を醸し出していたのもまずかったかと(容姿も同じく...)同様に相手役のパミーナにしても、ケントリッジのインタビューでは「タミーノを導く重要な存在」と明言されているにもかかわらず、自己主張が弱く面白みに欠けるお姫様キャラから脱しきれないままの感が拭えなかったです。
シーズンオープニングの初日にしてはカーテンコールの熱気が今一つだったのも、もしかするとこうした肩入れできる主人公の不在による不完全燃焼感?(ぴったりな表現が思いつかない)が響いたように思えてなりません。最後にケントリッジ本人が登場した時は客席も結構沸いてましたけど。
その一方で、ザラストロに体現される"啓蒙的"リーダー像にしても百パーセント肯定的には描かれていません。植民地の支配階級として新しい思想の教化にあたろうとするこのザラストロの設定には、正義であるにせよどこか上から目線の押しつけがましさが潜んでいるとはスカラ座の映像を見た時から感じていましたが、それはむしろ演出家があえて強調した点であることが今回よく伝わってきました。
インタビューでロベスピエールを引き合いに出しているのが分かりやすかったですが、演出の根幹である「光」と「闇」の対立と相関というテーマに近代ヨーロッパの発展とその影に潜む負の面が重ね合わされているなら、こうしたザラストロの二面性が強調されるのは必然というべきでしょう。だからこそラストでザラストロを引き継ぐであろうポジションに就くタミーノとパミーナには、何らかの形でその方針への疑問を呈させてもよかった気がするのですが...
スカラ座と同じローランド・ベーア指揮の音楽面に関しては演奏も歌唱もいくぶん小ぢんまりとまとまってしまった感はあるものの、演出のイメージ通り若々しいカリスマ感に溢れてよく通る声のザラストロ、変に笑いを取ろうとしないのが好印象のパパゲーノ、コケティッシュな愛嬌を振りまいて舞台を明るくした侍女三人組とパパゲーナ(女性陣は衣装も華やかで可愛い)などを筆頭にみな健闘でした。
ところで、この「魔笛」でフィーチャーされた光学装置による見世物を取り上げた「マジック・ランタン―光と影の映像史―」という展覧会が、ちょうど重なり合う時期に恵比寿の東京都写真美術館で開催されており(こちらは八月に始まっていたのでギリギリの駆け込み鑑賞でしたけど)、観劇の翌週こちらにも行ってきました。
もう終了してしまいましたが美術館HPへのリンク→
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3083.html 小規模ながら見応えのある内容で、展示物はマジックランタン(幻灯)の映写機とガラス絵のスライド(いくつかは実際の映像も見られます)、またそれが上演される様子を題材にした当時の絵画がほとんど。珍しいところでは一見ボードゲームかと思うような箱に入った影絵芝居のキットとか。
受付のあるロビーにも幻灯機が設置してあり、そこでは撮影や手を触れたりも可能だったので記念に数枚撮ってきました。オペラに出てきたのもこれとそこそこ似た形状や大きさだったような↓

それ以外にも今度の「魔笛」を見たあとだといろいろ思い当たる内容の展示も多く、つくづく新国とコラボしなかったのが勿体ないと考えてしまったくらいでした(過去にその手の企画ってやったことあったっけ?)
例えばオペラ冒頭でタミーノが追いかけられ気絶する「大蛇」、ケントリッジ演出ではこの蛇の正体は実は三人の侍女たちが例の映写機を使って見せた影絵なのですが、展示されていた絵画(一枚はリンク先のHPにも)中にも手影絵で動物の形を作って遊ぶそっくりの光景が見つかったり。
なにしろ日本語で読める文献類さえ多いとはいえない前時代の光学アートという分野で、実際の道具類や映像に触れられるだけでもレアなのに、偶然にもそれを重要なモティーフとして組み込んだ舞台作品が近くの劇場で上演されていてほぼ同時期に両者を鑑賞できたのは本当に貴重な体験でした。マジックランタン以外にも多種多様で知れば知るほど興味の湧いてくるこのジャンル、いつかまた少し異なった紹介の仕方で見られる機会があればと思います。
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舞台芸術の粋をこらして設えてあるのですね。満天の丸天井が素晴らしい!植民地啓蒙というと「ルクンドオ」を思い出してしまい、ザラストロがストーン隊長、夜の女王がバルンダ族の呪術師だったら全然違う話になってしまいますね。オペラの衣裳は重いのでしょうか?「世界は欲しいもので溢れてる」のビーズ回でアンティークドレスにぎっしり散りばめられたビーズが防弾チョッキに見えて。親戚の年配の方から若い頃のコートを頂いたんですが重いのなんの。生地も縫製もしっかりしていて上質なんですが、とにかく重くて着るとグッタリしてしまうんです。○ニクロのフリースやダウンが楽で恋しい根性無しです。昔の王族貴族は、服や冠に宝石や貴金属がドッサリ付いて装身具も身に着けてジムのトレーニング並だったんじゃないでしょうか?
「ルクンドオ」とかブラックウッドの「エジプトの奥底へ」みたいな、暗黒大陸の神秘とオカルトがモチーフになったダークな「魔笛」、ぜひ見てみたい!ごく一部の層にしか受けないかもしれませんが。
幻灯も賢治の「雪渡り」のは文章と相まって美しいイメージですが、M・R・ジェームズの「人を呪わば」に出てくる上映会の話のようにホラーなものも少なくなかったようですね。実際展示品にはどくろやお化けのスライドもありましたし、小さい子が真っ暗闇の中で体験したらわりと本気で怖がるだろうなと思って見てました。
あのドレス、私は縫い付けてある糸が切れたらどうするのか気になって仕方なかったです。ビーズ刺繍付きの服やパーティバッグで修理をどうしようか困った経験があるので(放置状態のもいくつか…)あのレベルの高級品だと縫製の仕方もしっかりしているからそんな心配はいらないんでしょうか?
オートクチュール専門のお直しの方がいるのでしょうね。後半の工房に過去のサンプルか全て保存してある場面に感動しました。フランスって凄い!家の工事中は外出も控えているのでNHK旅するフランス語講座を楽しみにしています。黒木華さんも大好き。カフェの朝食が本当に美味しそうでした。パンをカフェオレにドップリ浸けて食べるんですね。イタリアの朝食も甘いクッキーをカプチーノに浸すとか。
旅するフランス語講座の先週回を見てたのですが、次々登場するスイーツ類に目を奪われてしまって肝心の語学は頭を素通りする始末(笑)フランスのパンといえば今年泊まったホテルのミニバゲットとクロワッサンも感動的な美味しさでした(そんな上等なホテルではないのに)。日本では抜くことの多い朝食をがっつり取って出かけていたおかげで、街でおやつのお菓子類をあまり食べられなかったのが逆に心残りです!
フランス語講座のパテ回も眼福でした。焼き立ての熱々にかぶりつきたいと思いましたが、パテのエキスがゼラチン状に固まるように一晩寝かせるのですね。あくまでも前菜。主菜がお腹に入らないくらいのボリューム!その後でチーズやデザートも食べるんですよね。「世界の入りにくい居酒屋」のリヨンの回でも御馳走のボリュームに驚きましたが、現地の方は本当にあんな凄い量の料理をペロリと平らげているのでしょうか?
私もながら見してましたが、メインが運ばれてきたところで全く同じこと考えました。あのパテがメインでいいですよねえ。
この前行った時やはりバスティーユ近くのビストロでオニオンスープと塩豚の煮込みレンズ豆添えのコースを頼んだんですけど、肉の大きさが半端なくて全部はとても胃に収まりませんでした(味は最高だったんですが)しかし周囲の皆さんは大抵ほぼ完食していて、それに加えて結構な量のワインも空けていたり…。
フランス語講座ラタテュイユ、一旦ピュレにしてから野菜を載せてオーブンで焼くなんて流石です。
自分も大好きなんですが家族は全員アンチ・セロリ派。ミートソースにも入れられない。
仕方なく自分だけ生のセロリにディップを付けて齧っています。塩豚の煮込みレンズ豆添え美味しそう!
レンズ豆を初めて知ったのはゲド戦記の第二部を読んだ時でした。
セロリは火を通してあれば好きなんですが生だと匂いのせいで敬遠してしまうという中途半端な立場の者ですー。
塩豚は豚のバラか脂身多めのロース肉に塩をしてキッチンペーパーで包んでおくとすぐできるので最近自分でも作るようになりました。少量でもスープなどに入れるといい味が出るし、ちょっとしたファンタジー食気分にもなれるしでお勧めです。
ゲド戦記の食べ物だと四巻で採ってきたカエルをさばく場面が妙に頭に焼き付いてしまっていて…フランス名物らしいですけど食用カエルとエスカルゴだけは試したくない(笑)
塩豚、自分で作ったら安心だしハーブやスパイスを足しても良いし、脂で野菜を焼くと美味しいし。「入りにくい居酒屋リヨン篇」で金曜日はカエル料理の日だそうで、皆がむしゃぶりついていました。でもエスカルゴは無理!昼間は半袖で過ごせる陽気のせいでナメクジが大発生し、割りばしで駆除に追われていて。やっと植えたパンジーとビオラを守らなくては。秋薔薇にもナメクジが取りつきませんか?
あー、ありましたねリヨンのカエル料理回。あんな風に料理されて出てきたら案外正体がわからずに食べてしまうかもと思った記憶が。カタツムリはごまかせなさそうですが…
うちではなぜか一か所の花壇にだけ一センチ足らずの小ナメクジがうじゃうじゃ湧きまして、いつも嫌々竹串の先で引っかけて処理していました(その大きさだと割りばしでは取りづらくて)。塩でも撒いてやりたいところですが、土壌に良くなさそうですしね。しかしここ数週間というもの一匹も見かけないのは、まさか九月末の台風で残らず吹き飛ばされちゃったんでしょうか!?
季節外れの暖かさが去り、暖房機具や冬物を出しました。衣更えの際、色褪せてユルユルだけど肌に馴染んで心地好い夏物を捨てられません。あとお気に入りでヘビロテした夏物と同じものを買ってから、手持ちのを捨てようと思って同じ店で探しても無いんですね。同じものを毎年売って欲しいのですが、それでは商売にならないのかしら?フランス語講座のポトフ、これからの寒い季節にピッタリ!骨髄が美味しそうです。ジャガイモは入れないのですね。あれにカレールーを入れたら豪華なカレーになるなあとフランス人にどやされそうな事を思ってしまいました。
うちでも先週からストーブを出しました。肩凝りのひどい私は厚着をすればするほど首周りが重くてしんどく感じるので寒い季節は正直憂鬱です。
そういえば同じ店の服…というので思いだしたんですが、数日前自分とほぼ同じトップス(袖だけ少し違う)を着た人に出会って一瞬ギョッとしてしまいました。某大手ファストファッションのものなので珍しくもないんですけど、ある意味ドッペルゲンガーを見るのに通じるものがあるんでしょうか。
個人的にはカレーにジャガイモなくてもいい派ですがポトフには入れたいかなあ。肉を食べる時に骨を割って中の骨髄をすする描写は海外の小説で割とよく見る気がしますが、やっぱり旨味たっぷりのご馳走なんでしょうね。かなり最近までどういうものだか全く想像がつきませんでした。
この世の天国のような食材の山!600種類もあるなんて。
幼い頃、父の晩酌の残りのサラミをつまみ食いして固くて塩辛いだけで美味しくないと思いました。
魚肉ソーセージしか売っていない時代に「ハイジ」のアニメでペーターがフランクフルト土産のソーセージに
目を輝かせる場面が心に残りました。ソーセージやチーズを思う存分、味わいたいけど高血圧と脂肪肝には良くないだろうな。
画面に映ったリヨンの人達もオデブちゃん率が高かった。入りにくい居酒屋でもリヨン編の女主人が「健康の事を気にする人は
薬局へ行けば良いのよ!」とバターをガンガン鍋に投入しておりました。最後に購入したクリーミーなチーズに秋田のいぶりがっこを
混ぜたらお酒に合うだろうなあ。
いつも自慢話みたいになってしまって恐縮ですけど、パリに行くとたいてい夕食はハムやソーセージ、チーズ類をスーパーで買いこんできてホテルの部屋で済ませてます。最初はレストランより気楽でいいという理由からだったのが、今では種類の豊富さと値段の安さもあってすっかり旅行の楽しみの一つになりました。一緒に食べるバゲットやフルーツは街歩きの最中にいろいろ見繕って買えますし。
残念なのはどちらかというと下戸の私はワインと一緒に味わえないこと…まあ健康には飲まないのが一番と自分を納得させてるんですが(笑)
チーズとカリカリベーコンのトーストに熱々のスープ!立派な食事になりますね。文章だけで涎が。またダイエットが遠退いてしまう。今月末に「サリエーリのお菓子な食卓」と「茶匠と探偵」が出るのですが、図書館で入れてくれなかったら買おうかな。竹書房はこの御時世にマイナーなSFを出してくれて有り難い!「死んだら飛べる
」も読み応えありました。フライトのお供には真っ平ですが。このまま美食SF傑作選もでますように。月曜の昼間に雹がザカザカ降って植えたばかりのパンジーとガーデンシクラメンがやられました。庭中にズタズタに穴の空いた落ち葉が散らばり、まだ片付けが終わりません。BB弾くらいのがパラパラ降ったことならあるけど、こんなのは初めて。薩摩芋も掘り上げないと。
スープは緑がかったポタージュでしたが何の野菜のだったんだろう?ズッキーニかもと思いましたが、寒い中を数時間歩き回った後であっという間に飲み干してしまいよくわかりませんでした(笑)
サリエーリの本、ウィーンかイタリアのお菓子紀行的なものをイメージしていたらオペラ飯という副題まであってかなり本格的。料理の再現写真もボリュームたっぷりで、見応え読み応えともにありそうですね。考えてみればオペラの劇中に出てくる食事も印象的なものが多いので、そういうアプローチで書かれたものも読んでみたいです。
うちでは今秋の二度の台風のあと、一部バラの葉に茶色い変色が目立ちはじめ、それが原因で結局二株枯れてしまいました。風には直接当てなかったつもりで油断していたのですが、どうも塩害が原因だったようです。パンジーにシクラメン、植えたばかりでこれからの花を楽しみにしていた時期だと余計ダメージも大きいですね…
季節本来の寒さになりました。台所の換気扇の掃除にカーテンの洗濯など少しずつ片付けてます。先日の「世界は欲しいモノにあふれてる」のベーグル回、食べたくて七転八倒しました。山内さんのお店に行ったり通販すればベーグルは食べられるでしょうが、あのNYの活気がさらに美味しくしているのですね。山内さんも素敵!姑さんは歯応えのある硬めのパンがダメでヤマザキのダブルソフトしか食べません。ご飯も柔らかく炊いたのが好きなので固めが好きな家族とは別に炊いています。あとお粥もネットリかシャバシャバかで好みが別れます。ありふれた食物にこそ絶対譲れない好みが出ますよね。ベーグルへの拘りにも頷けました。挟むクリームチーズが26種類も!東欧からのユダヤ系移民の郷土食からNYを代表する人気食へ華麗に変身しましたが東欧とかロシアってヨーロッパともアジアとも異なる独特の魅力があってSF作品も大好きです。最近スモンスモンという絵本を知ったのですが1度見たら忘れられない絵で、少し諸星テイストも入っていてシリーズ化して欲しい!「遠い国から」を思い出しました。来年は西遊妖猿伝の最新刊が出ますように。
私もこれまでベーグルはもっちりを通り越してもったり、もさもさした印象しかなくむしろ避けていたくらいですが、番組を見たらすっかり食べてみたくなってしまいました。綺麗な焼き色がつくよう茹でるときに蜂蜜を入れたり、色々工夫があるものなんですね。クリームチーズはフルーツ系の具とあわせてもよさそう(最近フルーツサンドが無性に食べたくてあれこれ試しているのですが、なかなかこれ!という味に出会えなくて。)
そういえば先週スーパーでむかごを見つけたのでむかご飯に初トライしてみたところ、ほくほくして大変美味しかったです!少し多めに炊きすぎたので天かすと青のりを混ぜて「悪魔のおにぎり」風にアレンジしたらこちらも乙でした。自分で採ったものだったらもっと味わい深かったかもしれませんが。
スモンスモンのイラストレーターのSonja Danowskiさん、ホームページの作品を見るとこの絵本がむしろ異色な気もしますが、動植物の繊細なタッチや深みのある赤が特徴的な色使いなどとても好みです。絵本の諸星テイストは後ろのぐるぐるした岩のおかげ?
思い返すと昔愛読していた童話には東欧出身作家のものもかなりあったような。特に今でも読み返したくなるのは「ネンディのぼうけん」という筆箱に住むねんどの人形と文房具たちを主人公にしたポーランドの本なのですが、ネットでもほぼプレミア価格で…
最近だとグラビンスキの作品集3冊が、あまり自分のツボにはまる感じではなかったとはいえそれなりに印象には残っています。
「銀の仮面」と「ラヴクラフトの怪物たち」下とナイトランド・クォータリーの新刊を予約してるのですが、チェックしたら発売日がほとんど被っていてどれも積みそう(笑)
公園のラ・セビリアーナやアイスバーグが初夏よりも冴えた花色でたわわに咲き誇っています。蒸し暑さや雨に痛め付けられない冬の方が薔薇には心地よいのでしょうか?今が薔薇のシーズンだと勘違いしそうな程です。まだ霜が1度も降りていないし耳が千切れそうな寒風も吹かないし。ムカゴご飯、美味しそう!大人の味です。読みたい本の発売日って重なることが多いからお金がナンボデモ飛んでいきます。世界は欲しいモノで溢れてるのシードル回、お洒落でした。原料の林檎も芯まで赤いのや青リンゴなど生で食べたいくらい。ガレットの生地は蕎麦がきみたいでした。今年は台風の被害のためか林檎が高くて・・・。
ヨーロッパで作出された園芸品種のバラには、日本はむしろ暑すぎるらしいですね。とはいえそんなに見事に咲くとはよほど丹精されているのでしょうか?うちのはちょっと気を抜くとすぐ害虫や黒点病が出てみすぼらしい見た目になります。近所のお宅の庭のも大体そんな感じなので変に安心してしまってるのですけど。
「銀の仮面」予約したのに届かないなと思っていたら発売がちょっと伸びたみたいですね。でも他に買った本もまだほとんど読めてないので、いっそ年末年始にまとめて読書三昧したいですが…この時期発売の新刊は自分へのクリスマスプレゼントと称して財布の紐が緩んでしまうので怖い(笑)
ホットシードル、寒い日の読書のお伴によさそう!と思って見ていましたが、いい気持ちになって読書どころではなく寝てしまいそう。鴨のガレットも食べてみたいなあ…。
うちも母と私とでそれぞれ勝手に好きなものを作って食べるのが常態化しているせいで、冷蔵庫はブラックボックス化の一途をたどってます。おまけに親戚が庭で採って送ってくれたハヤトウリとキウイが現在野菜室を占拠中!美味しいけれど一度に大量に食べられるものでもないのでなかなかスペースが空きません。
アスパラは緑と白どっちも好きですが、白はどちらかといえば値が張るし調理にもコツがいるしで、緑を生姜醤油で和えるか串カツ屋さん風にパン粉衣で揚げるのが個人的十八番レシピです。ヨーロッパの春の風物詩というホワイトアスパラ、一度現地で味輪得たらなあ…あいにく旬の時期に行けたことがないです。
来月の新刊をチェックしていたら南條先生のゴーストリイ・フォークロアというエッセイがあって、それなりのお値段ながら(ボリュームも)さっそく予約してしまいました。英国各地に伝わる民話の解説みたいなものが主眼なのかなと予想してますが、ちょっと脱線で伝統グルメの紹介にもつい期待してしまいますね。
ゴーストリーフォークロアの装丁は老舗洋菓子店の焼菓子の缶みたいにお洒落。活字も紫で少しずつ読みたい!サリエーリの本も図書館にリクエスト中。「茶匠と探偵」は図書館で入れてくれました。香菜とニョクマムの薫るアジアSFです。ブレードランナーのような欧米人から見たアジアではなくベトナム系女性から見た母系アジア世界。教育テレビ「らららクラシック」で音楽家の愛した料理特集を放映していました。実際にシェフが腕を奮ったフルコースをスタジオで実食。ロッシーニのマカロニ料理が美味しそう!大好きな葉村晶シリーズがNHKでドラマ化されるのですがヒロインが線の細い美女で戸惑っております。もっとオバサンくさいモッサリした人が良いのに。
ゴーストリイ・フォークロア、同じく紫で揃えたちょっとユーモラスな挿絵も洒落てました。おなじみの作家の名前もあちこちに出てきて、民間伝承と今でも読まれる小説作品とのあいだの溝を埋める解説としても面白く読めるので英怪奇文学好きには必携かもしれません。
最近は世界的にもアジアンSFブームみたいですね。この前書評で見かけた「翡翠城市」というタイトルが面白そうだったのを思い出したので、私も今度図書館に入ったかチェックしなければ。「"翡翠の街"という島の都市を舞台にしたSFアジアン・ノワール」とのことですが、全608ページとは貸出期限との戦いになりそうでちょっと心配です。
映像化といえば、先程ラヴクラフト原作の「宇宙からの色」の予告編をたまたま見たのですが「色」がゴーストリイ・フォークロアにも劣らない紫トーンでした(笑)まあ色々と実写は難しいですよね…
翡翠城市、面白かったのですが続きが気になる終わり方で原作は続刊が出ているそうです。早く訳して下さい!と早川に念を送っています。老舗飯店が重要な舞台で名物のイカ団子が美味しそうなんです。ゴッドファーザーとジョジョのスタンドバトルとハーレクインロマンスが混ざりあったような作品でした。今日、公園に行ったら紅梅が五分咲きでビックリ。タンポポも咲いてるし。さすがに薔薇は冬剪定されていました。ラブクラフト作品の実写化より田邉剛先生のコミックの方が原作の雰囲気を伝えていると思います。
「翡翠城市」もう読んでおられたとは流石です。ゴッドファーザーとジョジョはわかるとして、ハーレクインロマンス成分とは意外すぎ!タイトルからあまり食べ物とは縁がなさげな硬派な作風を勝手に想像してましたが、老舗飯店の登場を知ってさらに好奇心が湧いてきました。
田邉先生のラヴクラフト傑作集は「狂気山脈」しか読んでませんが、クライマックスの古代都市の凄さもさることながら、原作だと観測日誌的に淡々と綴られる序盤もしっかりドラマ性を感じさせる作りになっているのに感心した覚えがあります。あの絵柄で「幻夢郷カダスを求めて」も読んでみたいな(まだ出てないですよね?)
ハコベって厳寒期でもなんであんなに取っても取っても生えてくるんでしょうね。ミントですら冬の間はおとなしいのに…
世界は欲しいモノに溢れてる、食い入るように観てしまいました。アフタヌーンティーはクラシックなタイプからスペインのピンチョス風やインド風まで凄く美味しそう!どの角度からも目があう猫の置物が素敵です。アンティークの食器は店で楽しむのは好きですが自宅では無理。エディオンの景品とヤマザキ春のパン祭を愛用してます。ミルクティーには牛乳をたっぷり入れるのが好きですが本場ではブラックティーの風味を和らげるのに少し加えるだけなんですね。いくら食べても肥らないアフタヌーンティーが発明されないかしら?マツコの知らない世界のアフタヌーンティー回も美味しそうでした。
見事な各種ティーセットに可愛い猫の置物、バラエティーに富んだお茶菓子類と眼福な回でした。個人的にはビーツってフレーバーティーに入れてもいいんだというのがなかなかの衝撃でしたが…
スコーンのクリームとジャムどちらが先か論争は昨夜(土曜)のスイーツ紀行でもやってましたね。クリスティの「バートラム・ホテル」に登場するシードケーキについても掘り下げられていたりでこちらもなかなか興味深かったです。
クリスティもクリームを先に塗る流儀のデヴォン州出身ですからスコーンの食べ方にはとことんこだわる方だったんでしょうか(ミス・ギルクリストが頭をよぎりました)。実はいまだにイギリスの地理とか地域ごとの文化がろくに頭に入っていないのですが、デヴォンといえばクリスティ、コーンウォールといえばデュ・モーリアのイメージです。
スイーツ紀行が地上波で放映されるのを心待ちにしています。スイーツは甘さだけでなく歴史と文化の賜物ですね。高島礼子さんも素敵。世界は欲しいモノに溢れてる冬のホッコリ回、メキシコのスープが異世界感たっぷりでした。お玉やレードルでなく木の棒で混ぜ、材料や味付けも日本人には未知のものが多くファンタジーしてました。図書館で遂に「サリエーリのお菓子な食卓」を入れてくれました!サリエーリは子供の頃から大変な甘党でレシピも現代日本人向けに改変してあります。元のレシピは砂糖とバターの絨毯爆撃!自分が何とか食べられそうなのはローストチキンと健康ズッペくらいです。他は血糖値が急上昇しそうなものばかり。激務とストレスを抱えながら後進の指導にも打ち込むには高カロリーの食事が必要だったのかも。辛い馬車の長旅の後、ホットチョコレートを飲んで一息つく場面では「ある少女の日記帳」のヒロインにも飲ませてあげたかったと思いました。巻末の参考文献も読んでみたくなります。あと扶桑社文庫の「猫の扉」もゲットしました。「ウルサルの猫」も載っています。猫のアンソロジーは出る度に買ってしまう・・・。地球ドラマチック「ファンタジーの世界 魔法の王国の秘密」でジョージ・R・R・マーティン様が出ておられ嬉しかった!このまま元気に創作活動を続けてゆかれますように。とりとめなく書き散らしてすみません。
スイーツ紀行、後半を録画でようやく見ました。今回は東欧を経てイスタンブールまでで、ブルガリアの南瓜入りバニッツァやバラを使ったケーキ、ウィーンとトルコの銘菓のつながりなど普段あまりなじみのない地域の食文化がかいま見られて面白かったです。
エドマンドではありませんが私も箱いっぱいのターキッシュ・デライトが食べたい…(ああいう食感のお菓子結構好きなんです)
私も前半あちこちながら見だったので、再放送やってほしいですね。
しかし列車を乗り継いでの一か月の旅、私だったらお菓子がお伴でも相当消耗しそう。ましてや狭い馬車に詰め込まれて移動していた昔は観光気分どころではない人の方が多数派だったんだろうなとyoyoshiさんのコメント拝見して思った次第です。エイクマンの少女じゃありませんが、馬車の揺れで酔ったりした日にはまともに食事もできなくなりそうですし。
マーティン先生は今度日本のゲーム会社の新作とコラボするそうですね。脚本に関わるということなんでしょうか? 私もあそこのゲームはやりたくてたまらないんですが最初のボスすら倒せる気がせず…とりあえずその前に据え置き機ゲームデビュー目指さないと(笑)
親戚から大きな土佐文旦を二個貰ったのでeHolly様の記事を参考に砂糖漬けを作りました。ワタの部分は少なかったので皮を三回茹でこぼして一晩水に漬け砂糖と柑橘の果実酒で煮詰めて半日乾かしてグラニュー糖を塗しました。香りはとても良いのですが、硬い。果肉を絞らずに蜂蜜に漬け果汁の代わりに果実酒を使ったせいかしら。あと苦みが時間経過とともに増してきたような。光熱費以外は家にあるものだけで作れるのは有難い。高菜も収穫して漬けているのですが、葉が大きいので桶が満杯になってしまいます。めはり寿司や高菜ピラフを作りたい!姑さんの実家の吉野では柿の葉寿司は折々に作ったけど、めはり寿司は十津川村の方でメジャーで吉野では作らなかったそうです。素人はしっかり塩を使わないと漬物作りに失敗しがちですが塩抜きも旨味と丁度良い塩味を残す加減が難しい。古代メソポタミア飯は香味野菜やスパイスを上手く使って減塩の健康食だったそうです。「迷いの谷」は水木先生の翻案では「呪いの谷」となっているそうで貸本時代の作品だから高い!「セカホシ春の英国スペシャル」ピオニーとミモザが素敵!ガーデンアフタヌーンティーセット凄く可愛い。四月からブリティッシュベイクオフのシーズン3が始まるそうで楽しみです。
拙記事を参考にしてくださったとは嬉しい限りです!ただこの砂糖漬け、柑橘の種類や個体差によっても水分の加減が難しくて、私もなかなか会心の出来とはいきません。経験では煮る前の皮をよく絞ると、その分砂糖を含みやすくなり苦みが抜ける気がします(でもある程度ほろ苦さが残ったほうが柑橘みがあっておいしいと思いますが)。
蜂蜜を入れる作り方は香りも良くなりそうだし、いつか良さそうな蜂蜜が入手出来たら試してみたいものです。
めはり寿司って関西に旅行した時だったか見かけておいしそうだなと思ってましたが、郷土の伝統料理なのですね。なんか近頃美味しいごはんかパンがあれば、おかずはごく軽くてかまわない気分のことがしばしばあるのですが、そういったとき自家製の漬物を取り出して並べられたら素敵ですね。
最近気になっているのはイギリスのパブなんかの写真に大きなガラス瓶入りで置かれている事があるゆで卵のピクルスです。昔の翻訳では「酢漬け卵」という訳だったりであんまりおいしそうに思えませんでしたが、どんな味なんでしょう。
図書館で「古代メソポタミア飯」と「魔法使いたちの料理帳Ⅱ」を借りました。「魔法使いたちの料理帳Ⅱ」の方はお菓子と甘いドリンクだけで料理は無いのですね。ナルニアやホビットのお菓子が嬉しい!ダイエットのために「あすけん」アプリに毎日、入力しているんですが塩分摂り過ぎとお𠮟りを受けることが多く、古代メソポタミア飯なら半数がレシピに塩が無く、減塩食になりそう。乾燥していたから塩が無くても腐らないのかしら?「酢漬け卵」はイギリス在住の方のブログなどに登場しますが酢がきつく、小袋にポテチと一緒に入れてシャカシャカして食べると合うそうな。コンビニの茹で卵が大好きですが最近の卵高騰で売り場から消えてしまい悲しい。ダイエットの心強い味方だったのに。ブリティッシュベイクオフ、黒ツグミのパイを模したデザインケーキが面白かったです。ユニオンジャックのケーキも。次のパン対決もお腹がすきそう。高級なフワフワ食パンよりカリカリ系のパンが好きなんです。
メソポタミアって暑く乾燥した地域のイメージなので、汗で失われる塩分を補うため料理の味は濃くなるものとばかり思っていましたがそんなに塩無しレシピが多いとは意外です。酢漬け卵のポテチ和え?は意外と冷えたビールのおつまみとして合いそう。
「魔法使いたちの料理帳Ⅱ」は私も去年図書館で借りました。レシピの文章もそれっぽく凝っていて楽しいですよね(なので元ネタの作品を知らないと微妙に意味不明だったりもしますが)。ファンタジーの幅が広いなあというか、オペラのニーベルングの指環まであったのには驚きましたw
ガンダルフのシードケーキがおいしそうだったので作ってみたかったんですが、確か中に入れるアニスシードがその時手に入りませんでした。アニスだとグレーテルのかまどのレシピのキャラウェイシードより甘い系の香りになるのでしょうか?
2を読むより先に3が出てしまった「怪奇幻想の文学」、ジャン・レーの「マインツ詩篇号」新訳が目玉の一つな感じしますね。そういえばレーの作品は料理食べ物の描写が細かくて、読むと本当にお腹が空いてくるのが多いです(ジャン・レー料理本はさすがにマニアックすぎ?)
GW中も図書館は平常通りなので助かります。「魔法使いたちの料理帳」はハロウィン版も出ていますが指や蜘蛛のお菓子やパンがリアルすぎて借りられませんでした。グレーテルのかまどで「イギリス王妃のシャルロット」を放映していましたがジョージ三世のお妃様のシャルロット王妃、とても美人ですね。彼女の髪型がホビージャパン「18世紀のヘアスタイリング」に載っていて興味深かったです。実際に当時の髪型をポマードと髪粉、ヘアクッションを用いて再現しておりヘアキャップも手造りです。化粧品まで!18世紀絵画から抜け出てきたかのようなモデルさんにウットリします。ドレスやアクセサリーも著者の会社で制作しているなんて。ネット小説の「悪役令嬢もの」が大好きなんですが、名物の縦ロールや凝ったヘアスタイルは専門の髪結いさんの技の賜物だったのですね。今のヘアアイロンにあたる髪鏝も必要だし。カラシュ帽やテレーズなどですっぽり頭を覆うことでポマードが他に付着したり、凝った髪型が崩れるのを防いだのかしら?ポマードと髪粉を正しく使い、毎日こまめに櫛でとかすことで二週間も洗髪しなくても臭いや痒みを感じなかったそうですが自分なら三日でギブアップです。五月も諸星先生の新刊は無いみたいで残念。アリスとシェーラザードの次巻を読みたい!ジョージ王朝からヴィクトリア朝に移り変わっても御婦人の髪やドレスにかける情熱は増すばかり。アリスとシェーラザードは髪は自分達で結っていたのでしょうね。二人で手助けしあったり。
シャーロット王妃に関してはたしか一昨年、「英国王室が愛した花々・シャーロット王妃とボタニカルアート」という展覧会を見に行って興味をひかれました。王立植物園キューガーデンやウェッジウッド始めとする陶磁器製造業の発展に尽力したりとまさに文化人という感じの人ですが、ファッションや美容に関してもカリスマ的存在だったんでしょうね。
「18世紀のヘアスタイリング」の本、さっそく図書館で見つけて読んでみました。ポマードや髪粉の材料って、意外に天然素材が多いというのかクローヴやシナモンなど台所で使うようなスパイスもふつうに入れるのか!というのが驚きでした。頬紅や口紅の赤い色も化学染料ではなく植物由来の素材だったとは。
でも私も三日どころか一日も耐えられなさそう(笑)肩も凝りそうだし、何より多い、硬い、太いの三重苦髪質なので夏場は日に2回髪を洗いたくなります。そういえばフランスに旅行した時、硬水で髪を洗うとたった数日なのにごわつきが酷くなって苦労しました。あちらの人があまり洗髪しないのはそれも一因なんでしょうか?
今年の諸星大二郎劇場の情報、心待ちにしてますがまだ発表ありませんね。アリスとシェエラザードは二人はじめ女性陣のファッションに細部までこだわりが感じられるのがまた時代の雰囲気を出していて好きです。
自分の髪もまさに同じでストレートパーマや高級シャンプーやリンスに大枚はたいておりました。それが寄る年波で髪は細くぺったんこになり白髪染めに頼るはめに。髪に使ったお金が勿体ない!ウィッグも高いし流行りのVRで最適な髪型を投影して自毛は手入れの楽な刈り上げにでもしたいです。「18世紀のドレスメイキング」も借りたのですがコルセットやクッション付きペチコートなどで体型を補正しないと着られないドレスが多く本当に大変そう。プライベート空間と公共の空間とで全く異なる衣装だったんですね。あとコルセットが装着出来ないほどのおデブさんはどうしていたのかしら?年配者のためのオシャレより楽さをとったドレスはあったのかしら?一人で着られるドレスや手入れの楽な断髪を初めて経験した女性の開放感は凄かったでしょうね。ブリティッシュベイクオフのタルト回、糖蜜タルトが出てきましたが、ドリトル先生はあんな甘いお菓子が好物だったなんて。ハリーポッターにも出てくるんですね。ゴールデンシロップにパン粉のフィリングはクリスマスプディングに負けない高カロリー爆弾。ダブダブが焼いていたのかしら?宝石のようなフルーツタルトも沢山登場しましたが林檎のタルトが一番美味しそうで、料理人ノーラ・マッギニスを思い出しました。ド・グランダンがブリティッシュベイクオフの審査員になったら、全員に慇懃な賞賛の言葉をかけ、その後にノーラのタルトに勝るデザートは無いとか言いそうです。ナイトランドクウォータリー最新刊を書店に注文しました。ムアコック御大のインタビューが楽しみ!A・メリットの文庫本は一昔前は新古書店でよく見かけましたが最近はご無沙汰です。
髪型VR死ぬまでになんとか実現してほしい!私の髪も生え方が独特で何をどうしても憧れの髪型にはならず、伸びると頭が膨張して見えるばかりなので毎朝の苦労から解放されたらどんなに楽だか。うろ覚えですがヴァンスの魔王子シリーズでは誰もが肌をカラフルに染めたり髪も凝ったかつらにしたりで、こんなテクノロジーが普及した世界に住みたいものだと思いましたが、何だかまだまだ実現は遠そうです。
コルセットには体型や年齢、体調によって装着できる限界ラインのようなものがあって、その一線を越えたら使用しないんだろうと勝手に思ってましたが、どうなんでしょう。
糖蜜タルト(パイ)、そういえばドリトル先生の好物に名前があがってましたね。グランダンにしてもやっぱりフットワークが軽くて頭脳もフル回転させている人はエネルギーを必要とするので甘党なんでしょうw
グルメ番組で審査員をつとめるグランダンはなんとなく想像できる気がします!アメリカの町では古くからよくベイクオフに近いパイやケーキ作りコンテストなどやっているイメージがありますが、顔も広いし食通ぶりを見込まれてトロウブリッジ先生と一緒に審査を頼まれていたりして(そして起きる怪事件…)
怪奇幻想の文学3「恐怖」が図書館に入りました。ナイトランドクウォータリー「テラ・インコグニタ」も買えました。「怪船マインツ詩篇号」のあらすじは知っていましたが、実際に読めて良かった!前にジャン・レー作品は食事シーンが美味しそうだとコメントしておられましたが、堅パンとコンビーフのサンドイッチとモンスター・パンチが凄く美味しそう。このほっこりシーンの後でホラーシーンの連続になる緩急の筆が流石です。ジェルウィンとフライヤー・タックの主従が大変魅力的でスピンオフ小説があったら読みたい!最後、教師が船長を追いかけて来る場面は怖さ余ってギャグシーンに思える程。「迷いの谷」も買いたいけど本に湿気は禁物で外出する気がそがれます。ブリティッシュベイクオフのパイ回、ウェリントンパイはメインディッシュにもなるご馳走パイなんですね。先日、オニオンスープを入れたココット皿にパイシートを被せて焼いたら、パイ生地の真ん中がみるみるうちにスープに溶け落ちてしまい残念料理になりました。スープが温かかったせいかしら。パイ生地は扱いが難しいです。湿気が多いと天パの髪がボワンボワンになって憂鬱。普段ペッタンコの癖に。ダンジョン飯や諸星先生の新刊は今月も無いんですね。早く創元文庫の復刊リスト出ないかなあ。